あなたも私も、日々お世話になっている飲食業界。
生活に欠かせない“食”を提供するこの業界は、その重要性から常に高いニーズを保っています。
当然、その中には多くの職種が存在しますが、意外と細かい区分けや仕事内容、さらに年収を含めた詳細情報は知らないという方も多いのでは。
そこで今回は、飲食業界に関連する職種の特徴や収入、キャリアパスを分かりやすく紹介します。
飲食・フード関係の仕事のステータス (ジョブリットメディア編集部調べ) | |
転職のしやすさ | ★★★★☆ |
収入面 | ★★☆☆☆ |
スキルアップのしやすさ | ★★★★☆ |
業界/職種の将来性 | ★★★★☆ |
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
どんな仕事がある?
飲食にかかわる仕事と聞いてすぐ想像するのは主に接客を担当するホールスタッフと、調理を行うキッチンスタッフではないでしょうか。
しかし、人々のニーズが細分化されている昨今では、その中身も細かく分かれています。
また、スタッフがキャリアアップをした結果、店長などのマネジメント側に進むこともあるでしょう。
ここではまず、多数ある職種を紹介していきます。
飲食業界の職種の仕事内容
学歴・経験不問の求人メディア『ジョブリット』。そのなかで「飲食・フード」カテゴリに含まれる職種は下記の6つです。
ホールスタッフ
キッチン・調理スタッフ
バーテンダー
バリスタ
パティシエ
店長候補
まずは、これらの職種をかんたんに解説していきます。
ホールスタッフ
飲食業界の仕事といってまず思いつくであろう職種がこちら。
多くのお店ではスタッフを調理と接客に分けていますが、そのうち後者を担当する仕事と言えば分かりやすいでしょう。
具体的には来店したお客様を席に案内したり、注文を聞いたりするほか、配膳や会計、片付けなどを行います。
キッチン・調理スタッフ
その名のとおり、調理を行うスタッフのこと。その中にも大きく分けて3つのポジションがあります。
1つめはオーダーされた料理を調理する「シェフ」。2つめは仕込みや調理器具・食器の準備、かんたんな盛り付けなどを行う「調理補助」。最後は使用済みの食器や調理器具を洗う「洗い場スタッフ」。
一般的には、洗い場や調理補助を担当しながら勉強したのち、調理を任されるパターンが多いでしょう。
バーテンダー
“バー”と呼ばれる酒場でカクテルやビール、ワインにウイスキーといった酒類を提供する仕事。
とはいえ、ただ単に提供すればいいわけではありません。深いお酒の知識を活かしたカクテルづくり、お客様の酒量に合わせた適切なお酒の割り方、さらにお客様とのコミュニケーションといった接客能力も必要になるでしょう。
バリスタ
バーテンダーがお酒のプロフェッショナルなら、こちらはコーヒーのプロフェッショナル。
コーヒーを好むお客様はそれぞれ豆の種類や産地にこだわりがあるため、最適な一杯を提供するには深い知識が必要になります。
同時に最新のトレンドや新しい技術に対して常にアンテナを張っておかなければなりません。
パティシエ
こちらはケーキやスイーツづくりのプロフェッショナル。ちなみに語源であるフランス語は男性名詞と女性名詞があり、パティシエは男性名詞。女性のパティシエはパティシエールと呼びます。
美味しさと見た目の美しさを兼ね備え、季節やトレンドに合わせた商品を産み出す独創性が必要になります。
店長候補
ここまでは店舗での実務に関わる仕事でしたが、こちらは運営に携わる仕事。
その名のとおり将来の店長候補として、店内のレイアウトづくりや販促活動、売上や仕入れの管理、さらには従業員の採用・育成、勤怠管理などを行う人材管理など、幅広い業務を行います。
年収や特徴は?飲食業界で働くとどんな魅力がある?
