多くの場合、履歴書の右ページにある「免許・資格」欄。企業にスキルややる気をアピールできる、重要な項目です。
そして、そこには取得している免許や資格を“正式名称で書き込む”必要があります。
本記事では主要な免許・資格の正式名称と、その後ろに付ける「合格」「取得」などの語句の正しい使い方をご紹介いたします。
意外と多い!?履歴書の記載のルール!
以前、「履歴書の書き方」記事でも解説したとおり、書き方のルールが意外と多いのが履歴書。
ということは当然、免許・資格欄にも正しい書き方が存在します。
まずはそちらを解説します。
名称は正式名称で記入する
履歴書では免許や資格の名称を正しく記入する必要があります。
たとえば、運転免許なら「普通自動車第一種運転免許」と記載する必要があります。当然、英検や漢検といった略称もNGです。
また、民間資格を記載する場合は、ルールがもう1つ追加されます。それは、実施団体を記載すること。そろばん検定の場合、「全国珠算教育連盟珠算検定」と記入しましょう。
実施団体名の例外
ただし、これには1つ例外があります。それがいわゆる日商簿記。本来、この試験の正式名称は「日本商工会議所および各地商工会議所主催簿記検定試験」と言います。
しかし、さすがに長すぎるせいか、こちらだけは省略が許されています。履歴書に記入するときは「日本商工会議所簿記検定試験○級」、または「日商簿記検定試験○級」と書きましょう。
ただし、単に「簿記検定○級」と書くのは絶対にNG。これは日商簿記以外にも全商簿記検定全経簿記検定があるためです。日商簿記の場合は必ず「日本商工会議所」を併記してください。
年表記を統一する
「履歴書の書き方」記事でも解説したとおり、履歴書全体で和暦か西暦のどちらかに統一するのがルールです。
左ページの経歴欄に「2000年」と書いたのに、資格欄では「令和元年」と書く。これでは時系列が分かりにくいですよね。さらには統一できない、雑な人という印象を持たれてしまうかもしれません。
和暦(令和○年など)と西暦(2000年など)は、どちらを使用してもかまいません。ただ全体で統一するということだけは忘れないでください。
免許と資格はどっちが先?資格欄の記入順
最初に「履歴書のルールを解説する」と書きましたが、記入順にルールはありません。ただし、なんとなく「こう書いたほうがいい」という書き方はあります。
① 運転免許証を記入
② 免許を取得日が古い順に記入
③ 資格を取得日が古い順に記入
このほか、特定のスキルや資格が有効な職種へ応募する場合は、その仕事に直結する免許・資格をまとめて上に書くのも効果的です。
“取得”や“合格”など語句を正しく書き分ける
免許・資格欄を記入するにあたり、誰もが悩むのが“取得”と“合格”の書き分け。
しかし、本来はこれだけではありません。ほかにも資格の種類によっては“修了”や“認定”なども存在するのです。
では、これらはどう違うのでしょうか。
取得とは
一般的に“免許”が与えられるものには「取得」を使用します。たとえば運転免許や税理士・弁護士、危険物取扱者などがこれにあたります。
またTOEICなど、スコアを記入する資格にも「取得」が使われます。
合格とは
こちらは実施団体から“合格証”が与えられる資格に対して使用します。
代表的なものには日商簿記や英検、ファイナンシャルプランナーなどが挙げられます。
修了とは
こちらは決められた教育や訓練、研修を終えたものに対して使います。
フォークリフトや玉掛の資格をアピールする場合は、修了と記入しましょう。
認定とは
必要な教育や講習、研修を経て、一定の知識・スキルを持っていることを認める“認定証”が交付された場合は、認定を使用します。
近年人気のフードスペシャリストやカラーコーディネーターなどの資格が当てはまります。
正しく書いてアピール!免許・資格の正式名称一覧!
