グローバル化が進み続ける現代、持っていて便利なスキルのひとつが「英語」。どんな職種・業界への就職・転職でも、あって損にはなりません。
そして、その英語力をアピールする方法といえばTOEICのスコアでしょう。
しかし、聞いたことはあっても、受験にかかる費用や基準となる点数まで、しっかりと知っている人は意外と少ないのでは?
そこで今回は、TOEICについて詳しく解説します。
世界に話者は何億人?英語という言語を復習!
英単語を1つも知らない日本人なんて、まずいない。そう言い切ってもいいほど、英語は日本でもメジャーな言語です。
そんな英語でも、母国語としている国はいくつあって、ネイティブではなくても話者はどのくらいいるのか。すべてを即答できる人は少ないのでは?
英語力を身に付ける“意味”や“効果”を理解していただくためにも、英語にまつわるエトセトラをご紹介いたします。
母国語にしている国は○カ国!
日本が公式に「国」と認めているのは195国。これに日本自体を加えると、世界には196もの国があることになります。
このうち、英語を母国語としている国は12カ国。代表的なところでいうと、アメリカにイギリス、アイルランド、オーストラリアなどでしょうか。
ちなみに母国語にしている人口の総数は、約3.7億人とのこと。世界の人口が約81億人強なので、英語の“ネイティブ”と呼べるのはわずか4.6%程度ということですね。
英語を公用語にしているのはなんと世界の〇〇%!
もうひとつ、英語を「公用語」に規定している国もあります。こちらの数はなんと58カ国。実に世界の国のうち、約30%なのだから驚きです。
具体的には香港やシンガポールといったアジア諸国、ドイツやオランダ、スイスなどのヨーロッパ諸国。さらには歴史的な背景から、アフリカの各国でも公用語に規定されています。
あなたは喋れる?英語が“世界の共通語”と言われる理由!
もちろん、母国語や公用語ではなくとも、英語を話せる人もたくさんいます。特にホテルやレストラン、ブランドショップなど旅行客と接する機会の多い場所では、英語は話せて当然とさえ言われるほど。
では、世界に英語を喋れる人数はどのくらいいるのか。正確に調べることは不可能でしょうが、話者数は約15億人と言われています。この数は中国語(北京語)やヒンディー語、スペイン語などを抑えて1位。
これが英語が“世界の共通語”と呼ばれる理由です。
歴史は?費用は?基準点は?TOEICの詳細を解説!
ある程度でも英会話を覚えれば、リアルやネットで世界中の人とコミュニケーションが取れる。その英語力を客観的にアピールできる検定の代表例がTOEICです。
正式名称は「Test Of English for International Communication」。日本語では『国際コミュニケーション英語能力テスト』と訳されますが、TOEIC(トーイック)のほうが有名かもしれませんね。
ここからはこのテストの詳細を解説していきます。
スコアは全世界共通!TOEICテストの概要
ご存じの方もいるかと思いますが、TOEICは日本独自のものではありません。アメリカのテスト開発期間「ETS」運営のもと、世界150カ国で実施され、毎年約700万人が受験しています。ということは当然、取得したスコアも全世界で有効リスニング力とリーディング力。出題される問題のうち約7割はビジネスシーンに即した英語と言われているので、学校で学ぶ以上のボキャブラリー(語彙力)が求められます。
歴史
TOEICがスタートしたのは1,979(昭和54)年。後述するTOEFLは1,964(昭和39)年、ケンブリッジ英語検定に至っては1,913(大正2)年に開始していることを考えると、歴史は浅いと言えます。
そして、もうひとつ意外な事実をご紹介します。
TOEICの生みの親は故・北岡靖男氏。そう、なんと日本人なんです。
北岡氏はアメリカで長く働いたあと、日本に戻ってからは英語力向上に尽力していました。そこで”英語力を客観的に測るモノサシ“が必要だと考え、「ETS」に英語テストを作ってもらったのでした。
それから約45年。今では世界中の人々にとって英語力のモノサシとなったTOEIC。試験とは直接関係ありませんが、皆さんに知っていただきたいトリビアでした。
試験の種類
先ほどリスニング力とスピーキング力が求められると書きましたが、実はTOEICには試験の種類が複数、存在します。
日本でもっともメジャーなTOEIC L&Rで必要なのは上記2つがメインですが、後述するTOEFLや英検と同じくスピーキング力とライティング力をメインに測る“S&W”というテストも存在します。
このほかにも英語初級者に向けたTOEIC Bridgeもありますが、この記事ではもっともメジャーなTOEIC L&Rにフォーカスして解説します。
開催数
地域によって異なるものの、2024年度のTOEICテスト実施回数は全18回。大学を中心に、全国各地で実施されています。
ちなみにTOEICは受験資格を必要としないオープンテストなので、何度も連続で挑戦可能です。
費用
2024年6月現在、TOEIC試験の受験は7,810円(税込)。受験した月の半年後から7カ月間は7,150円(税込)に割引されるサービスもあります。
テスト時間
テストは前半のリスニングセクションと後半のリーディングセクションに分かれています。
所要時間は前者が45分、後者が75分。両セクションの間に休憩はないため、テスト時間は2時間となります。
何点取ればいい?スコアのランク分けを解説!
