日常生活はもちろん、仕事にも欠かせないパソコン。さまざまなアプリを使えるため、業種や職種を問わない必須ツールとなっています。
そのアプリの中でも、使用頻度が高いのがWord、Excel、PowerPointでしょう。これらはすべて、マイクロソフト社の製品です。
そして、そのマイクロソフト社が認定する資格がMOS。ソフトの操作スキルや知識レベルを客観的な指標で評価する、就職・転職にとても役立つ資格です。
「それって事務職に必要な資格でしょ?」と思った方。そんなことはありません。
営業や企画職でもパソコンを必ず使います。それ以外の業種でも、売上や勤怠の管理にパソコンは欠かせません。
どの職種をめざす方にも役立つ万能資格。それがMOSなのです。
MOSってなに?歴史や難易度、効果を紹介!
一般的には“MOS”と呼ばれるこの資格。正式名称は「マイクロソフト オフィス スペシャリスト」と言います。
このブロックでは、歴史や受験方法などの概要をかんたんに解説します。
マイクロソフト オフィス スペシャリストの概要
MOSがスタートしたのは1997(平成7)年。現在では世界200カ国で実施されるほどの人気資格で、通算受験人数は日本だけで500万人を超えています。
また、どの国でも試験内容が同じという特徴も。民間資格ではありますが、海外でも自分のスキルをアピールできます。
2024年6月時点の試験科目は下記のとおりです。
Word(文章作成ソフト)
Excel(表計算ソフト)
PowerPoint(プレゼンテーションソフト)
Access(データベース管理ソフト)
Outlook(電子メール・情報管理ソフト)
ソフトのバージョンについて
各ソフトはいずれも大人気ソフト。企業・個人を問わず、世界中で使われています。そのため、定期的にバージョンが更新され、使用方法も若干変化します。
2024年6月時点での試験では、Word・Excel・PowerPointは365、2019、2016の3種。AccessとOutlookは2019と2016の2種となっています。
受験方法について
MOSの試験は「全国一斉試験」と「随時試験」に分かれています。ただ、両者の違いは試験会場と申し込み方法だけ。試験の内容や認定証の効力に変化はありません。
前者は毎月1~2回、全国約30の会場で開催。こちらはMOS公式ホームページから申し込み可能です。
後者は全国に1500ほどある試験会場が、それぞれに設定した日程で受験可能。申し込みは各会場となりますが、ほぼ毎日開催されているため、日程を合わせやすいのがメリットと言えます。
試験レベルについて
試験レベルは、一般レベルと上級レベルの2種。しかし、ソフトによっては片方しかなかったり両方あったりと、さまざまです。
MOSの科目別試験レベル | |
Word | 一般レベル |
上級レベル | |
Excel | 一般レベル |
上級レベル | |
PowerPoint | 一般レベル |
Access | 2019…上級レベル |
2016…一般レベル | |
Outlook | 一般レベル |
特殊な称号について
MOSの資格を複数取得すると、「アソシエイト」や「マスター」といった、特別な称号に認定されます。
前者は、Word、Excel、PowerPoint、Outlookの一般レベルを4科目中3科目取得すると認定。さらに、その状態でWord、Excel、Accessの上級レベルに合格すると、「MOSマスター」となります。
ただしMOSは一部のみの取得でも効果は十分。ご自身が必要だと思うものを取得しましょう。
受験料について
試験を受けるには、受験料がかかります。MOSの場合、科目やバージョンではなく、レベルで料金が変動します。
2024年6月現在、一般レベルの試験は税込み10,780円、上級レベルは同じく12,980円となっています。また学割制度もあり、対象者は一般レベルが8,580円、上級レベルが10,780円に割引されます。高校生や大学生はもちろん、専門学校生や予備校生などにも適用されますので、公式HPでご確認ください。
MOSをおすすめする3つの理由
どの職種をめざすにもおすすめしたいMOS。日常生活にも役立つ普通自動車免許を例外とするなら、おすすめ度はダントツです。
ここからは、取得の難易度や企業に求められる理由、そして世の中の流れなど、おすすめする理由を解説していきます。
理由①:合格しやすい!
認定元となるマイクロソフト社は合格率を公表していませんが、MOS試験は一般的に「合格率の高い試験」と認知されています。
ちなみに大手パソコンスクールの発表では、自生徒の合格率は90%程度。きちんと勉強すれば、受かりやすい試験と言えそうです。
繰り返しますが、MOSは業界や職種を問わず有効な資格。しかもそれが全世界で通用する。そこに合格率が高さも加わるとなれば、おすすめしない理由はありません。
理由②:企業から大人気!
