2026年、「黒字リストラ時代」が本格的に始まるかもしれない。
弁護士JPニュースが本日(2026年1月6日)、衝撃的なニュースを配信しました。
>弁護士JPニュース『「黒字リストラ時代」2026年に加速? 退職か残留か…“50代社員”が取るべき「選択と戦略」は』
2026年が幕を開けた。今年はどんな1年になるのか…。もはや、そうしたぼんやり、のんびりしたムードではいられないのかもし…
この記事では東京商工リサーチの集計を引用し、上場企業が早期退職や希望退職を募った数が、2025年1月~9月末までの時点で2024年の総数を上回っていたとしています。
しかも、不景気や業績悪化によるリストラではなく、『多くの企業が業績好調の中で人員削減に踏み切っている』としていますので、これは衝撃といっていいでしょう。
そしてタイトルにもあるとおりこの流れが2026年も加速するのではないかと仮定し、経営コンサルタントへのインタビューも交えながらその危機の実情解説と対策案を提示しています。
ただ、記事を読んで、そして深く考えて、今回の記事だけで「50代(以上)」だけがターゲットかのように考えることは、少し早計だとも感じました。むしろ、影響は全年代に及ぶと感じました。
そこで本当に黒字リストラが加速するのか。その是非や影響、想定される実害を解説していきましょう。
黒字リストラの対象は中高年だけ?

申し遅れました。私、“魔王”と申します。普段は自称・おもしろコラムを書いていますが、当カテゴリに含めるニュース記事については、きわめて真剣に書いていきます。ぜひとも、よろしくお付き合いくださいませ。
皆様も一般的なリストラがどんなものかは、きっとご存じのことと思います。
ですが、そのシステムや効果を理解しているほど「黒字リストラ」という言葉は摩訶不思議な響きを持つとも思っています。
そこでまずは黒字リストラがどのような狙いのもと発動されるのか、対話型AI『Gemini』に解説してもらいましょう。
業績が好調で利益が出ているうちに、将来の競争力を高める目的で人員削減(主に希望退職の募集)を行うことです。「守りのリストラ」ではなく、先手を打つ「攻めのリストラ」と言えます。
3つの大きな特徴
1.対象:主に45歳〜50代以上のミドル・シニア層。
2.手法:強制的な解雇ではなく、退職金を上乗せする**「希望退職」**の形をとる。
3.目的:人件費の抑制、組織の若返り、AI・DX化に対応できる人材への入れ替え。
つまり、現在の業績は黒字だが、将来的な経営改善を図るために行われるのが黒字リストラです。
対象者は?
次に気になるであろう対象者。記事に出てくる7企業の対象者のみを抽出してみましょう。
パナソニックHD…国内5000人(国内社員の半数が50代以上)
三菱電機…53歳以上
ルネサスエレクトロニクス…全従業員の5%未満(1,000人規模)
三菱ケミカルグループ…単体従業員の約10%(応募者1,273人)
明治ホールディングス…50歳以上
オリンパス…不明
第一生命保険…不明
これを見ると、意外と対象者が限定されていないですね。明確に規定されているのは三菱電機と明治HDだけでした。
正直、この情報だけでタイトルに“50代社員”というカッコ付きで強調するほどの突出性は見えない気がします。これが最初に述べた違和感の正体です。
ただ、同時に気になることもあります。
先掲のGeminiの解説ですが、その回答を引き出す前、シンプルに「黒字リストラってどんなもの?」と聞いた際の回答に、以下のような記述があったのです。
最大の目的は、企業の若返りとコスト構造の改革です。 現在は利益が出ていても、「今のビジネスモデルのままでは数年後に危ない」と判断した企業が、体力が残っているうちに組織をスリム化しようとします。
IT化・AI化への対応を念頭に置き、同業他社に先んじて若返りを実行したい。ただし、そのためにベテラン社員に必要な割増退職金などを用意しなければいけない。
その2つのジレンマを解消できるタイミングが2025年であったし、2026年も同じ流れになると読んでいるのでしょう。
先に挙げた企業のうち三菱電機は、過去最高益を記録しながらも希望退職者の募集を開始した。その事実は上記と符合します。
ベテランから見る「黒字リストラ」
本記事はニュース解説記事ですが、同時にコラムでもあります。書いている私は40代中盤のおじさんであり、もう数年で「選択と戦略」を迫られる“50代社員”になる立場です。
はっきり言えば対岸の火事ではありません。
そこで、黒字リストラについて、ベテラン側からの意見を書きたいと思います。
黒字リストラの是非とは?
「選択と戦略」を強いられるのは“50代社員”だけなのか?
