皆さんはポータブルスキルという言葉をご存じですか? 聞いたことがなくても、文字から受ける印象でなんとなく理解した方もいるかもしれません。
そのとおり、これは転職先でも流用できる、持ち運びできるスキルのこと。
では、どんなものがポータブルスキルにあたるのでしょうか。
ビジネスに必要なものばかり!ポータブルスキル一覧
職種や部署、仕事を問わず活かせるのがポータブルスキル。簡単に言えば、汎用性に優れたスキルということです。
たとえば。
論理的思考力
計画立案能力
プレゼンスキル
問題解決能力
交渉力
柔軟性
コミュニケーション能力
このあたりが挙げられるでしょう。
これらは、ビジネスパーソンにとって必要なものばかり。こういったスキルを持っていれば、そしてうまくアピールできれば、転職活動を有利に運べることでしょう。
これは違うの!?持ち運びできないスキル例
ポータブルスキルの対義語は、アンポータブルスキル。特定の企業や業務でしか活用できないスキルのことで、文字の印象からネガティブなイメージを持ってしまう方がいるかもしれません。
こちらも例を挙げると
社内の独自システムへの知見
その企業で販売している商品・サービスに特化した知識
特定のプロジェクトでのみ使われるツールの使い方
お気づきですか。ただ単に専門的なスキル(これを「テクニカルスキル」と呼ぶ)というわけではありませんね。どちらかというと、特殊な状況でのみ使用可能なスキルというイメージです。
残念ながら、これらのスキルは直接、転職活動を有利にするものではありません。
でも、忘れないでください。アンポータブルスキルを得る過程で、ポータブルスキルも身についているのです。
「そのスキルを得るために、どんなやり方/努力をしたか」。このロジックを意識すれば、担当者にうまくアピールできますよ。
なぜ今、ポータブルスキルが必要なの!?
皆さんは、終身雇用と聞くとどんなイメージですか? 昭和の産物、過去の象徴。そんなイメージかもしれません。
それでも、実は平均勤続年数は増加傾向にあるんです。
では、なぜ転職活動が活発化しているように見えるのか? その一因に企業の平均寿命が減少傾向にあることが挙げられます。
現代は「VUCA(ブーカ)の時代」とも呼ばれます。これはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字で、激流の現代を象徴しています。
自分の意思でよりよい職場を求めるのはもちろん、不可抗力で転職を余儀なくされることも多い現代では「転職力」は必須。その最たる例が、ポータブルスキルというわけです。
転職しない人も役立つ!ポータブルスキルの具体例
先ほど、「転職力を高めるためのポータブルスキル」と書きました。ただ、転職しない人にもポータブルスキルは重要です。どんな会社、職種、仕事でも有用なスキルなのだから、当然ですね。
これから紹介するスキルを若いうちに身に付ければ、かなり役に立つこと間違いありません!
問題解決に関するポータブルスキル
最初に紹介するのは、問題解決に関連するもの。目の前の課題を冷静に受け止め、分析し、乗り越える。どんな職種であっても、必要な能力です。
発想力
一言にするなら、新しいアイディアを思いつく能力のこと。ゼロからモノを産み出すのは、簡単ではありません。しかも実現可能なものでなければいけないとなると、難易度は高めです。その分、どの企業でも必要とされます。
そして、次の能力も持っていると、より強みとなるでしょう。
計画力
これは目標達成や問題解決のために計画を立てる能力と言えるでしょう。立案だけではなく、誰が・何を・どう動かせば実行できるのか。プロデューサー的な行動が求められます。
また、複数の課題に対し優先順位を決定したり、的確な人材配置を行ったりと、広い視野も必要となるでしょう。
実行力
計画を正しく実行する力もなくてはならないもの。ただ単に実行するだけではなく、正確かつ迅速に行動できると評価はさらに高まります。
また、実行途中に課題にぶつかった場合、それらに対処する柔軟性が必要になる場面もあるでしょう。
分析力
すべての能力の前提にあるものとも言えます。仕事を進めるうえで、自社、競合他社、そして市場の分析は欠かせません。
またプロジェクトの進捗度合が予想外だった場合や課題にぶつかった際も、この能力は必要となります。
コミュニケーションに関するポータブルスキル
次に紹介するのは、コミュニケーションスキル。当たり前ですが、仕事は1人ではできません。上司、同僚、部下を問わず、自分のアイディアや意見を的確に伝える能力も、どんな会社でも必要なスキルです。
説得力
自分の意見に説得力を持たせる。異なる価値観を持つ相手と協力体制を築くうえで、この能力は欠かせません。
大切なのは、相手に不快な思いをさせないこと。相手の立場や心理状態に寄り添って、無用な衝突を避けながら意見をアウトプットすることを心がけましょう。
統率力
目標達成に向けてメンバーの心を1つにする能力のこと。リーダーシップと重なる部分も多いと思われます。
しかし、なにもリーダーだけに必要な能力というわけではありません。たとえば、メンバー全員がモチベーションを維持できるよう周囲に気を配ることも、統率力の1つです。
協調力
とはいえ、自分1人で奮闘していても成功は見込めません。周囲のメンバーと力を合わせるために、協調力は欠かせないスキルです。
そのためには、異なる意見も頭ごなしに否定するのではなくフラットな立場で聞くなど、相手を尊重する心が必要になります。
自分に合ったスキルを伸ばせばOK!
