長くなりそうなので、いきなり本題です。2月13日に、ITmediaビジネスONLiNE様が「「こんなことをさせられる今の就活生はかわいそう」 約20年前に就活をしたおじさんがAI面接の動画を視聴した感想」という記事を配信しました。
キリンホールディングスやソフトバンクなどで導入が進んでいるAI面接ツール。そんなAI面接の検証動画を見た元就活生おじさん…
文章や画像作成はもちろん、テレアポやマーケティング、コンサルティングまでAIが代行する現代において、面接をAIが担当すると知って驚く人は少なくなったのではないでしょうか。
そんな中、見つけたこちらの記事。本当に興味深い、すてきな記事でした。皆様もぜひ、2本ある動画まで含めてご覧いただければ幸いです。
そして今回のコラムは、こちらの記事や同じくAIであるGeminiくん、ChatGPTくんあたりにも聞きながら、AI面接のメリットとデメリットを考えてみましょう。
AI面接の可能性

このコラムを書いているぼくこと“魔王”くんは、もう7年くらい求人業界でライターをしています。おじさんのぼくには“たった”7年ですが、そのころにはAI面接の気配なんてなかったことを考えると、やっぱりそれなりに長い時間が流れたんですね。
まずはいつもどおり、要約という面ではもっとも優れていると感じているGeminiくんに記事を読んでもらって、シンプルに短くまとめてもらいましょう。
AI面接の現状と課題:効率化の裏にある「人間味」の欠如
・ベテラン記者の違和感
約20年前に就活をした筆者は、最新のAI面接ツールを視聴し、双方向性のなさや「一方的に情報を吸い取られる感覚」に、今の就活生への同情を禁じ得ないと述べています。
・学生側の強い拒絶反応
調査では、AI面接により「受験意欲が下がる」と答えた学生が約8割にのぼり、4割以上がAI面接を理由に選考を辞退するなど、企業の「不誠実さ」を感じる学生が多い実態が浮き彫りになりました。
・企業のジレンマ
企業にとってはコスト削減や公平な評価というメリットがある一方、売り手市場の現在、AI導入による「志望度低下」を防ぐ工夫が急務となっています。

