今回は自分にとってのチャレンジ企画です。きちんとやりきれるかどうか。“あなた”たちに納得してもらえる答えを導き出せるかどうか。何より、望まれていないことが分かっていながら、最後まで書き切れるかどうか。
いろんな意味で、まさしくチャレンジです。
前置きはこのくらいで。
よく「Z世代」っていうじゃないですか。
言われ始めたのは、10年くらい前ですかね。その頃からとっくにおじさんだった“ぼく”や同世代の人からすると、どうしても「Z世代=未来の日本を支える人材」みたいなイメージがぬぐえません。
でも、違いますよね。すでに“今”、日本を支えている世代です。
実際、Z世代と呼ばれる世代と一緒に仕事をしているおじさんも多いことでしょう。そして、自分の中で掴みきれず、悩んでいるかもしれません。
そこで、Z世代はどんな特徴を持っているのか。うまく付き合っていくには、どうしたらいいのか。おじさんが本気で考えてみました。
本気を出すところはそこじゃない。そんなまともなツッコミは聞こえません。
Z世代の特徴や定義は?そもそも“Z”ってなに?
Z世代を考えるにあたり、必要なものはなんでしょう。
そうですよね。「定義」ですよね。
ということで、“定義”大好きおじさんが、どの「Z世代」とは何年生まれの人たちを指すのか解説します。
元ネタはアメリカのジェネレーションX!?Z世代の定義とは!
いろいろ調べてみたのですが、引用しても怒られなさそうなWikipediaさんに登場していただきます。
Z世代(ゼットせだい)、ジェネレーションZ(英: Generation Z)とは、概ね1990年代後半から2000年代に生まれた世代を指すことが多いが、アメリカ心理学会は1998年生まれ以降を指すなど、定義は厳密に決められているわけではない。
(出典:Wikipedia『Z世代』)
うん、しっかりとした定義はないみたいですね。
でも、文中にある「ジェネレーションZ」という言葉から、ピンときた“おじさん”もいるのでは?
そうです。アメリカのベビーブームが落ち着いたころ、1965~1980年あたりに生まれた世代のことを“ジェネレーションX”と呼んでいましたよね。
そして、その次の世代は“ジェネレーションY”。そしてさらにその次が、“ジェネレーションZ”。つまり「Z世代」になるそうです。
あー、なんか納得できました。だって、今の世代を「Z」と呼ぶなら、その次はどうするの? もう、アルファベット残ってないよ?って思ってましたから。
(ちなみに、この次の世代は「α世代」と呼ぶそうです。知らんかった…)
よし。これで分かりやすくなりました。このコラムでは1995~2009年に生まれた世代を“Z世代”と定義しましょう。
補足:ジェネレーションXとは?
まずは元ネタであるジェネレーションXから、かんたんに解説します。
先ほども書きましたが、こちらはアメリカで1965~1980年あたりに生まれた世代を指します。なぜ「X」なのかというと、彼らは当時の大人からするとつかみどころのない世代だったため、数学の変数である“X”を当てはめたんだとか。
“ぼく”はこれより後の世代ですが、この世代のこともなんとなく理解できます。なぜかというと、アメリカで大人気だったホームドラマ『フレンズ』がまさしくこの世代をフィーチャーしていたから。
それを見ていた感覚でざっくり言うと、自立や就職、結婚に出産など、それまでの「当たり前」を当たり前だと考えなくなった世代というイメージです。
ただ、日本だとこの区切りは意味ないかな。それよりも、社会人として1986~1991年の「バブル景気」を味わったかどうかで、価値観が大きく変わると思います。
それでもむりやり“X世代”に当てはめるなら、1965~70年生まれはX-1世代、1971~79年生まれはX-2世代、みたいに区切るべきかもしれませんね。
もうひとつ補足:その次の世代は?
ジェネレーションXのあと、そしてZ世代の手前。つまり1980~1994年くらいに生まれた世代は“ジェネレーションY”や“ミレニアル世代”と呼ぶそうです。
ちなみに“ぼく”もこの世代ですが……正直、まったくピンときません。自分がこう呼ばれたこと、多分1回もないです。
ただ、日本でもアメリカでも、この世代にはいくつか共通点があります。
1つは、第二次世界大戦後のベビーブーム世代の子どもであること。だから、この世代は人数がそれなりに多いのです。
そしてもう1つ、成長過程で世界の情勢が大きく変わったこと。ロシアの誕生(それまではソビエト連邦という集合体でした)やグローバル資本主義の確立などがそれにあたります。日本国内に限定すると、昭和天皇の崩御やバブル崩壊も含めていいでしょうね。
そういった「これまでの常識がひっくり返ってしまう」ような変化を“子ども時代に味わった”のが、ぼくたちです。
だからか、ぼくたちはあまり社会というものに期待をしていません。どうせ、いつか変わっちゃうんでしょ? そんな感じで、少し醒めた目で見ていると思います。
みんなデジタルネイティブ!Z世代の特徴とは!?
