前回、ブラック企業について解説しました。
しかし最近は、ブラック企業は減少傾向にあるのだとか。これはさまざまなハラスメントや過度な長時間労働が社会問題になったことと、それに対する政府の働き方改革が機能した結果かもしれません。
その代わり、急増しつつあるのが“ゆるブラック企業”。こう呼ばれる会社では、ブラックの代名詞ともいえる長時間労働はありません。ハラスメントも残業も、ほぼないそうです。
それなのに、なぜ“ブラック”と呼ばれるのか。そもそも、入社は避けるべきなのか。デメリットはどこにあるのか。メリットはないのか。
今回はそんな“ゆるブラック企業”について解説します!
定義は?ブラック企業との違いは?“ゆるブラック企業”を知ろう!
前回解説したとおり、ブラック企業には定義がありません。それぞれがなんとなく「〇〇ってブラックだよね」と認定しているのが現状です。
そしてそれは、ゆるブラック企業でも同じこと。こちらも明確な基準は存在しません。
しかし、ブラック企業と同様に、みんなが「ゆるブラック企業だね」と認定する企業にはある程度、共通項があるようです。
ゆるブラック企業の主な特徴8選!
繰り返しますが、ゆるブラック企業に定義はありません。
しかし、一般的には下記のような企業をそう呼んでいるようです。
【ポジティブな特徴】
残業や休日出勤がない
職場の雰囲気がいい
セクハラやパワハラがない
離職率が低い
【ネガティブな特徴】
単純作業やルーティンワークが多い
業績が伸びない
昇給を期待できない
スキルアップできない
まとめると、職場の雰囲気が良好で労働時間も短く、労働環境は良さそう。そのため退職する人は少ない。ただ、仕事自体はかんたんなものばかりで成長を実感しにくく、給料も安め。これがゆるブラック企業の特徴です。
では1つひとつを見ていきましょう。
ゆるブラック企業のメリットを解説
ここではメリットの部分を解説します。
あらかじめお伝えしますが、ここだけで判断しないでください。デメリットとまとめも合わせたトータルで考えていただければ幸いです。
①残業や休日出勤がない
ゆるブラックと言われる会社では、残業や休日出勤はほぼありません。これは元々仕事量が少ないためだそうです。
ノルマもないケースが多く、労働時間はかなり短めです。
②職場の雰囲気がいい
精神的にも肉体的にも、社員への負担が少ないためか、職場の人間関係は良好なケースがほとんど。
先輩が新人に定時退社や有給の取得を促すのも、ゆるブラック企業の特徴です。
③セクハラやパワハラがない
ゆるブラック企業は、社内全体がハラスメントに対して敏感。そのため、セクハラやパワハラなどもほぼないと言われています。
人間関係に苦しんだ経験を持っている人にとっては、居心地のいい職場だと言えるでしょう。
④離職率が低い
いつの時代も退職理由の上位にランクインするのが「肉体的・精神的な負担」「労働環境」、そして「人間関係」です。
しかし、ゆるブラック企業はすべて当てはまりません。そのため、離職率は低い傾向にあります。
ゆるブラック企業のデメリットを解説
続いてデメリットの解説です。
繰り返しになりますが、ここだけで判断せず、全体を合わせてご判断ください。
①単純作業やルーティンワークが多い
ゆるブラック企業で任される仕事は、非常に難易度の低いものばかり。
入社直後だけならメリットになりそうですが、何年経ってもルーティンワークばかりでは、やりがいは感じられないでしょう。
②スキルアップできない
仕事の難易度の低さはやる気だけではなく、スキルアップにも影響します。
ルーティンワークの多いゆるブラック企業では、スキルアップせずとも、業務に慣れるだけで一定のクオリティを保てます。
しかしこれでは自己成長を実感できませんし、転職活動にも大きなデメリットとなります。
③業績が伸びない
ここにはメリット③の「ハラスメントがない」という要素が大きくかかわります。
ゆるブラック企業は極端にハラスメントを怖がるあまり、適切な教育やマネジメントができないことが多いのだとか。
社員が成長しなければ、企業の売上も停滞します。業績の向上は望みにくいかもしれません。
また、業績が伸び悩むということは、常に倒産の危機と隣り合わせということでもあります。
④昇給を期待できない
社員が行う作業は毎日同じ。スキルアップもない。そして、業績も伸びない。この状況では昇給が見込めないのも当然でしょう。
また残業や休日出勤もないため手当にも期待できません。結婚や出産などライフステージの変化に対応できるだけの収入を得られるかは疑問です。
【まとめ】ゆるブラック企業いちばんの問題は?
メリット/デメリットを合わせ、ここまで8つの特徴を紹介しました。これを読んで「ゆるブラック企業っていいじゃん!」と感じる方もいることでしょう。
特に、激務なのに薄給という漆黒の企業で働いている方からすれば、天国のように見えるかもしれません。
最初に書いたとおり、ゆるブラック企業はホワイトとブラックの中間に位置するので、それは正しいと思います。
しかし。もし、会社が倒産してしまったら。もし、収入増を望むようになったら。
ゆるブラック企業の社員は、キャリアのわりにスキルを得ていません。そうなると、転職活動に重大な支障が出る可能性があります。
また「ぬるま湯」のような環境に慣れた結果、新天地に求めるハードルが上がりすぎたり、普通の職場を「ブラックだ」と錯覚したりするかもしれません。これもデメリットの1つです。
ゆるブラック企業だと気づいたら……能動的に動こう!
ゆるブラック企業は、存在そのものが悪という会社ではありません。むしろ、ライフワークバランスを保ちやすいという、現代のニーズに沿った特徴を持っています。
もし、その企業が一生存続すれば。そして、社員が昇給や昇進を望まなければ。ゆるブラック企業は「最高のホワイト企業」と感じられるかもしれません。
昇給・昇進に興味のない若者は増えています。しかし、年齢や時代で考え方は変わるもの。それにインフレがさらに進めば、それに見合う昇給が必要になります。
そのときに自分を助けてくれるのは、過去の自分です。培ってきたスキル、築いてきた人間関係、そして積み重ねた実績。
しかし、ゆるブラック企業では、そのすべてが困難です。そういう環境が整っています。居心地はいいけど、成長しにくい環境です。
そこから抜け出そうと思ったら……能動的に動くしかありません。
資格を取得したり、スキルを得るために勉強したり、それを研くために副業をしたり。それらを自分で始める必要があります。ゆるブラック企業は「次の仕事のために〇〇の資格を取れ」と言ってくれません。ただ、時間はあります。
精神的にも肉体的にも負担は少ないゆるブラック企業は、勉強をする場所としては最適かもしれません。うまく利用してください。
そして実力を活かせる場所を、『ジョブリット』で探してください。
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