ただ結論だけを書くのではなく、そこに至る道のりを「思考のブレ」まで含めて書いていきますので、よろしければ皆様も一緒に考えてみてください。
①酷いと感じた
正直に申し上げて、真っ先に浮かんだのは「酷いな」という感想でした。
なぜかというと、我々の時代には「ゼネラリストであるべき」という風潮がありました。そのための教育を受けて、その中で成長してきました。今、50代以上の方々は、その傾向がより顕著だったことでしょう。
そんな我々が40代・50代になってから、根本からすべてを変えろと言われても難しいんですよ。
特に、この記事に出てくるのは、上場企業の中でも特に名を知られる企業ですからね。氷河期という厳しい時代にあって、そこで活躍している彼らがどれだけ努力を重ねてきたか。
努力しなかったから捨てられるのではなく、努力した人ほど報われない。それが現状なのです。
「酷い」と感じる背景にはこういった要素がある。そうご理解いただけるとうれしいです。
②当たり前だとも思った
真っ先に浮かんだのは、上記の感情論でした。しかし、さらに考えたあとに浮かんだのは章タイトルのとおり、とても冷たい感想です。
50代の社員と20代の社員。
普段のコラムをお読みいただいている方に分かりやすく言えば、私自身と後輩の品本芽生。
もし自分が経営者であったらと仮定したうえで、どちらを残すかと問われれば、1秒たりとも迷わないでしょう。
当然です。はっきり言って、コスパに差がありすぎます。
今後、どんどん変化する時代に対応できるのは若者です。全員ではないものの、一般的には間違いなくそうなります。
企業は営利組織です。儲からなければいけません。これまでがんばってくれたから、そんな人情だけではやっていけないのも事実です。
③結論:悪手だと感じた
ただ、このやり方は相当にリスキーだと感じます。なぜなら対象者のみならず、ほぼすべての社員がロイヤルティを失うかもしれないと感じるからです。
対象となる50代・60代は当然です。裏切られたと感じるでしょうし、残ることを選んだとしても、会社への忠誠心は失われるでしょう。
40代も同じです。もうすぐ、自分が同じ立場になるのですから。ともすれば、今のうちに他社を探そうとなるかもしれません。そしてそれを実現できるのは、有能な人材だけです。つまり、想定よりも早期に優秀な人材だけを流出させる可能性が生まれるのです。
そしてその傾向は30代にも通ずるかもしれません。AIの解説にあったように、今は黒字でも未来が危ないからこその黒字リストラ。まだ先の長い30代だからこそ、将来性に大きな不安を持つことでしょう。
悪手だという結論に達した理由は、主に30代・40代の管理職、管理職候補を失うリスクを生み出すからです。
20代前半の方であれば、特に何も感じないかもしれません。意見が通りやすくなる、力を発揮しやすくなる、そう考えるかもしれません。お若い方ほど、影響は小さいような気もします。
ただ、それでもトータルでみたときには、「悪手だな」「リスキーだな」との感想のほうが優りました。
もっとも大事なポイント
先述のとおり、記事に登場したのはどこも本当の一流企業です。私が考えられる範囲のことなど想定したうえで、黒字リストラに踏み切ったと思います。
そもそも、事前準備をしっかりやっていれば、影響は小さくできます。その意味でも、あくまで一般論でいえば、大企業ほどうまくやれるでしょう。
問題はこの流れが加速し、黒字リストラが中小企業やベンチャー企業まで波及したときでしょう。
規模の小さい会社が抱えるジレンマ
たとえば、大企業の成功事例を受けて中小企業が黒字リストラに踏み切ったとしましょう。
想定される最悪の結果は、以下のとおりです。
削減に成功するも、大企業ほどの比率は見込めない
理由:大企業ほどの手厚い割増待遇が見込めない、次の転職先を探すことも困難
結果:一定の成果は得られるも、満足するほどではない
【40代】
実力者の流出リスクが高まる
理由:転職市場において40代で価値を持つのは一部。そこに該当する人は将来を悲観して流出し、そうでない人が残る
結果:最悪(将来の管理職候補の流出、将来のリストラ候補の残留)
【30代】
全体的な流出リスクが高まる
理由:転職市場での扱いは40代ほど厳しくない。一定の能力を持つ者は流出の可能性がある
結果:最悪(将来の管理職候補の流出、将来のリストラ候補の残留)
【20代】
影響は限定的
理由:一時的な風通しの良さなどモチベーション上昇の可能性あり。ただし教育担当の30代が離職した場合など、流出リスクはある
結果:それなり(ただし流出した際の補填は困難)
これはあくまで最悪のケースです。事前準備次第で影響を小さくできますし、そもそもの人間関係の良し悪しや意思疎通の徹底への配慮など、社内全体の雰囲気も大きく影響するものですから。
ただ、現代の日本では、人材が流出してから確保するのは非常に困難。
現代は新卒市場、転職市場とも空前の売り手市場と言われています。ネームバリューに乏しいケースが多い中小企業が優秀な若手を確保するのは、簡単なことではありません。求人業界にいる私は、そのことを痛いほど実感しています。
また、少子高齢化が進んでいる以上、今後ずっとこの流れが続きます。ありえないことですが、万が一2026年から一気に出生率が上がったとしても、20年間は必ず継続することが確定しています。
黒字リストラにはきわめて慎重に踏み出すべきだと、個人的には思います。
まとめ:あなたにも「いつか来る」!

私がなぜこれほど、黒字リストラの流行化を恐れるのか。
その答えもシンプルで、私が数年後、その立場になるように、Youも君もあなたも全員いつかその立場になるからです。
今の私たちが悩んでいるように、あなたたちにも必ず「今の常識」が通用しなくなるときが来ます。
そのとき慌てないように。
未来の若手から「老害だ」の一言で片づけられない存在であり続けられるように。
黒字リストラに対して「選択と戦略」を迫られている私たちを参考に、常に進化と変化をできる人材になっていただきたい。
心から、そう願っています。
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