紹介してきたのは、飲食業界の最前線を担うものばかり。実際に、これを読んでいる皆様もアルバイトとして経験した職種もあったかもしれません。
では、あくまでも正社員としてこれらの職種を見た場合、どのような特徴があり、どの程度の収入を稼げるのか。また付随するメリットはどんなものなのか。そもそも、未経験から始められるのか。
今回も厚生労働省が発表している「一般職業紹介状況」や職業情報提供サイト『job tag』などのデータを参考に、飲食業界の特徴をチェックしていきましょう。
有効求人倍率
いつもどおり、まずは有効求人倍率から見ていきましょう。
使用するデータは、2024年6月の「一般職業紹介状況」。ここから飲食業界に含まれる2つの職種を紹介します。
飲食物調理従事者……2.37倍
接客・給仕職業従事者……2.01倍
(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年6月)」より)
数値は希望者に対する求人数なので、飲食業界の場合は希望者1人につき2社以上が求人を出しているということ。つまり、比較的就職しやすいといえるでしょう。
特に、接客や給仕に携わる職種、つまりホールスタッフには必須となる資格もありません。その点でも、未経験者にもハードルが高くない職種と言えるでしょう。
賃金
ここから使用するのは『job tag』のデータ。
『job tag』の分類のうち、今回のテーマに合いそうな職種をピックアップしてご紹介いたします。
ホールスタッフ(レストラン)……327.9万円
バーテンダー……358.9万円
洋菓子製造・パティシエ……341.8万円
ハンバーガーショップ店長……327.9万円
ちなみに、令和4年度の日本人の平均年収は約458万円、正社員に限定すると約523万円です。そこと比較すると、給与面では恵まれているとは言えないかもしれません。
しかし、飲食業界には、他の業界にない大きなメリットがあります。そこも含めて、最後まで読んでから判断いただければ幸いです。
労働時間
1カ月あたりの平均労働時間はバーテンダーのみ171時間、他の3職種は164~165時間。全業種の平均が164時間程度と言われますので、バーテンダーを除けばきわめて平均的と言えます。
ただし、店舗によってはスタッフが集まらない日に残業が増えてしまうことも。就職先を選ぶ際には、口コミサイトなどで実情を確認しておくと安心と言えるでしょう。
将来性
最初にも書いたとおり、“食”に関わる仕事は日々の生活に欠かせません。そのため将来的にも高いニーズが保証されていると言ってもいいでしょう。
またAIや新技術の活用により人間の負担が減っている業界でもあります。実際、配膳ロボットの活躍や注文・精算の自動化などは、皆さんも利用時に気づいたことがあるでしょう。
その傾向は今後ますます高まると思われるので、より働きやすい業界になっていくはずです。
独自のメリット
最後に、“賃金”の欄で書いた飲食・フード業界ならではのメリットをご紹介します。
まず1つめは、早くから店舗運営に携われること。飲食・フード業界では、正社員として働き始めてから2~4年程度店長に昇進すると言われています。一般企業で管理職に昇進するのは平均10年と言われることを考えると、これはかなり早いと言えるでしょう。
また、店長として成果を残し複数の店舗を担当するマネージャーをめざすことも可能です。これも一般企業ではあまりみられないメリットと言えるかもしれません。
しかし、最大のメリットはその先にあります。それは、独立。
飲食店を開業するには食品衛生責任者の資格が必要ですが、そこさえクリアすればそれほどハードルは高くありません。
それは、実際に多くの飲食店が開業している様子からも実感できるでしょう。
独立すれば自分の思い描く店内レイアウトやメニューづくりも可能。「自分の店を持ちたい」という夢を持っている方にはたまらないメリットです。
調理に必要な資格が多数!飲食業界で役立つスキル・資格を紹介!
