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共働きが増えているのは「将来的な不安」から……それならなぜ結婚しないの?

気が付けばもう12月。あと1カ月で今年も終わりますね。ちょっと前にも書きましたけど、年を取ると本当に時間が過ぎるのが速い……悲しいことです。

申し遅れました。“魔王”です。7月にコラムタイトルを付け直して、この名前を使い始めたので、魔王歴も半年ほどになるんだなあ。だいぶ慣れてきた気がしますが、どちらかというと、これも悲しいことな気がします。

さて、今回はいい年のくせに独身のぼくには無縁で、これまた悲しくなるような話題を書いてみます。

>PRESIDENT Online『「産めや、働けや、納税しろや」では何も解決しない…政府とマスコミが無視する「若者が結婚できない」根本原因

PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

最新の男女共同参画白書によると、専業主婦世帯が直近20年で834万世帯→398万世帯と半数以下に減った。独身研究家の荒川…

この記事が取り上げている「男女共同参画白書」とは、内閣府の男女共同参画局が毎年6月に公表している調査報告書のこと。男女が対等なパートナーとして、仕事に限らずあらゆる分野で活躍できる社会を実現するために、現在どんな政策を行っていて、どんな課題を持っていて、今後どうしていくべきなのかを提言しています。

とまあ、固い話はここまで。

とにかく、若者が結婚しない、結婚しても専業主婦にならない、という社会の変化はなぜ起きたのか、おじさんなりに考えてみましょう。

共働きは増えている……けど!

だいたいの人たちは将来が不安なんです
記事が4ページもあるので、信頼する“チャッピーくん”ことChatGPTに『3行に要約しろやゴルァ!』と謎に喧嘩腰な依頼をしたところ、こんな返事が。

この記事を3行で要約します:

「専業主婦世帯」が過去20年で約半減し、「共働き世帯」が増えていると報道される一方で、実際には妻がフルタイムで働く家計は大きく増えておらず、パート労働の増加が主因である。

若者が結婚や子育てを選べない根本には「価値観の変化」ではなく、夫1馬力では家計が維持できず妻も働かざるを得ないという経済構造の変化がある。

働き方や家庭のあり方を「専業主婦かワーママか」と二項対立で議論するメディア論調は、実態を捉えておらず、問題の本質(経済環境の悪化)を見落としている。

嘘をついていない証拠に、スクショも貼っておきますね。

ChatGPTに『3行に要約しろやゴルァ!』と聞いてみた
いやあ、こんな無礼な質問(命令)にも冷静に対応し、最後には「ご希望であれば、もう少し詳しい「5行/10行」バージョンも作れますが、どうしますか?」とまで言ってくれるチャッピーくん。

これを“シゴデキ”と取るべきか、明らかな“ボケ”をスルーする無能と取るべきか。皆さんはどっちだと思いますか?

“共働き”の実情

さて、要約にもあるとおり、現代は夫婦が共に働く「共働き」世帯が増えています

共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移引用:内閣府男女共同参画局『男女共同参画白書 令和7年版』特-I図

期間の途中で参照元が変わっていることもあり単純比較は注意”的な記載がありますが、2001年までは総務庁労働力調査特別調査」、以降は総務省労働力調査(詳細集計)」と、いずれも総務省/庁による調査ですからね。調査方法やタイミングこそ違うものの、大枠で見る分には問題ないでしょう。

そんな中、「共働き」世帯をあらわす青線は1985(昭和60)年と比較して500万世帯以上の増加、倍率にすると1.7倍強。一方、ピンク線の「男性雇用者と無業の妻」世帯は320万減0.425倍…つまり約6割減となっています。

ただね、この数値をより詳細に見ると結構、意外な結果が出てました。

妻の就業時間別、共働き世帯数の推移引用:内閣府男女共同参画局『男女共同参画白書 令和7年版』特-II図

スクリーンショットの関係上、小さくなってしまうので分かりにくいかもしれませんが、緑線が就業時間が週35時間未満のパート世帯紫線フルタイム世帯を表しています。

そしてフルタイムでの共働きはこの40年で1.14倍の微増にとどまる一方、パートを活用している世帯は3倍以上に急増しているんですね。

女性の社会進出

この結果、ぼくにはとても意外でした。フルタイムで働く女性が増えていると思い込んでいましたので。

まあ、ぼくはいわゆる3大都市のような、比較的先進的な都市部での勤務経験しかないし、性差よりもセンス・実力が大きく影響するクリエイティブ職ということで周囲に女性が多かった可能性もあります。