さあ、本題に戻ります。ここからはZ世代の特徴を解説していきます。
ただ、これを“すべて”なんて思わないでくださいね。当たり前ですが、みんな違う性格や価値観を持っています。ぼくらもそうでした。ぼくの親たちも、おじいちゃんたちも、みんな同じです。
あくまで人工的に「世代」という概念で括りあげ、さらにそこを人工的に「ひとまとめ」にして平均化させた、作為的な特徴でしかありません。
全体的に見て当たっていたとしても、個人個人は別物です。
あれ、じゃあ、「Z世代を考える」という企画自体が無意味じゃね? なんでこんなコラムを書いてるんだろ……。
うーん、まあいいか。人工的と分かったうえで、読んでください。ぼくも分かったうえで、書いていきます。
あ、もう一つ注意を。ここからは日本国内に限定して書いていきます。
特徴①多様な価値観に触れて育った
なぜ、ぼくがZ世代を1995年以降と定義したのか。それは、1995年に何が起きたかを思い出していただけば分かると思います。
そう。阪神大震災と地下鉄サリン事件、そしてWindows95の発売です。
日本に大混乱を呼び起こした2つの大事件と並べるのは不謹慎と思われるかもしれません。でも、Windows95の発売は日本を大きく変えました。
現代ではネット環境があるのは当たり前。みんなスマホで動画を見たりゲームをしたりSNSで繋がったりしています。そのスタート地点は、間違いなくWindows95です。
このOSが発売されたおかげで、日本の家庭にパソコンが普及しました。インターネットも「ITバブル」も携帯電話もスマホも、すべてその延長線上にあるものです。
日本で95年以降に生まれた子どもたちは全員、デジタルネイティブと呼んでいいと思っています。
このコラムでZ世代と定義した人たちは、世界中の情報を指先1つで手に入れられる環境で育ちました。彼らはさまざまな価値観があることを頭ではなく身体全体で知っています。
だから、Z世代の人たちはおじさんのことも分かってくれるかもしれません。
ということは……Z世代とうまく付き合えないと悩んでいるおじさんが多いとよく聞くけど、原因は“こっち”側にあるんでしょうね。年を取って頭が固くなって、新しい世代を理解できなくなっただけです。
特徴②不景気しか知らない
デジタルネイティブであることはポジティブな特徴ですが、こちらはネガティブな特徴です。
Z世代を1995年生まれ以降と定義した場合、彼らは1995~2001年の「ITバブル」なんて記憶にないでしょう。少なくとも、体感はしていません。
あれ自体は、少なくとも日本では偽物のバブルでしたが、それでも好景気への期待“だけ”は感じることができました。
そしてそれ以降、日本はずっと慢性的な不景気です。
ということは、Z世代は好景気を知らないどころか、「好景気になるかもしれない」という期待感すら、味わったことのない世代です。
タイパ・コスパを重視するリアリズム、無駄な買い物をしないミニマリズム、本業以外にも副業を確保してリスクヘッジを図る慎重さ。
不景気しか知らない世代なら、これらも当たり前なのかもしれません。
そして、個人的に一番大事だと思うこと。きっとZ世代の方は、そんな自分たちの行動を「不景気しか知らないから」とは思っていないでしょう。
だって、不景気が当たり前の環境で生まれ育って、そのまま大人になったんですよ。“ぼく”らにとって今は「不景気」でも、彼らにとっては「いつもどおり」なのです。
そんな彼らを「変わっている」と思うのは、違う世代のエゴでしかありません。
特徴③内に秘めた強い承認欲求
これはZ世代の方々からすると「違う」と言われるかもしれません。ただ、“ぼく”のようなおじさんには、そう見えるのです。
そうでなければ、各種SNSに「いいね」的なボタンは搭載されないはずだと思うから。
「誰かに認められたい」という気持ちは、どの世代だって持っています。
ただ、ぼくらの時代は発信範囲も狭かったし、数値化もされなかった。芸能人にでもならない限り、“みんな”に認められる方法なんてなかった。だから両親だったり尊敬する先輩だったり、特定の人に認められたがりました。
でも今は世界中に発信できちゃうし、数値を確認できちゃう。芸能人にならなくても何百、何千もの「いいね」がもらえちゃう。そんな環境なら、“数”を競い合ってしまうのも当然です。
同時に、彼らは目立つことを恐れているとも感じています。
ぼくたちの時代にも「いじめ」はありました。でもそれは、殴られ蹴られ物を捨てられるという、直接的な行為です。だからこそ、そんな残酷なことができるのはごく一部でした。