ここまでを読んで、「こんなの無理だよ~」と思った方もいるのでは。実際、これらすべてを兼ね備えたビジネスパーソンなど、ほぼ存在しません。
特に第二新卒と呼ばれる若い世代なら、1つ持っていれば十分です。この中から自分に合ったポータブルスキルを見つけて、アピールしてください。
例文あり!ポータブルスキルのアピール方法
アピールしてくださいといっても、実際にどうすればいいの? 履歴書? それとも職務経歴書? 書き方は? そんな疑問が皆さんの頭の中を回っているかもしれません。
最後に、職種別のアピール例文をご紹介いたします。
履歴書と職務経歴書、どっちに書けばいいの?
結論から言うと、ポータブルスキルは職務経歴書でアピールするものです。自身の学歴や職歴の概要を伝えるのが履歴書で、職歴の詳細を伝えるのは職務経歴書の役割ですから。
一般的な職務経歴書には「活かせる知識・スキル」という欄が用意されていますので、そこに記載しましょう。
営業職のポータブルスキルアピール例文
ここからは例文を紹介します。まずは、営業職を想定した場合の、ポータブルスキルのアピール文です。
私は他の営業スタッフよりも訪問件数は多いにもかかわらず、なかなか受注に繋げることができませんでした。そこで、営業効率を上げるべく自己分析を行ったところ、自身の説明は説得力に欠けることに気づきました。以来、自社製品と他社製品を比較したデータを作成し、お客様からの質問に対して客観的な回答を心がけたところ、売上が向上。先月には、部署内で売上1位となりMVP賞をいただくことができました。
この例文は、最終的な説得力だけではなく、そこに気づくための分析力もさりげなくアピールしていることがポイントです。
事務職のポータブルスキルアピール例文
もう1つ、コミュニケーション能力をアピールする例文を紹介します。こちらは事務職を想定しています。
私は前職で、PCスキルだけではなく、コミュニケーションも重視したいと考えています。希望や置かれている状況を考えそれぞれの方に合わせたサポートをすることで、仕事がスムーズに進み喜んでいただくことに、やりがいを感じます。
事務職の場合、PCスキルが求められるのは当然。それだけではなくコミュニケーション能力をアピールし、さらに裏方に徹することにやりがいを感じると述べる。
このように、それぞれの職種に合ったスキルや人間性を盛り込むと、担当者の印象はよくなることでしょう。
まとめ:自分は何が得意なのか振り返ってみよう
「職務経歴書に書くようなアピールポイントがない」と考えてしまう方もいます。特にキャリアの浅い若い世代には、その傾向が顕著です。
社内表彰や資格などの客観的なアピールポイントが見つからない場合、「どんな意識で仕事をしていたか」を振り返ってみてください。そこにはきっと、どんな仕事にも共通するようなポータブルスキルが隠れているはずです。
それでも見つけられないという場合は、友人や同僚に聞いてみるのも1つの方法です。
自分自身を正しく評価し、長所をアピールする。それが転職活動を成功させる最大のポイントです。
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