また、雇用形態ではなく労働時間による区別なので、現代のように時短勤務とか週休3日制とか、そういうケースも統計上は「パート」扱いされている可能性はあります。正直、後者は大勢に影響を及ぼすほどではないと思うけど。

とにかく、これを見ると女性の社会進出はイメージほどは進んでいないのかもしれません。

でもね、これって悪いことばかりじゃありません。まだまだ成長の余地があるってことだから。

それに、AIやロボットの活用で性差がもっとも大きい単純筋力を補えるなら、さらなる女性躍進も遠い話ではないはず。

ただでさえ少子化なんですから、男女なんて関係なく、みんなが活躍して乗り切るしかないでしょうしね。

なぜ共働きが増えた?

まあ、この答えは分かり切ってますよね。生活が苦しい苦しいとまではいかなくても余裕がない。まずはこれですよね。

そして、もうひとつ。将来への不安

記事には、そこから目をそらして「共働き夫婦が増えているのは、仕事も家庭も両立したいという若者の価値観の変化だ(記事より引用)などという有識者がいる、とありますが……それはよほどの老害さんなんですかね。

以前、こちらのコラムで調べましたが、2010年の国民負担率(所得に対する税・保険料の割合)37.2%2025年の見込み数値46.2%です。この数値は年々上がっていて、上記の表でもっとも古い1985年の負担率25%程度だったそうです。

つまるところ……

・所得が同じでも手取り額は大きく減っている
・今後、負担率はどんどん上がっていくと思われる
・増加率に見合うほどの所得増加が期待できない
・そのわりに寿命だけは伸び続けている
・年金には期待できない

そんな政府・政治のみならず“社会全体”への不安が、共働きをして貯蓄を増やす、という行動に走らせている。ただ、昔のイメージを引きずる人だけは、そこに気づかない。そんな構図なのかもしれません。

戦争を知らない世代

ただね、それだけではない、世代間ギャップというのも影響していると思うんです。

日本国内が舞台になった最後の戦争から80年が経過した今、国民のほとんどは「戦争を知らない世代」だと言えます。

それでも、ぼくの両親とかもそうですけど、今の70代以上ってみんな、戦争直後の“本当の貧困”を記憶しているんですよね。

そういう世代の考える「最低限の生活」とぼくらのそれには、大きなギャップがある。そこにかんしては年長者と若者のどちらかが間違っているというような話ではありません。

ただ、年長者からみればく、ぼくらは本当に「贅沢者」に映るでしょう。それだけは、こちら側も理解しておく必要があると思います。

結婚率の変化

経済的な不安から共働きを選択する人が増えている。この仮説が正しいなら、子どもをつくるかどうかはともかく、若者たちはもっと積極的に結婚という選択肢を選ぶべきではないでしょうか。

2人で暮らしたからといって、家賃や生活費が2倍になるわけではありません。たとえ余裕はなくとも1人で生活できているのであれば、結婚することで金銭的な余裕を生み出すができるはずですから。

しかし当然、世の中はそうは動いていません。

婚姻件数および千人あたりの婚姻率の推移引用:厚生労働省『令和6年(2024) 人口動態統計月報年計(概数)の概況』より

はい。婚姻率は順調に減り続けています。正直、ぼくもなんとなく予想できていました。

でもこれ、一体なぜなんでしょうね?