今は違います。SNSで誰とでも繋がれる分、誰からも攻撃される可能性があります。そして、間にスマホというクッションを挟む間接的な行為だからなのか、誰でも気軽にやってしまいます。
そりゃ、怖いよね。
みんなに認められたい。でも目立ちたくない。矛盾のように見える2つの感情が自然に成立するのが、Z世代が生きてきた環境かもしれません。
特徴④やりたいことをやるのが当たり前
ぼくらは、学校でも仕事でも、与えられたミッションをクリアするのが当たり前という世代です。ゲームもそうでした。開発者が決めたルートをたどり、開発者が用意した最適な道具を活用し、クリアしてきました。
でも、今は真逆です。オープンワールドで見知らぬ人と協力し、それぞれで楽しみ方を模索します。フィールドとミッション自体は与えられたものでも、誰と・どうやってクリアするかはプレイヤー次第。
そもそも、今の世の中は娯楽であふれています。音楽、ゲーム、映画、動画。スマホ1つでなんでもできます。しかもその多くが無料で始められます。多くの選択肢から取捨選択し、気に入ったものにだけ課金します。
Z世代は自分の好きなものを自分で選ぶことが当たり前です。
そうじゃないものは「ガチャ」と呼ばれます。ギャンブル性が高いから、敬遠したいものなのかもしれません。「配属ガチャ」や「親ガチャ」はその典型例でしょう。彼らにとって数少ない、自分の意思で選べない選択肢だから。
ただ、1つだけ、言わせてください。「親ガチャ」だけは言わないでください。失敗でも成功でも。親にとって子どもはかけがえのない、自分の命すら惜しくない宝物です。
特徴⑤チャレンジするのが苦手
“ぼく”はこれをあまり感じていませんでした。でも、調べたすべてのサイトに似たようなことが書いてあったし、Z世代へのアンケートでも上位にあったので、最後に紹介します。
多くの選択肢から自分に合いそうなものだけをチョイスし、さらにその中で本当に合ったものにだけ課金をする。Z世代は遊びにもかなり慎重です。
ということは、仕事にはもっと慎重なのかもしれません。
アンケートによると、彼らにとってチャレンジとは「大事なのはわかっているけど不安・苦手意識がある」ものらしいです。
でもね。このコラムにも何度か登場させた、“ぼく”が前職で仲良くしていた後輩くん/ちゃんたちもZ世代なんですけど、彼らはみんなチャレンジ精神を持っていたんですよね。むしろ、年を取ったぼくらの方が、過去に捕らわれてチャレンジを怠っていたような気がします。
だから、どうなんでしょうね。
でも、本人たちに自覚があるのなら、アンケートでそういう結果が出ているのなら、そうなのかもしれません。
ここに関して、ぼくから言えるのは2つかな。
仕事で失敗したって、死にゃあしないから大丈夫。
チャレンジした結果の失敗を怒るような上司・先輩は、相手にしなくていい。
“ぼく”自身、山ほど失敗してきました。でも、今も生きています。やりたいことをやれています。
だから、大丈夫ですよ。安心してください。
まとめ:Z世代と仲良くする方法はある?
今回はかなり真剣に調べて、真剣に考えて、真剣に書きました。いや、いつも真剣ですけど、今回はいつも以上に考えたつもりです。
だって、真剣じゃなければ、他人の気持ちを理解するなんて無理だと思うからです。それでも、ぼくに分かることはほんの一部でしかないでしょうけどね。
“ぼく”が必死に考えたZ世代の特徴まとめ
最後にまとめです。
【ポジティブ】
デジタルに強い
多様な価値観を知っている
発想に柔軟性がある
現実的な思考ができる
金銭よりやりがい重視
【ネガティブ】
不景気しか知らない
目だちたくない
チャレンジが苦手(?)
【お願い】
「親ガチャ」だけは言わないで
こんな感じですかね。
実際、“ぼく”と仲良くしてくれているZ世代の子たちは、チャレンジ以外すべて当てはまっています。
ただ、繰り返しますが、これは「全体で見るとこういう人が多い(かもしれない)」というだけで、全員ではありません。
もし後輩や部下のことを理解したい、仲良くしたいと思う人がいるなら、「Z世代」なんて括りは無視して、その人個人を見るべきだと思います。
Z世代もY世代も、もっとおじいちゃん・おばあちゃんも。みんながそれぞれを尊重して楽しく働ける場所があったらいいですね。
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