年末年始休暇明けに退職者が急増?あけおめ退職の実態と防止策

2026年1月9日。以下の記事が配信され、Yahooなどの主要ポータルサイトにトップニュースとして登場しました。

>TRILL News『「年末年始の後に明らかに増える」社労士が明かす実態。連休明けに「急に退職する人」の共通点とは』

TRILL

多くの会社で、ゴールデンウィークや年末年始などの連休明けに突然退職者が増える現象があります。なぜ、連休をはさんだあとに「…

(以下、本原稿では「TRILL記事」と表記)

年末年始休暇明けの出勤初日に退職届を出す、もしくはすでに提出済みで出社しない。この状態を通称「あけおめ退職」と呼ぶそうです。

現実的に時期に限らず長期休暇明けには退職者が増える傾向がありますが、年末年始休暇明けは特に増えるのだとか。

TRILL記事を要約すると、このようになります。

【ChatGPTによる要約】
記事の要点

1.連休明けに退職が増えるのは、休暇中に「仕事から距離が取れることで、自分の気持ちや働き方への違和感に気づきやすくなる」ため
2.「急に退職したように見える人」ほど、実は普段からストレスを抱え込んでいて限界に達していたケースが多い
3.突然辞める前にも、小さなサイン(口数が減る、態度が変わるなど)が出ることが多い
4.企業側としては、連休前後に変化に気づくための声かけやフォローが重要

これらを踏まえたうえで、複数の企業で求人ライターとして計7年活動している私こと“魔王”が解説していきます。

それほど長い記事ではありませんので、お時間のある方は全文をお読みいただけると、より深くご認識いただけると思います。

年末年始休暇明けに退職者が急増する理由

なぜ年末年始休暇明けは退職者が急増する?
本題に入る前に、少しだけ注意事項を書かせてください。

元記事はあゆ実社労士事務所様へのインタビュー記事ですが、いきなり「なぜ「連休明け」に退職が集中するのでしょうか?」という質問からスタートします。本当に連休明けに退職が集中しているのか、ソースや比率も含めた前提条件は記載されていません

そこで別記事ではありますが、2026年1月7日に中部日本放送(CBC)が配信した下記記事も補強資料にしたいと思います。

補強記事の紹介

>CBC web『正月明けに急増 “あけおめ退職” 退職代行サービスの依頼は「約3~5倍」 背景には「節目の年始・冬のボーナス支給後で金銭的な余裕が…」』

CBCニュース

正月休みが終わった今、“あけおめ退職”が増えているようです。多くの人が仕事始めを迎えた今週。 商売繁盛の神を祀る東京・神…

(以下、「CBC記事」と表記)

関連する数値を抜き出すだけですので、私が必要箇所のみ要約いたします。

【CBC記事の要約】
[退職代行サービスへの依頼]
通常の3~5倍に増加
[長期休暇後に退職者が出たことがある企業の割合]年末年始:36.6%、GW:35.2%、お盆:28.6%

出典:CBC記事より

単純比較するとGWの1.04倍お盆でも1.28倍。あけおめ退職だけが突出しているかは微妙です。ただ代行サービスへの依頼数も併せて考えると、長期休暇明けに退職者が増加することの裏付けは、ある程度できたのではないでしょうか。

このあとは両記事を参照しながら実態に迫ります。

なぜ「年末年始休暇明け」に偏る?

TRILL記事のタイトルでは「明らかに増える」とされていますが、インタビューでは年末年始休暇明けに特化した指摘は一切ありません。ただ「GWや年末年始の後に相談が明らかに増える傾向があります」とされているだけです。

一方、CBC記事ははっきりとあけおめ退職に焦点を当てています。

【あけおめ退職の背景】
・節目の年始
・冬のボーナスが至急(※魔王注:原文ママ)された後で、金銭的な不安が一時的に和らぐ。逆に、ボーナスが安すぎて辞める理由になることもあるそうです
・家族や友人と仕事について話す機会が増え、自分の職場を見つめ直すきっかけになる

引用:CBC記事・4ページめより

この論拠は非常に明確です。これを踏まえると、「退職者が出たことのある会社数」は大きく増えなくても、「退職者の総数」には明らかな差があるのかもしれません。

どんな人が退職する?