もちろん、籍を入れずに2人で暮らす人もいるでしょう。そういうスタイルを選んだ場合、この統計には反映されません。ただ正直、この露骨な下降傾向を食い止めるほどの数ではない気もします。

独身のおじさんが考えても分かるはずがないので、もう1回チャッピーくんに働いてもらいましょうか

AIが考える「結婚しない理由」

今回は真剣に質問してみたところ、こんな回答が返ってきました。

ChatGPTに『不景気で生活が苦しいなら結婚すればいいのに、なぜ結婚率があがらないのか』聞いてみた
とりあえず、チャッピーくんが考える結婚しない理由を5つ抜き出しますね。

ChatGPTの考える「結婚しない理由」
1.経済的不安定性の増加
2.社会保障・子育て支援の不足
3.結婚の心理的・社会的価値の変化
4.ライフスタイルの多様化
5.男女の賃金格差・負担の不均衡

かんたんに解説すると…

1…収入や将来の見通しが不安定で、将来のローン、病気、失業リスクを考えると踏み切れない
2…子どもへの生育・教育費用への不安
3…あとで書きます
4…「自由や柔軟性を優先する」という考え方が強まった
5…家事・育児の負担が女性に偏りやすい、男性側は転勤リスクがあるなどで踏み切れない

本当にシンプルにまとめるとこんな感じです。

そして飛ばした3については章分けして書きますね。

“結婚”の変化について

ここに関してはチャッピーくんの回答を抜き出しますね。

・結婚=生活上のメリットではなく、感情・人生のパートナーシップという価値にシフト。
・「結婚すること自体が目的ではなく、相手との相性や生活の質が大事」という考え方が増えている。
・このため、収入面だけで結婚を判断する人は減っている。

要するに、お金のため、生活のために結婚という選択肢を選ぶことはない。そういうことでしょう。

うーん。

損得で考えてるから、お前は結婚できないんだ!

ってチャッピーくんに叱られた気分です。はい。そのとおりです。それだけじゃなく、理由はたくさんあるだろうけど。

それと同時に、ぼくも含めた現代で「生活に余裕がない」って言ってる人たちって、本当に困っているわけじゃないってことなんでしょうね。

だって、本当に貧困だったら、こんな理想を追い求めてる余裕はないですから。

まとめ:結婚しない若者へ

今回の格言「美人に育てろ!」
あくまで個人的に、ぼくは結婚したほうがいいと思っています

だってね、年を取るとすぐ体調を崩すんです。風邪じゃないけどなんとなく身体がだるいとか、そういうちょっとした不調が頻繁に起こるんです。今もそうです。

あと、友人たちが大きな病気に罹ったりすると、自分のことのように不安になったりもします。

そんなとき「衰えた自分」を想像すると……やっぱり“隣に誰かいてほしい”って考えちゃうんですよね。

若いころから分かっていたつもりでした。でもさ、やっぱり現実味のない想像だったんでしょうね。今みたいに“リアルな恐怖”を感じることはなかったから。

若い方へ。

今、思っていることを10年後、20年後に思っているとは限りません。結婚できるタイミングがあるならば、しておいたほうがいいですよ。これは魂の忠告です。

ちょっとここで、ぼくの原稿としてはめずらしく、とある作家による立派な文章を紹介させてください。

「死」の予感とその肌触りは人間の信念や予感までを狂わせかねない。

引用:石原慎太郎『死への道程』より

元東京都知事(第14-17代)のほか、運輸大臣兼、新東京国際空港問題担当大臣環境庁長官などを歴任した元衆議院議員でもあり、同時に作家として芥川賞芸術選奨も受賞した希代の二刀流、石原慎太郎

彼の絶筆となったこのエッセイは、すでに治ることを見込めない病魔に侵された状態で書かれたものです。死への“予感”とありますが、正確には確信だったことでしょう。

特に大きな病気もない単なるおじさんですら、“死への予感”を想像しただけで、若いころの考えを翻すほどでした。真に死に直面したとき、若いころの考え方のままでいられるはずがないのです。

それにね、きっと悪いことばかりじゃありません。自分のためじゃなく、誰かのためにがんばる。そんな人生もきっと、楽しいものですよ。ぼくには分からないけど。

皆さん、ぜひ結婚してください。そしてぜひ、女の子を産んで、美人に育ててください。

ぼくはその子とデートする日を楽しみに生きていきます!

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かきあたりばったり第20話。「結婚できなかったおじさん」
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