前回のコラムでは、自分内ルールをぶっ壊して書いちゃいました。クリエイター以外をめざす方々、あらためて、すみませんでした。
今回はきちんと職種によらない内容です。
テーマはとても簡単。「働く理由」についてです。
お金は大事!でもそれだけじゃさみしい!
皆さんは、なぜ働くのでしょう? お金ややりがい・生きがいのため? 勤労の義務があるから? 中には社会貢献という、立派な人もいるかもしれません。
なぜこんなことを聞くのか。それは、ネットで「働く理由ランキング」を見つけたからです。
ちなみに、今回紹介するのは、厚生労働省の「働く目的」と、同業他社さんのアンケート結果の2つ。
前者は項目の中から回答を1つしか選べないのに対して、後者は当てはまるものはいくつも選んでいいというパターンです。
調査方法が違うからか、結果におもしろい差が出たので、簡略しつつも両方紹介します。
厚生労働省の調査結果
厚生労働省「男女別・年齢別の働く目的」 | ||
お金を得るため | 男性 60歳未満 | 74.6% |
女性 60歳未満 | 78.8% | |
男女 60歳以上 | 48.6% | |
社会の一員として 勤めを果たすため | 男性 60歳未満 | 8.7% |
女性 60歳未満 | 6.9% | |
男女 60歳以上 | 14.7% | |
自分の才能や 能力を発揮するため | 男性 60歳未満 | 9.2% |
女性 60歳未満 | 5.9% | |
男女 60歳以上 | 5.8% | |
生きがいを 見つけるため | 男性 60歳未満 | 7.1% |
女性 60歳未満 | 7.2% | |
男女 60歳以上 | 21.5% |
(出典:厚生労働省「男女別・年齢別の働く目的」)
某転職サイトさんの調査結果
某転職サイト「働く理由」 (複数回答可) | |
お金を得るため | 約95% |
能力を高めるため | 約51% |
社会に貢献するため | 約47% |
社会的に自立するため | 約35% |
人間関係を豊かにするため | 約30% |
顧客に喜んでもらうため | 約21% |
やりたいことを見つけるため | 約17% |
ステータスを得るため | 約17% |
仕事が生きがいだから | 約16% |
次世代の人材を育てたい | 約13% |
働かないと孤立する | 約10% |
国民の義務だから | 約8% |
周りがみんな働いているから | 約5% |
どちらの調査でも、圧倒的なのが「お金・収入のため」ですね。
なので、次の章ではここをもう少し掘り下げてみます。
圧倒的選択率!「お金のため」
1つしか選べない調査でもダントツだし、複数回答なら20人中19人が選ぶ。それほど、圧倒的な選択率です。
でも、そりゃそうですよね。ぼくはお金がすべてだとは思わないけど、お金がないと何も始まらないのも事実だし。
むしろ、複数選択できるのに、選ばなかった方が約5%もいる。これは、大富豪のご子息ですかね? それとも、宝くじでも当たったのでしょうか。
どちらにせよ、うらやましい限りです。
驚愕!?同じ調査の8年前の結果
ほぼすべての人は、お金のために働いている。ぼくは最初、この結果を「当たり前」だと捉えました。でも、調べていくうちに、それほど簡単な話ではないと気づいたんです。
上に載せた厚生労働省の調査は2023年度のもの。ここではその8年前、2015(平成27)年の結果を紹介します。
ちなみに、項目は同じですが年齢などの分類方法が異なるので、「総数」だけにしておきますね。
お金を得るために働く……53.7%
社会の一員として、務めを果たすために働く……14.0%
自分の才能や能力を発揮するために働く……7.8%
生きがいを見つけるために働く……19.8%
なんと、8年前に「お金のため」を選んだ人は、今の現役世代より20%以上も少ない!
こういう結果を見ると、ぼくは「なぜ?」って考えたくなっちゃうんです。
だから考えましたよ。そして、あくまで仮説ではありますが、答えっぽいものを見つけました。
仮説のスタートライン:世の中の状況は変わった?
これを書いている“ぼく”はおじさんです。なんだったら、8年前もおじさんでした。もちろん、当時も働いていました。だから、社会の雰囲気も覚えています。
正直に言って、ぼくにはこの8年で世の中が大きく変化したという実感はありません。
もちろん、不景気にはなりました。物価も上がったし、円安だし。
ただ、8年前も不景気でした。というか、ぼくは「好景気だ! ひゃっほー!」みたいな雰囲気を、一度も感じたことがありません。2000年前後の“ITバブル”のときも含めて。
だから、この8年で世の中の状況が、この結果に直結するほど大きく変わったとは思えません。
仮説①:この8年で変わったのは「世代」かもしれない
当たり前のことをタイトルにするな! って言われますかね。でも、2つのアンケートを見比べて気づいた答え(らしきもの)には、「世代」が大きくかかわります。
もう一度見直してほしいのが、2023年度・60歳以上の結果。この世代で「お金のため」と答えた人は、半数以下なんですよね。
最初、ぼくはこの結果を「リタイアしても働くのは、お金じゃなくて“いきがい”を求めているからだ」と理解しました。
でも、もしかすると違うかもしれない。要するに今、60代の人たちには「お金のため」という意識がもともと薄かったのかもしれないと考えるようになったんです。
仮説②:原因は「この8年間」ではなく「バブル」?