MOSはなぜ就職・転職活動に有効なのか。この答えは極めてシンプルです。それは「パソコンを使わない会社は存在しない」から。
MOS公式ホームページには、企業が新入社員に求めるスキルの統計結果が載っています。それによると、パソコンスキルはビジネスマナーに次ぐ2位。対して大学生への調査では、約4割がパソコンスキルに自信を持っていないそうです。
パソコンを一切使わない会社など、現代ではまずありません。それでも若年層は、パソコン離れが進んでいます。これが応募者のパソコンスキルを確認したがる理由でしょう。
そしてその客観的な指標が、MOSなのです。
理由③:パソコン離れが進んでる!
先ほど、「若年層のパソコン離れが進んでいる」と書きました。
今、管理職を務めている世代と、これから就職・転職活動を進めている世代では、ジェネレーションギャップがあって当然です。しかし、パソコンに対する価値観のギャップは特に大きいと感じます。
40・50代にとっての「パソコン」
今、管理職を務めているメイン層は40・50代。彼らは学生~社会人初期にパソコンという新ツールが登場し、一気にメインストリームへのし上がった時代を経験しています。当初は「パソコンを使える」ことがステータスでした。彼らは「インターネット」という言葉に未来と可能性を感じ、パソコンスキルを身に付けた世代です。
しかも、パソコンスキルはステータスから「あって当然のもの」に変化しました。家でネットを楽しむのは当たり前。日用生活品や嗜好品をネットで買うのも当たり前。企業も業務の進捗や売上、経理に勤怠など、すべてをパソコンで管理するようになりました。
10年にも満たない短い期間で、当時の最先端ツールがここまで変化しました。40・50代にとって、パソコンは「使えて当然のもの」という認識です。だから、新入社員にスキルと求めます。業務にもパソコンを使う以上、それは当面、変わらないでしょう。
20代にとっての「パソコン」
現代の20代にとって、パソコンは必須ツールではありません。パソコンの登場後、テクノロジーは急速に進化しました。今ではキッズ用スマホですら、40・50代が20代の頃、50万円で購入したパソコンより高性能です。
今、だいたいのことはスマホやタブレットで済みます。パソコンじゃないとできないことは、オンラインゲームや音楽作成、動画編集など一部の趣味だけになっています。
こういった時代変化もあり、パソコンを使えない20代が増えました。正確には、キーボードが打てない20代が増えたと言うべきですかね。
スマホアプリとして、WordやExcelを使う若者はいます。PowerPointになじみはなくても、Canvaなどの無料アプリでプレゼン資料は作れます。キーボードが打てないだけで、同じような作業はできます。
しかし、今の40・50代から見ると、それが信じられないのです。彼らにとってパソコンは、今でも「最新ツール(の1つ)」なのですから。
これが、ギャップの正体ではないでしょうか。
だからこそ、MOSがおすすめ
パソコンが使えないと不便。20代の皆さんは、それを体感していません。社会人になって初めて、パソコンは必須だと実感します。
しかし、これは逆に考えればチャンスです。特に、異業種への転職や就業ブランクを持つ方、第二新卒の方など、ハンディを背負っているならなおさらです。
周りは使えない。でも自分は使える。この事実は、とても大きなアドバンテージになります。
ただ使えるだけでも有利ですが、資格があればさらに有効です。それだけ「勉強をしました」というアピールになるからです。
まとめ:レベルを問わずMOSを取得しよう!
MOSがなぜ「もっともおすすめの資格」なのか、お分かりいただけたでしょうか。
最後に試験レベルについてお伝えします。
「事務系の職種だと上級じゃないと意味がない」と思っていませんか。よほどの大企業でもない限り、そんなことはありません。特に、若い世代なら。
大事なのは「勉強しよう」という意欲と、「勉強の結果、資格を取得した」という実績です。
面接で、資格を持たない人が「これからパソコンを勉強します」と言う。資格取得者が「MOSを持っています」と言う。担当者が好印象を持つのは、どちらでしょうか。資格取得者ですよね。
取得前でもかまいません。「MOS取得のためにパソコンスクールに通っています」、「〇月に試験を受ける予定です」と具体的に語れれば、アドバンテージは得られます。
まとめると、業界・職種を問わず、日本・世界を問わず、MOSは有効な資格です。企業からもニーズの高い資格です。にもかかわらず、難易度の低い資格です。
自分に自信がない方。ハンディを背負っていると自覚している方。ぜひMOSにチャレンジしてください。
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