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製造スタッフとは?必要なスキルは?あると便利な資格は?

慢性的な不景気に苦しむ日本にあって、世界で大きな存在感を発揮しているのが製造業

その最前線。工場などの現場で働く製造スタッフは、“モノづくり”を支える大切な仕事です。

では製造スタッフという仕事には、どんな特徴があるのか。実際の業務内容や求められるスキル、あったら便利な資格などを、1つずつ解説していきます!

製造スタッフってどんな仕事?

製造スタッフってどんな仕事?
一口に製造業といっても、作る製品はさまざま。当然、企業や工場によって、業務内容や求められるスキルは異なります。

では、具体的にどのような違いがあるのか。まずは業務内容から解説します。

製造スタッフの仕事内容

学歴・経験不問の求人メディア『ジョブリット』では、業種や担当する作業によって下記の10つに分類しています。

製造スタッフの作業内容
ライン作業
食品製造
組立・組付け
機械オペレーター
検査・加工
玉掛け・クレーン
溶接・塗装
鋳造・鍛造
生産・工程管理
その他製造スタッフ

これらの作業内容をかんたんに紹介していきましょう。

これぞ製造スタッフ!ライン作業

製造スタッフと聞いて、真っ先に思い浮かぶのがライン作業ではないでしょうか。具体的には、ベルトコンベアなどで流れてくる仕掛品(しかかりひん。生産途中の製品のこと)に自分が任された加工・こん包などを行い、次の工程へと流す作業です。

一般的に、体力が必要と思われているこの職種。しかし近年は、機械化が進み、女性や体力に自信のない方も問題なく作業できるケースがほとんどです。

ちなみに、ライン作業という名前の元になったのは、イギリスで生まれた「ライン生産方式」。このあと登場する業務の多くがこの一部に含まれるほど、製造業の根幹を担う作業方式です。

意外?当然?快適に働ける食品製造

食品工場での加工や調理、包装、出荷などを行うのが食品製造。多くの場合、こちらもライン作業で業務を行います。調理といっても特別な技術は不要で、未経験者も安心して働けます。

食品製造のメリットは、作業環境が整っていること。製品となる食品を守るために温度・湿度が管理されていて、快適に働けます。

手先の器用な方にピッタリ!組立・組付け

こちらもライン作業の1つ。製造現場で製品を組み立てる仕事の総称です。

工場にもよりますが、組立と組付けの違いは主にパーツの大きさ。組付けでは部品のねじ止めや部品に付属品を取り付けるなど、小さいパーツを扱います。対して組立というと、部品同士を組み合わせることを指すため、必然的に大きなパーツを扱うことが多い傾向にあります。

とはいえ、これらは工場によりさまざま。やりたい/やりたくない作業がある方は、面接で確認しておくといいでしょう。

体力に自信のない方にオススメ!機械オペレーター

殆どの場合、現代の工場では実際の製品加工はロボットが行います。そのロボットの操作・監視を行うのが機械オペレーター。

部品などのセッティングを行うことはあるものの、主な業務は機械の操作なので、比較的、体力の消耗が少ない仕事です。

1つのミスさえ見逃さない!検査・加工

工場は、ただ製品をつくればいいわけではありません。その製品が求められる品質基準をクリアしていなければ、出荷できないからです。

そんな不良品をチェックするのが検査工程。細かく分けると、納入した原材料をチェックする「受入検査」、工程途中の仕掛品をチェックする「工程内検査」、出荷直前の製品を調べる「最終検査」に分かれています。いずれも、測定器や計測ソフトなどを用いて万に一つのミスを見抜く、大切な作業です。

ちなみに、ここでの「加工」は製品の完成後の作業。製品の表面を研磨し精度を上げるとともに、見た目も美しくする工程です。

ちょっと特殊な業務!玉掛け・クレーン

こちらは主に工場の外で行う業務で、クレーン車で重い部品を移動させる業務です。

ちなみに玉掛けとは、クレーン車のフックに荷物をかける作業のこと。使用するロープの強度長さ荷物のバランス持ち上げる角度と、注意が必要なポイントが多いため、無資格でこれらの業務に携わることはできません。クレーン車の資格玉掛けの資格、双方が必要となります。

資格があればさらに有利に!溶接・塗装

金属部品を高温で接合する溶接と、製品の外観を整えるだけではなく防錆・防水などの性能を付与する塗装。どちらも製造業に欠かせない作業です。

玉掛け・クレーンと並んで特殊なスキルが必要な業務の1つ。溶接ならアーク溶接作業者、塗装なら塗装技能士有機溶剤作業主任者などの資格を持っていると、就職に有利になります。