こちらはTRILL記事ではあけおめ退職者の特徴を以下のようにしています。

【あけおめ退職者の特徴】
・真面目で責任感が強い人
・周囲に迷惑をかけたくない人
・「自分が頑張れば何とかなる」と抱え込む人

出典:TRILL記事より

語弊を恐れずに書くなら、「まともな人」ほどこのタイミングで退職するのかもしれません。

あけおめ退職の前触れは?

では実際に予兆を感じ取ることはできるのか?

TRILL記事では「評価や将来の話題に関心を示さなくなった」、「有給休暇の取り方が極端になる」などの例を出したうえで、さらに

特に注意したいのは「急に静かになる」パターンで、これは諦めのサインかもしれません。

としています。これも非常に重要なポイントだと感じました。

職場にできることは?

ここもTRILL記事から引用します。

連休の前後をきっかけに普段と違う変化に目を配り、態度の変化や小さなサインに気づくことが重要です

これはなにも管理職に限った話ではありません。むしろ、同じ立場である同僚の声かけのほうが意味を持つ気さえします。

あけおめ退職の問題点と減らし方

あけおめ退職の分析
ここからはあくまでも私個人の視点での解説です。

本カテゴリのニュース記事では結論だけを述べるのではなく、思考のブレまで含めて、なぜその結論に至ったかの経路も紹介いたします。

具体的には「①感情論②理性論③結論」という流れ。

私の思考の流れに合わせて、皆様にもぜひ一緒に考えていただければ幸いです。

時期について

まずは「年末年始休暇明け」という時期について。

感情論:当たり前

業界・業種にもよるでしょうが、一般的には控えている連休が長いほど、その直前は忙しくなるもの。そんな激務を乗り越えて迎えた長期休暇。せっかく楽しい期間なのに、理不尽な日々がフラッシュバックしたら……辞めたくなるのは理解できます。

そこに金銭的な余裕節目という季節的要因がくわわった結果が、あけおめ退職なのだと感じました。

理性論:もったいない

ただ、もう少し深く考えると、違う感情も出てきます。せっかく忙しい時期を耐え抜き、気持ちに余裕が生まれるほどのボーナスももらえた。にもかかわらず、節目を辞めるきっかけにしてしまうのは、主に金銭面でもったいないと思います。

転職すれば給与が下がるかもしれないし、基本的に1年めはボーナスもないでしょう。そもそもボーナス制度がない会社だってあるわけですから。

結論:早まるな

トータルの結論も同じ。長くても9連休程度の短い期間で感情的に退職を決めるのは早急だと感じます。

考えるきっかけは年末年始休暇でも、転職するだけの価値を感じられる会社を探して落ち着いて考えて、実行は夏のボーナス後

人生をかけた決断になるはずなので、これでも充分「早い」と思います。

辞める人の特徴について

続いてはどんな人が辞めるのかについて。

感情論:そんなもの

感情論の時点でかなり醒めた見方ですが、記事で挙がっていた特徴は、別にあけおめ退職に限ったものではありません。本当に辞める人は黙って辞めるものです。

理性論:同じ

正直、理性的になったつもりで考えても、同じ結論です。

違うのは、TRILL記事の原文に「定期的に本音を聞く機会を設ける」とあるんですが、多分、意味がないだろうと感じたくらい。インタビュイー(取材を受けた人)も言ってますが、退職を決めた人であれば、機会を設けたところで本音は言わないでしょう。