前述のとおり、飲食業界の職種には主に接客を担当するホールスタッフと、調理を行うキッチンスタッフがあります。そして専門的な調理を行う調理師(シェフ)をめざすなら、これから紹介する資格が役に立つはずです。
ただし、資格の中には一定の実務経験が必要になるものもあります。専門学校に通っている方は別ですが、そうでない方は就職後に働きながら取得することを考えればいいでしょう。
働きながら取得すればOK!飲食業界で役立つ資格!
調理師免許
製菓衛生師
菓子製造技能士検定
ふぐ調理師免許
食品衛生責任者
調理師免許は調理スキルのみならず、食の管理・衛生に関する幅広い知識を持っていることの証明になります。ただし、取得するには専門学校を卒業するか、もしくは2年以上の実務経験が必要。まさしく働きながら取得をめざすことになるでしょう。
ちなみに、この資格を持っていると、独立開業に欠かせない食品衛生責任者の資格も取得しやすくなります。
また、国家資格である製菓衛生士と菓子製造技能士検定は、パティシエをめざすのに最適。和食店で働きたい方には、毒のあるふぐを捌くことのできるふぐ調理師免許もおすすめです。
ちなみにここには記載していませんが、バーテンダーを目指す方に向けては、さまざまな民間資格が存在します。これらは通信講座を受講したり専門学校に通うことで取得できるので、未経験者も事前に取得することができます。
職種を問わず必要!飲食業界で役立つスキル!
コミュニケーション能力
ホスピタリティマインド
マネジメント能力
当然のことながら、飲食店はすべて接客業にあたるため、コミュニケーション能力が必須となります。これはなにもホールスタッフに限った話ではありません。バーテンダーやバリスタといった調理と接客を並行する職種はもちろん、裏方であるシェフにも、コミュニケーションが必要となる場面は必ず訪れます。
ということは当然、同時におもてなしの心も必要となるでしょう。
そして最後にマネジメント能力も大切な要素。なぜなら、飲食店ではいちスタッフであってもアルバイトやパートスタッフを管理する必要があるからです。
逆に言えば、かなり早い段階でマネジメント経験を積むことができる、貴重な業界だと言えるかもしれません。
独立も現実的!飲食業界でのキャリアプランを紹介!
何度も書いてきたとおり、飲食店での仕事はキッチンとホール、2つの職種に大別されます。そして当然のことながら、どちらの職に就くかでキャリアパスも変わります。
まず、キッチンスタッフのキャリアパスは、大きく分けて2つのルートが存在します。
1つは大手のレストランやホテルなどで高品質な調理を担当するルート。特に有名店の料理長ともなれば、メニューや新規業態など、さまざまな「開発」に関わることも増えるでしょう。
もう1つは、やはり独立して自分の思い描くメニュー・店づくりを追求するルート。この場合、調理スキルだけではなくマネジメントと接客のスキルがすべて必要になります。その分、自分の理想を実現できるため、何よりもやりがいを感じられるキャリアプランと言えるかもしれません。
対して、ホールスタッフの多くがめざすキャリアプランは店長、そしてエリアマネージャーといった店舗運営に深くかかわるルート。金銭、食品、人材すべてを管理する立場になるため、こちらもやはりやりがい抜群のキャリアを歩めるでしょう。
まとめ:がんばりが成長に直結する職種ばかり!
飲食業界は収入面に恵まれているとは言えないものの、どの職種でも高いやりがいを感じられるという魅力があります。
また、キッチンでもホールでも、他の職種と比較するとかなり早い段階でマネジメントや複雑な調理に携わるチャンスがあるため、がんばりがいのある職種とも言えます。
そしてさらにその先に独立もあります。
つまり、金銭面以外のやりがいと目標を持ちやすいのが飲食業界です。
幸い、職に就くにあたり、難しいスキルは必要ありません。調理師系の資格があれば有利ではありますが、働きながら取得することも十分可能です。
自分の力を試したい。独立して店を出したい。複数の店舗を経営したい。
そんな目標を持っている方は、ぜひチャレンジしてください!
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