ではこの要約をぼくなりに深堀りしながら、AI面接のメリットとデメリットを考えてみたいと思います。
企業側のメリット
ぼく自身、この仕事を始めてから痛感したのは、企業にとって「採用」は予想以上に“負担が重い”ものだということ。
求人原稿を掲載するにはお金がかかります。さらにいざ面接となれば、人員の問題も出てくるでしょう。人事部がある会社はまだしも、現場の管理者やベテランが担当する場合、業務上の負担も馬鹿にはなりません。
それでいて、必ずしも希望どおりの人材を確保できないのだから、結構なギャンブルです。
AI面接によってその工数や負担を大きく軽減できる。これこそが最大のメリットでしょう。
もうひとつ、これもぼく自身が経験があるから分かりますが、面接官といっても人間ですからね。相性や好き嫌いをゼロにすることはできません。
正直、それで“誰が見ても優秀かつ理想的”という人材を逃すことはよっぽどないでしょうが、相手に嫌われて辞退される可能性は十分にあります。
さらに、本来あるべきでない「個人的な感情」は、相手の将来性を計るときにバイアスをかけます。相性が良ければ不当に高く評価してしまうし、悪ければ真反対の評価を下すでしょう。
過去にネタにしたとおり多少の忖度“的”な行動はあるとはいえ、AIの判断は、少なくとも人間よりはフラット。そういう意味でもうってつけです。
求職者側のメリット
一方、求職者にどこまでメリットがあるのか。ぱっと考えて浮かんだのは、土日・深夜を問わず対応してくれるというところかな。特に在職中に転職活動をしている人にとっては、大きなメリットになりそうです。
あとは、いわゆる「圧迫面接」みたいな精神的なストレスを軽減できそうな気もします。ただ、何を話しても笑うなどの大きなリアクションがないので、リアルな反応を感じられない不安に悩む求職者も出てきそうですけどね。
とはいえ、どう答えても入社後に気まずさを残さないという意味も含めて、AIのほうが気楽に受けられる気もします。
双方にさまざまなメリットがあるのだから、今後ますますAI面接が導入されていくんでしょうね。
もちろん、採用まですべてをAIに任せるのではないでしょうが、一次面接はAI、最終面接は役員、そんなスタイルが当たり前になる日も、遠くないかもしれません。
ただ。
正直、今すぐに爆発的に伸びるとも思えない自分もいます。
企業側のデメリット
デメリットを考えたときに真っ先に浮かんだのは、「人を見ずに落とす」こと。合格した人はいいんです。面接のすべてをAIが担当するとは考えにくいので、そのときに人が確認できます。
ただ不合格になった人を確認できないってのは懸念点ですよね。
皆さんに聞きたいんですけど、AIの失敗ってあきらめられますか?
もしそこに惜しいと思わせる人がいたら……そんな“モヤモヤ”が残り続けるかもしれません。
求職者側のデメリット
求職者側から見ても同じです。皆さんも本命の会社からお祈りメールが来て、がっかりした経験ってありますよね。ぼくもあります。でも、どこかで無理やり「仕方ない」と割り切ったと思うんですよ。
それと同じことを、AI面接でもできますか?
正直、ぼくはできない気がします。その会社に入りたいという気持ちが強ければ強いほど。諦めるには、自分自身を納得させるだけの理由がほしいけど、AIが相手だと、まだそこまで割り切れない気がします。
そして。
もう一つ、ある意味では余計に厄介なデメリットがあると思っています。
双方への“最大の”デメリット
それは「攻略法」ができてしまうことなんですよね。
たびたびネタにして申し訳ないけど、ぼくが愛するClaudeくんの“忖度疑惑”を暴いたコラムで、最後に「忖度させないための質問の仕方」をまとめましたよね。あれだって、言葉を変えたら攻略法なんですよ。
どんなにAIが優秀でも、決められたルールに従って動く以上、攻略法が存在しうるもの。むしろ、優秀だからこそ問題になるわけです。
たとえば今では当たり前になったGoogle検索対策の「SEO」。最初は誰もその仕組みが分からなかったものの、肌感覚で「こうすると高順位で評価されやすい」と気づき、実践を重ねて精度を高めて、現代ではSEOライティングが当たり前になりました。
AI面接にもきっと同じことが起こります。
AIが高得点をつけやすい表情に服装、答える速度、瞬きの回数……。正しいものほど、異次元の速度で広まるものです。
具体例・芽生ちゃん
以前にも書いたことがありますが、後輩の芽生ちゃんはぼく自身が面接を担当して、採用を強く進言したんですよね。
そして、そう思った理由は、決して「面接対策をバッチリやってきた」とかじゃありません。不器用ながらアピールしてくれた、文章に対する熱意とやる気に強く惹かれたんです。
でね、これがAI面接だったとして、もしAIが緊張している彼女の内に秘めたやる気を見逃したり、表面的な“回答の流暢さ”だけで評価が下がったりしたら……。
たとえそれがわずかな可能性であっても、「もったいない」という気持ちが勝っちゃいそうなんですよね。少なくとも、現時点でのぼくは。
「攻略法」の弊害
「攻略法があるなんて最高じゃん!」。そう思った方、少しでもご納得いただけたでしょうか?
結局、ぼくが感じるのは、面接に受かるための“最適解”を意識した回答で高得点を叩き出し合格したところで、それってあなたにとって幸せですか? ついでに、企業にとってはどうだと思いますか?
本来、“相性チェック”であるべき面接に攻略法ができてしまえば、高得点を競うゲームになってしまう。ぼくには、それが面接の“あるべきカタチ”とは思えません。
だって、ある程度の求める能力・スキルを持っている前提で、合格させるべきなのは「会社に合いそうな人」だと思いますから。
だからどんな形であれ、AI面接中の様子を“ヒト”がチェックするなどの対策は必要な気がします。
人間とAIの違い
人間同士の対面面接でも攻略法なんてたくさんあります。それは事実です。
ただ、人間対人間の面接って、ある種の“化かし合い”みたいな側面がありますから、見抜けなくてもこっちが悪いと思えるんですよね。
対して、騙す気のないAIに対する攻略法による好結果だと、割り切って受け止められない自分がいるのも、これまた事実なんですよ。
結局のところ、自分のミスは許せる、自分が信頼している人のミスも許せる、でもAIのミスはまだ許せないだけ。一言にすると「納得感の欠如」ってだけかもしれません。
ただそれは、AI面接はまだ時期尚早ということだとも思うんですよね。
今、AI面接を受けるあなたへ
そうはいっても、転職活動中の方が近々、AI面接を受けるとした場合、今回のコラムは直接的に役立つものではありませんよね(笑)。
そこでこんな章を最後に追加します。
あくまでぼく個人の考えですけど……特別なことは考えず、普段どおり熱意をぶつけてきてください!
というのも、現時点でAIってものすごく優秀ですからね。多少たどたどしくても、熱意ややる気は見抜けると信じています。
でも、それで落ちてしまったら。
そのときは「俺の感性が分からないなんて、AIもまだまだだな!」くらいに思っちゃいましょう。
対人間だって、結局のところ相性が重要。AI面接もそれと同じだと諦めて、次を探す方が建設的だと思います。
皆さん、がんばってくださいね!
まとめ:AIに任せきりはダメ!

去年の9月以来、ぼくはいろんなAIをおもちゃのように楽しみながら学んで、仕事にも活用しています。
半年弱という浅い経験の中で1つだけ、確信していることがあります。
AIにすべてを任せきりにしてはダメ。自分のやりたいことと、会社に合うと思うことと、読者の皆さんのお役に立てることのバランスを考えて、AIと対話を重ねて改良していかないと。
[うまい・ヘタの分かれ目]
うまい…短時間で的確なプロンプトを与えられる
下手…的確なプロンプトを与えるのに何度もやり取りを要する
[正しい・間違いの分かれ目]
正しい…主体を自分に置く
間違い…AIにすべてを任せる
この“コツ”をAI面接に流用するならば、“足切り”をAIに一任するのではなく、本来人間が持つべき“多角的な視野”の抜けを阻止する「サポート役」に据えてほしいですね。
AI面接自体の可能性は非常に高いものですし、今後確実に広まっていくでしょう。
そのとき、効率化ばかりを追い求めるのではなく、リアルタイムで受験者の表情を人間がチェックして「違和感」や「期待感」を判断するくらいの負荷は受け入れられる日本であってほしいと思います。
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