世代が変わった。この仮説を検証するには、2015年時点では60歳未満だったけど、2023年には60歳以上にカテゴリーを変えた人たちを考える必要があります。
彼らは1956~1963年生まれ。そして、いわゆる“バブル景気”が1986~1991年。つまり、20代中盤~30代前半のいちばん楽しい時期とバブル景気が重なった世代なんです。
当時、ぼくは子どもだったから、社会全体の雰囲気とかはよくわかりません。でも、はっきりと覚えていることがあります。
大人たちは浮かれていました。ジュリアナとか、ディスコとか、高級ブランドとか。これらは全部、この時代に流行ったものです。
それに、この時代はまだ終身雇用が当たり前でした。景気がいいから会社はどんどん大きくなるし、普通に働いていれば部長か課長には出世できる。当然、給料も年々上がる。そんな時代だったんです。
この世代には「楽しく生きる」という価値観が前提にあるのかもしれません。同時に、お金は「がんばって稼ぐ」というよりも、「年を取ると勝手に増えていくもの」だったのかもしれません。
そんな人たちが対象ならば、お金よりも楽しく生きることを優先するのも、納得のような気がします。
仮説③:若者が「コスパ」「タイパ」を意識する理由は?
今、「Z世代」と呼ばれる若い世代は、まったく違います。みんな不景気しか知りません。だから、お金のために働くのは当たり前。「どうやって稼ぐ」という職種選択や、「残ったお金の使い道」という要素は、その先の話です。
そして、少ないお金と時間を使うという感覚だからこそ、タイパ・コスパを強く意識するのではないでしょうか。
もしそうなら、バブルを経験した世代には絶対にわからないでしょう。
2023年度の調査ではバブル直撃世代が60歳を超えて別枠に移行した。そして、不景気しか知らない世代が追加された。彼らはそれより1つ上の世代とは違って、よくなる兆しさえ味わったことがありません。
社会に大きな変化がないにもかかわらず、調査結果が大きく変わった。その原因は調査対象の「世代交代」にあると考えるのは、ぼくの勘違いでしょうか?
仮説④:中間のおじさん世代はどうなんだろう?
ところで。“ぼく”は仕事をバブルを謳歌した世代と、不景気しかしらない若者たちの中間です。
ぼくらも「好景気」を経験していません。ただ、未来を悲観してもいませんでした。
だから、人それぞれ、極端です。
貯金より趣味を優先する人もいます。将来苦労するだろうなと思いつつも、「若くて元気なときに遊んだほうが得だ」と言われると、それもそうかと納得できちゃいます。
逆に、しっかりとお金を貯めている人もいます。公務員とか堅い仕事に就いた同級生に多いかな。彼らはITバブルという実体のない現象に浮かれなかった。しっかりしてます。
じゃあ、お前は? そう聞かれるととても困ります。極端な世代にも、中間的な層はいます。“ぼく”もその一員かもしれません。
そもそも、ライターという職業は、よほどの売れっ子でもない限り高給取りにはなれません。だから趣味にお金を使いまくることもできません。ただ、仕事自体が趣味の延長なので、十分満足しています。
全体の話に戻すと、傾向は若者に近いのかな。きっと、どのタイプも「お金のため」を選ぶと思います。
ただ、ぼくらの世代には、「いつかきっと、なんとかなる」という根拠のない未来予測があります。そこが、いわゆる“Z世代”とのいちばんの違いかもしれません。
まとめ:理想論だけど「お金」以外のために働いてほしい
ぜひ、みんなの働く理由も聞いてみたいものです。できれば厚生労働省方式ではなく、某転職サイト方式で。
個人的には、「お金」以外の理由が多ければうれしいですね。それがいきがいでも能力・才能の発揮でも社会貢献でも、なんでもいいから。
最後に、“ぼく”個人の選択肢の順位を紹介します。
2位 お金のため
3位 顧客に喜んでもらう
です。
昔、出版社で顔を晒しながら働いていた頃は、間違いなく顧客(読者さん)のよろこびが1位でしたけどね。今はこんな感じです。
皆さんも、できればお金以外のために働いてください。お金は必要だけど、それだけじゃさみしいですよ。
もし今の職場でそれが難しいと思うなら。そのときは『ジョブリット』で新天地を探してください!
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