未経験者が飛び込みやすい職種の代表例。それは販売業やサービス業ではないでしょうか。
この中にはどんな商品やサービスを提供するかによって、多くの職種が存在します。そして、そのすべてに共通するポイントがあります。
それが、未経験者を積極的に採用している企業が多いこと。
第二新卒やフリーターの方はもちろん、就労ブランクに悩んでいる方にもぜひ知っていただきたい販売業・サービス業の特徴や収入、キャリアパスを紹介していきます。
販売業・サービス業のステータス (ジョブリットメディア編集部調べ) | |
転職のしやすさ | ★★★★★ |
収入面 | ★★★☆☆ |
スキルアップのしやすさ | ★★★☆☆ |
業界/職種の将来性 | ★★★☆☆ |
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
仕事内容は?特徴は?販売業・サービス業を解説!
販売業・サービス業と聞いて真っ先に想像するのは、いわゆる接客でしょう。しかし、間違いではないものの、勤める職種・店舗によってはもっとも重要となるポイントが異なる場合があります。
ここではまず、多数ある職種を紹介していきます。
販売業・サービス業の仕事内容
学歴・経験不問の求人メディア『ジョブリット』。そのなかで「販売・サービス業」カテゴリには下記の13職種が含まれています。
レジャー・娯楽施設
ホテル・ブライダル・セレモニー
パチンコ・パチスロ
クリーニング
コンビニ・スーパー・ドラッグストア・ホームセンター
アパレル・雑貨販売
スポーツ用品販売
携帯販売
家具・家電販売
書店スタッフ
食品販売
化粧品販売
専門店・その他
このように、実に多彩な職種を内包する販売業・サービス業。まずは、職種を1つひとつ、かんたんに解説していきます。
レジャー・娯楽施設
テーマパークや遊園地、映画館など、レジャーや娯楽を提供する施設で働く仕事です。
最初は接客業務が中心になるでしょうが、経験を積むにつれ、イベントの立案・実行・進行管理など、アイディアを活かす業務に携わることも増えていきます。
また、イベント開催に伴い、芸能人やYouTuberなどを招聘してプロモーション活動を行うことも。
来客者に夢を与える仕事ですが、同時に自身も夢を与えてもらえるかもしれません。
ホテル・ブライダル・セレモニー
こちらはホテルや結婚式場、斎場などで働く仕事。3つが一緒になっていますが、場所によって業務は大きく異なります。
ホテルの場合はフロントや清掃業務を行いながら、マネジメントを学んでいくケースがメインになるでしょう。
対して、ブライダルやセレモニーの場合はお客様へのヒアリングを通して、よりよい式を実行するのが主な仕事です。
一方は結婚式、一方は通夜や葬式とその性格は正反対。ただし、どちらもお客様にとって一生の思い出となる大切なものなので、まごころを込めたおもてなしができる方に向いている仕事です。
パチンコ・パチスロ
“パチンコ屋”と呼ばれる遊技施設での接客業務や店舗運営を行います。
入社直後の主な仕事は接客ですが、アルバイト・パートスタッフの管理や広告宣伝、店舗運営など、キャリアを積むにつれ業務範囲が広がることが特徴。
ひと昔前までは重い“ドル箱”を運ぶなど体力が必要と言われていましたが、今は遊技機に計数機が併設されていることが多く、肉体的な負担は軽減されています。
クリーニング
お客様の衣服を取り扱う仕事ですが、店舗の規模によって業務内容が変わります。
個人経営のような小さな店舗の場合、受付やレジ対応、仕分け、受け渡しのほか、アイロンがけなど作業の一部を行うことがあります。
しかし、大規模な店舗では作業はほぼ工場まかせ。そのため接客がメインとなるでしょう。
コンビニ・スーパー・ドラッグストア・ホームセンター
業種は異なりますが、これらの店舗には接客以外の業務が増えるという共通の特徴があります。
それは、品出しや商品の発注を任される可能性が高いこと。そのため、新商品や現在のトレンドに対して興味を持ち続ける必要があるでしょう。
そのほか、ポップの製作など、店舗の雰囲気づくりやプロモーションに関わるチャンスも多くあります。
アパレル・雑貨販売
ショッピングセンターや単独の店舗で、衣類や雑貨の販売を担当します。単なる販売だけではなく、お客様から相談されることも多いことが特徴です。
また、どちらの業種も世間のトレンドを掴めるかによって売上が大きく変わります。SNSなどを活用し、最新のアイテムに対して高いアンテナを張っておきましょう。