とはいえ、これらは入社後に取得することも可能なので、経験や資格がない方もご安心ください。

レアな国家資格をめざせる!鋳造・鍛造

鋳造(ちゅうぞう)は金属加工法の1つで、融点より高い温度に熱して液体化させた原材料を型に流し込んだあと、冷やして製品にする作業のこと。そして鍛造(たんぞう)は、金属を叩いて強度を高めつつ、目的の形に成形する作業です。

こちらも専門的な知識とスキルが必要な仕事です。業務を通して鋳造技能士の資格を取得すれば、一生モノのスキルとなることでしょう。

すべての工程の監督官!生産管理・工程管理

生産管理とは文字通り、受注や材料の調達から製造状況まで、生産計画に基づいて現場全体を管理する業務です。どの製品を、いつまでに、いくつ製造するのか。そのために必要な資材や人員はどの程度なのか。それらを的確に計画する必要があるため、豊富な経験広い視野高いコミュニケーション能力が求められます。反面、体力仕事ではないため、性別や年齢は重要視されない職種でもあります。

ちなみに工程管理は、生産管理の一部。生産現場で各工程がスムーズに業務を遂行できるよう、人員配置や製造設備・進捗状況の管理・確認を行います。

工場の仕事はまだまだある!その他製造スタッフ

実際に作業をする仕事から、それらを管理する仕事まで、さまざまな職種を紹介しました。しかし、製造現場にはほかにも仕事があります。

たとえば部品の供給設備のメンテナンス安全管理など。これらは補助的な役割ではあるものの、製造現場に欠かせません。

未経験でもできる?年収は?製造スタッフの魅力を紹介!

製造スタッフのメリットとは?
日本が世界に誇る製造業。製造スタッフはその骨幹を支える、やりがいも利益も大きい仕事です。多くの日本企業が円安に苦しむなか、トヨタ自動車は2023年度に売上高・経常利益とも日本史上最高額を記録するなど、その安定感は群を抜いています。

では、製造スタッフになるのは難易度が高いのでしょうか。また、年収休日労働時間といった労働環境はどの程度なのでしょうか。今回も厚生労働省による職業情報提供サイト『job tag』などのデータから、製造スタッフの実情をチェックしていきます。

有効求人倍率

ここまで見てきたように、さまざまな職種を内包する製造スタッフ。有効求人倍率は『job tag』ではなく、同じく厚労省が発表している「一般職業紹介状況」から確認します。

2024年3月のデータで「生産工程従事者」全体の有効求人倍率は2.53倍。これは製造業の仕事を探している人1人に対して、求人が2.5件以上あるということ。つまり、かなり採用されやすい業種だということができます。

賃金

ここからは『job tag』のデータです。多く紹介するとかえって分かりにくくなる可能性があるため、今回は数多い職種の中から「自動車組立」「生産・品質管理技術者」「検査工(工業製品)」「クレーン運転士」「惣菜製造」の5種をピックアップしました。

各業種の賃金
自動車組立……501.3万円
生産・品質管理技術者……644.5万円
検査工(工業製品)……412.1万円
クレーン運転士……513.3万円
総菜製造……344.8万円

「製造スタッフ」「ライン作業」と聞いて真っ先にイメージするであろう、自動車組立の年収が非常に高いのが印象的です。しかしこれはおそらく、自動車メーカー直雇用の数値だと思われます。

また総菜製造となっていますが、実際には工場のライン作業全体の数値を示していると思われます。これは金額からの印象ではなく、総菜製造の就業者数が自動車組立の人数と比べて約4倍となっているからです。

それらを加味すると、製造スタッフの平均年収は総菜製造の金額に近いのではないでしょうか。

労働時間

1カ月あたりの労働時間は、自動車組立が162時間でもっとも短く、クレーン運転士が172時間で最長となっています。

しかし、これには注意したいポイントがあります。

まず、工場勤務ではGWや夏季、年末年始に大型休暇があります。これは、こまめに休むより一気に休むほうが工場全体のコストが安くなる、という工場の特性によるものです。そのため、年に3回、10連休クラスの休暇があることもめずらしくありません。

ただし、その分、平日の勤務時間は長め。通常期で毎日2時間、繁忙期だと3~4時間の残業が発生すると考えておきましょう。

製造業はなぜ採用されやすい!?