試験を受けたからには、もっとも気になるのが結果。TOEICの場合、試験日のおよそ17日後から、インターネット上で自身のスコアを確認できます。
また試験日から30日後には公式認定証が自宅に送付されます。自身の英語力を証明する大切なツールなので、特に高スコアを取得した際は、大事に保管しましょう。
スコアと評価
TOEICは0~990点で採点されます。では何点から高スコアとなり、企業へのアピールポイントにできるのでしょうか。
公式サイトではスコアに応じてレベルと評価を下記のように分類しています。
TOEICスコアと評価 | ||
スコア | ランク | 評価 |
860点以上 | A | Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる |
855~730点 | B | どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている |
725~470点 | C | 日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる |
465~220点 | D | 通常会話で最低限のコミュニケーションができる |
215点以下 | E | コミュニケーションができるまでに至っていない |
スコアの目安について
就職活動で求められるスコアは、企業によって異なります。業務で日常的に英語を使用する企業であれば、730点以上を目安とする場合が多いようです。
対して、そうではない企業では600点が1つの目安。ちなみに600点取得に必要な単語数は5,000語と言われています。大学入試に必要な数とほぼ同じなので、コツコツ勉強しましょう。
英検やTOEFLとの違いは?その他の資格も紹介します!
どうしてもTOEICでは高スコアが獲得できない。そんな方もいるかもしれません。
しかし、日本にも世界にも英語力検定はたくさんあります。特に、英語を日常的に使用しない企業への就職をめざすなら、TOEICに固執せず下記も選択肢に入れてください。
日本独自の検定試験【英検】
日本独自の検定が実用英語技能検定、いわゆる「英検」です。
こちらはリスニング力とリーディング力に、スピーキング力とライティング力も加えた、総合的な英語力が求められます。
そのためTOEICのスコアと単純な比較はできませんが、英語力を必須とする企業なら準1級、それ以外の企業では2級以上でアドバンテージを得られるでしょう。
世界ではこっちがメジャー!【TOEFL】
TOEICと並んで有名な英語テストがTOEFL(トーフル)。日本では「高校・大学受験にはTOEFL、就職試験にはTOEIC」というイメージがありますよね。そのせいか、TOEICのほうが格上、と思われているようにも感じます。
しかし、これは大きな間違い。どちらも有名な検定試験であり、優劣がつくものではありません。
ただ、アメリカを中心に、留学の際に英語力の判断基準をTOEFLに求めることが多いため、“学生用”というイメージがついているのかもしれません。
こちらも英検と同じく、総合的な英語力が求められます。120点満点のうち、80点ほどのスコアを取得できれば、十分にアピール材料となるでしょう。
ヨーロッパの権威ある試験!【ケンブリッジ英語検定試験】
もうひとつ、世界でメジャーな英語検定試験がこちら。約110年という長い歴史を持ち、今では世界130カ国で毎年約550万人が受験しています。
最大の特徴は、リスニングテストにイギリス英語を用いていること。
そのため、ヨーロッパ諸国との繋がりが深い企業や業界への就職を狙うなら、TOEICより役立つと言っても過言ではありません。
この試験は5段階に分類されていて、英検準1級と同等とみなされる「FCE」クラスが目安となるでしょう。
まとめ:スコア以外に得るものもある!
日本での就職活動にもっとも効果的な英語検定がTOEIC。それは間違いありません。
特に、外資系企業や海外との取引の多い企業への就職をめざすなら、必要不可欠とも言えるほどです。
同時に、高スコアをめざすことで、副産物も手に入れられます。それは“努力しようとする姿勢”。そして、“努力をスコアに結びつけた”という結果です。
英語力をそれほど必要としない業種・業界でもTOEICが役に立つのは、そういった姿勢を見せられるからです。
学歴と同じ。そう考えると、分かりやすいかもしれません。学校の勉強が社会でそのまま通用するわけではありません。それなのに、高学歴者がなぜ優遇されるのか。それは目標のために努力し、達成した経験を持っているからです。
学歴を変えることはできませんが、資格は何歳でも取得できます。
自分のやりたいことを叶えるために。本気度をアピールするために。TOEICや他の英語検定の取得をめざしてはいかがでしょうか。
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