先述のとおり、正式名称で記載するのが履歴書のルール。しかし、いざ正式名称と言われると、悩む資格も多いのではないでしょうか。
そこで、一般的によく履歴書に記載される免許や資格の正式名称と、その後ろに付ける「取得」「合格」などの語句を一覧にまとめます。
履歴書作成に役立ててください。
免許・資格の正式名称一覧
主な資格の正式名称 | ||
略称 | 正式名称 | 語句 |
運転免許 | 普通自動車第一種免許 | 取得 |
二種免許 | 普通自動車第二種免許 | 取得 |
大型免許 | 大型自動車第一種免許 | 取得 |
バイク免許 | 普通自動二輪免許 | 取得 |
原付免許 | 原動機付自転車免許 | 取得 |
フォーク リフト | フォークリフト運転技能講習 | 修了 |
フォークリフト運転特別教育 | 修了 | |
秘書検定 | 秘書技能検定試験 | 合格 |
英検 | 実用英語技能検定○級 | 合格 |
TOEIC | TOEIC L&R ○○点 | 取得 |
TOEIC S&W ○○点 | 取得 | |
TOEIC Bridge test ○○点 | 取得 | |
簿記 | 日本商工会議所簿記検定○級 | 取得 |
宅建 | 宅地建物取引士 | 取得 |
FP | ファイナンシャル・プランニング 技能士試験 | 合格 |
MOS | Microsoft Office Specialist Word365 | 合格 |
Microsoft Office Specialist Excel365 | 合格 | |
Microsoft Office Specialist Power Point365 | 合格 | |
Microsoft Office Specialist Access2016 | 合格 | |
Microsoft Office Specialist Outlook2016 | 合格 | |
ビジネス検定 | ビジネス能力検定ジョブパス | 合格 |
そろばん検定 | 全国珠算教育連盟珠算検定 | 合格 |
日本商工会議所珠算検定 | 合格 | |
漢検 | 日本漢字能力検定○級 | 取得 |
ケアマネ | 介護支援専門員 | 取得 |
社労士 | 社会保険労務士 | 合格 |
看護師 | 看護師免許 | 取得 |
ITパスポート | ITパスポート試験 | 取得 |
書かない方がいい資格ってある?
免許・資格欄が埋まっている方がいい。つい、そう考えてしまう人もいることでしょう。
しかし、残念ながらそれは間違い。中には書かない方が好印象に繋がる資格もあります。
ここでは免許・資格欄の記入に関する注意事項を紹介していきます。
難易度が低すぎる資格
なんのために免許・資格を記入するのか。それはアピールです。ということは、難易度の低い資格を書いてもあまり意味がありません。
たとえば英検や日商簿記なら2級以上、TOEICなら600点以上が、一般的な記入ラインになります。
ただし、職種によって基準が変わるのも事実です。外資系企業や日常的に英語を業務で使う仕事に応募するなら、TOEICのスコアは最低でも700点、できれば800点以上が求められます。英検でも準1級がラインとなります。
反対に、スコアが低くても役に立つ場合もあります。たとえば求職者が第二新卒と呼ばれる年代で、かつレストランなどの接客業であれば、TOEICのスコアが550点程度でも無意味ではないでしょう。
応募先企業で求められるラインを客観的に判断して、記載するかどうかを決めてください。
趣味の度合いが濃い資格
近年は「検定ブーム」と言われるほど、各種の検定が揃っています。それらも広い意味で“資格”ではありますが、就職活動に影響しないものは記載する必要がありません。むしろ、本人の志向性と職種のミスマッチを疑われ、マイナス評価を受けてしまうかもしれません。
また柔道や空手など、スポーツの段位も避けたほうが無難でしょう。
ただし、これにも例外があります。分かりやすいところでは、スポーツインストラクターをめざすなら、スポーツの段位は好印象に繋がります。また営業職に応募するなら、さまざまな検定に合格していることで「雑談力」を評価されるかもしれません。
ただ、その場合でも「免許・資格」欄に記入するのはおすすめできません。職種に活かせると思うものは「趣味・特技」や「自己PR」欄に記載しましょう。
勉強中の場合はどうすればいい?
いくら免許・資格欄が埋まっていなくても大丈夫と言われても、空欄が気になる気持ちも分かります。
そんな方で、もし今、勉強中の資格があるのなら、それらを記載しましょう。
その場合は下記のような書き方が推奨されます。
年 | 月 | 免許・資格など |
実用英語技能検定 ○○年○月受験予定 |
ちなみに、この場合は取得年月は空欄のままにするのがルールです。受験予定日は資格名のあとに記入しましょう。
また、勉強をしていない、取得予定ではない資格を記入するのはNG行為。アピールが必要だと思うなら、実際に勉強を始めてください。
まとめ:ルールを守って正しくアピールしよう!
あらためてお伝えしたいのは、無理に免許・資格欄を埋める必要はありません、ということ。
応募先の企業や職種に合ったものを取捨選択して記載すれば、きちんと調べているというアピールになります。そして、無理やり欄を埋めるよりも好印象を得られることでしょう。
履歴書は転職活動においてとても重要なツールです。あなたと直接会うかどうかを決めるきっかけが、履歴書だからです。
本記事を参考に無駄のない履歴書を作成して、面接・内定を勝ち取ってください。
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