モノづくり大国ともいわれる日本。GDPの約20%を占める製造業ですが、1つ、大きな問題を抱えています。それは労働者の減少

特に若年層の減少幅は大きく、この20年で34歳以下の労働者が120万人以上、減っています。

これには工場の自動化による人員削減や、そもそもの少子化も影響しているでしょう。しかし重労働というイメージが定着していることも要因だと言われています。

そのため、各社は若手の労働力確保に力を入れています。第二新卒と呼ばれる年代の方であれば、2.53という高い求人倍率以上に、飛び込みやすい業界だと言えるでしょう。

スキルも資格もあとから身に付ける!製造スタッフに必要な能力とは!?

製造業は日本を支える大切な業種
製造スタッフの求人は、ほとんどが未経験者歓迎となっています。これは生産方法だけではなく、教育体制も整っている証拠。溶接やクレーン車、鋳造などスキルが必要な職種でも、資格のいらない作業を担当しながら資格取得→当該作業へという流れが出来上がっています。

なので資格はあまり必要ありませんが、向き不向きという意味でヒューマンスキルは重要になってきます。

製造スタッフにおすすめのヒューマンスキル3選

製造スタッフが行う業務の多くは、ライン作業です。つまり、毎日同じ作業を、同じペースで行います。そういう特徴を持つ業務を行うには、どのような人が向いているのでしょうか。

製造スタッフに必要なヒューマンスキル
黙々と作業をするのが好き
身体を動かすのが好き
気配りが上手

工場では1つひとつの作業に時間が決められています(これをタクトタイムと言います)。この時間は数十秒~2分ほどと短く、周りと話す時間の余裕はありません。これを気楽だと思うか、キツいと思うか。それによって、仕事への印象が大きく変わるでしょう。

また立って作業することが多いうえに、配置によっては大きなパーツを扱うこともあります。身体を動かすことが苦手な人には、きびしいと感じられる場面が多いでしょう。

もう1つ、とても大切な要素が、周囲への気配りです。これは、ライン作業だけをやっている間は、そこまで必要ありません。ですが、長く作業をしていれば、リーダーとしてライン作業員をまとめる立場に立つことになります。そのときに、この能力は必須となります。

これだけは取っておこう!製造スタッフにおすすめの資格は!?

先ほど、飛び込むにあたり資格は不要と書きました。ですが、あったら便利な資格というものは当然存在します。

製造スタッフに必要な資格
普通自動車免許

製造業に就くにあたり持っておいたほうがいい資格。それは自動車免許です。

正直、あれば便利な資格は、職種の数だけあります。しかし、それらは入社後にも取得できます。

ただし、普通自動車免許だけは別です。入社前に取得しておくべきです。そしてできれば、安価な中古車でいいので、自家用車も購入しておくといいでしょう。

その理由は主に2つ。1つめは、工場は郊外にあることが多く、公共交通機関での通勤は不便だからです。もちろんバイク通勤も可能ですが、雨や雪を考慮すると自動車通勤がおすすめです。

もう1つの理由は、工場勤務に夜勤がつきものだから。工場によっては送迎バスを用意しているところもありますが、自動車通勤のほうが便利なのは言うまでもありません。

こちらの運転免許」記事でも解説しましたが、免許を取得するには平均して2週間~2カ月程度の期間を要します。就職後にこの時間を確保するのは困難なので、入社前に取得しておいたほうがいいでしょう。

まとめ:イメージにとらわれずチャレンジしてみよう!

製造スタッフになろう!
古い工場のイメージが抜けず、重労働や休みが少ない、給料が安いなど誤解をしている方も多いのが製造スタッフという仕事。

しかし、現代ではオートメーション化が進み、女性や高齢者も働ける工場が増えています。また食品や精密機器などの工場では、クリーンルームと呼ばれる温度・湿度が管理された部屋で作業するため、暑い・汚いということもありません

もちろん、すべてではありません。中には設備に費用を投資できず、古い環境でがんばらざるを得ない会社もあるでしょう。しかし、そういう会社では人間関係が良好で、お互いで助け合う風潮が出来上がっています。そうでなければ、経営は継続できないでしょう。

どちらがいい・悪いという問題ではありません。ご自身に合う職場を選んでください

学歴も経験も資格も不要で、将来性の高い仕事に就ける。さらに働きながら資格を取得することで、自身の望むキャリアを歩むことも可能。

ぜひ先入観を捨てて、『ジョブリット』で製造スタッフの求人情報をチェックしてください!

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