結論:正しい

特徴としては基本的に正しいと思います。この時期に限った話じゃないというだけで。

ではどうするべきなのか。

これは職場環境にも通ずるので、後回しとさせてください。

サインについて

続いては退職者はサインを出すのかについて。

感情論:ムリ

あくまで本当に急に辞める人に限定した場合、事前に見抜くのは無理だと思います。先述のとおり、辞める人ほど「匂わせ」のようなことはしないから。

見抜くというか事前に知るなら、その人と親密な部下・後輩に聞くしかないでしょう。教えてくれるかは別問題ですが。

理性論:サインくらい出して

これは退職する側に伝えたいこと。

これまで無理を続けてきて、それを乗り越えた“あなた”は、とても優秀とても真面目な人であるはずです。そんなあなたが急にいなくなったら、残された立場の負担は計り知れません。予測さえしていなかったなら、なおさらです。

あなたの決断を止めるわけではありません。残される人のためにも、分かりやすいサインを出してあげてほしいと感じます。

結論:現実的に困難

TRILL記事ではいろいろなサインの実例を挙げています。過去に3回転職した私自身の経験からも、同時にもっと多くの仲間を見送ってきた経験からも、どれも正しい兆候だと感じました。

ただ、それは「後になってから気づくこと」でしかありません。

リアルタイムで他者にバレるほど分かりやすいサインを出す人は、ほぼいないでしょうね。

職場環境について

続いては退職者は減らす環境づくり。

感情論:変えたい

職場環境の改善は働きやすさ効率性やりがい、すべてに直結します。同時に長い時間が必要で、今すぐ取り組んでも来年のあけおめ退職対策としては遅いくらい。だからこそ、最速で取り組むべきです。

TRILL記事には「部下や同僚に「最近どう?」と気軽に声をかけることから始めてみてはいかがでしょうか」とあります。

こんなことで? と思うかもしれませんが、意外と大事なのが最初の一声。そこをきっかけに、焦らず少しずつ輪を広げていただければ効果が出るはずです。

理性論:期待できない

ただ。

職場づくりは1人の努力ではできません。現場だけではなく経営陣まで含めた多くのメンバーと一緒に作り上げるものです。

そして残念な話ですが、影響力は立場が上の人間ほど強いもの。どうにかしたいと思ってくださったあなたが社長なら別ですが、そうでない場合、できることは限られるのが現実です。

結論:あきらめないことが大事

社内環境の改善には時間が必要です。特に社内全体を変えたいなら、1年どころか3~5年くらいの長いスパンで考えるべきだと思います。

ちなみに。

ネット上には「○○をするだけで劇的に変わった!」などの煽り記事が頻出しますが、個人的にはそれを真似ることもおすすめしません

劇薬のような方法に頼らず、冷静で着実な施策を行っていただけるようお願いいたします。

まとめ:辞める人も残る人も焦らないで!

自分自身を大切にするためにも、慎重な判断を!
読み直して、残留側の視点が強いかな、と感じたので、最後に退職を考えている人へのメッセージを書かせてください。

いろいろ思考を巡らせましたが、結局のところ、こういうことだと思うんですよ。

それまで動いていたものが連休で止まった
連休が終わった
もう一度、動かさなきゃいけない
心は休日モード真っただ中……
無理! これ以上がんばれない!

いちばん仕事モードじゃないタイミングで、いちばん大きな労力を求められる。このツラさはほぼすべての社会人が共有しているでしょう。

でも、それでも私は休暇中に決断して、休暇明けに退職届を提出するのは、どうしてももったいないと思ってしまいます。

あなたはこれまで、同じ境遇を乗り越えてきたはず。過去にやったことを、またやるだけでいいんです。

実際、CBC記事を見ると、若年層ほどあけおめ退職に心が傾くのだとか。

【あけおめ退職したい?】
20代
24.9%
30代20.4%
40代17.6%
50代12.6%

引用:CBC記事・3ページめより

逆説的ではありますが、年を重ね経験を積むほど、“激務⇒連休⇒通常運転”というジェットコースターのような変動にも心がついていけるようになる。その証明ではないでしょうか。

繰り返しますが、私は転職するなとは言いません。連休中に転職を考え始めるのも当然だと感じます。

私が皆様に伝えたいのは1つ。

ご自身にとって「最善が何か」だけは忘れることなくご決断いただきたいのです。

心よりお願いいたします。

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