スポーツ用品販売
野球やサッカー、バスケットボールなど、各種スポーツに必要なアイテムの販売を担当します。
商品ごとの差異や適切な使用方法についてレクチャーを求められる場面が多く、スポーツ経験を活かせる業種です。
携帯販売
スマートフォンや周辺機器の販売を担当します。最新機種や人気のアクセサリに対して強い興味を持っていると、有利になる場面が多いでしょう。
もうひとつ、プランに対する深い知識も重要。お客様の希望に沿ったプランを提案できるかで、成果が大きく変わります。
家具・家電販売
テレビや冷蔵庫、空調機器などの電化製品のほか、テーブルやソファー、ベッドといった家具を販売します。
商品の特徴や設置方法の知識が必要となるほか、納入場所の情報を正しく把握するコミュニケーション能力も必要になるでしょう。
書店スタッフ
雑誌や書籍を販売する、いわゆる“本屋さん”での仕事。販売はもちろん、在庫管理や発注を担当することもあります。
また売上を向上させるには、顧客のニーズに沿った新刊を仕入れることが必要不可欠。自身が読書好きであれば、その知識を活かせる場面も多いでしょう。
食品販売
前回、紹介した「飲食業」とは異なり、店舗やスタンドで食品を販売する仕事。
実際の調理の技術よりも、鮮度や品質を保つための知識が求められます。
またアルバイトスタッフの管理も重要な業務になるでしょう。
化粧品販売
アパレル・雑貨店販売と同様に、新商品への知識や最新のトレンドを把握することが大切になる仕事。
また、お客様から相談を受けることも多いため、美容や肌に対する知識を活かせるでしょう。
専門店・その他
そのほか、特定の商品やサービスを提供する店舗で働く仕事。それぞれに見合った専門知識が求められます。
年収や特徴は?販売・サービス業で働くとどんな魅力がある?
ここまで紹介してきた職種は、扱う商品、サービスで特徴が変わるものの、基本的な業務は同じ。つまり、商品の販売、もしくはサービスの提供です。
そのため未経験者も始めやすいことが最大の魅力。実際、求人を見ても「未経験者歓迎」となっていることが多くなっています。
では、正社員としてこれらの職種を見た場合、どのような特徴があり、どの程度の収入を稼げるのか。またどのようなメリットがあるのか。
今回は職業情報提供サイト『job tag』のデータを参考に、販売業・サービス業の特徴をチェックしていきます。
有効求人倍率
この欄では、普段は厚生労働省の「一般職業紹介状況」というデータを使用しています。しかし、このデータは販売業・サービス業を「その他のサービス職業従事者」ひとまとめ。そのため、職種ごとの数値は調べられません。
そこで今回は『job tag』の各職種ページに掲載されている、ハローワーク求人統計データ(令和5年度)から有効求人倍率をみていきましょう。
ブライダルコーディネーター……1.86倍
葬祭ディレクター……5.94倍
フロント(ホテル・旅館)……3.36倍
遊園地スタッフ……4.33倍
コンビニエンスストア店員……3.48倍
ホームセンター店員……9.44倍
衣料品販売……3.29倍
スポーツ用品販売……7.00倍
携帯電話販売……36.06倍
電器店店員……4.88倍
書店員……7.00倍
デパート店員……1.93倍
数値は希望者に対する求人数なので、大きいほど募集が多い=転職しやすいことになります。
そして、今回紹介した販売・サービス業ではもっとも低いブライダルコーディネーターで1.86倍、もっとも高い携帯電話販売だと36.06倍。1を大きく超えていることから、比較的転職しやすい職種と言っていいでしょう。
賃金
こちらも『job tag』のデータを抜粋。
ただし、上記のように細かく分類している『job tag』でも、就業者の統計データではコンビニ店員からデパート店員まではひとまとめとなっています。
そこをあらかじめ理解したうえで、賃金などの数値をご確認ください。
各種販売スタッフ……361.0万円
ブライダルコーディネーター……394.3万円
葬祭ディレクター……394.3万円
フロント(ホテル・旅館)……329.6万円
遊園地スタッフ……362.5万円
令和4年度の日本人の平均年収は約458万円であることを考えると、給与面で恵まれているとはいえません。
経験や資格不問でチャレンジできるためか、特に初任給が低めに設定されていることが影響しているとも考えられます。
労働時間
1カ月あたりの平均労働時間は遊園地スタッフは163時間と短く、他の職種も166~168時間程度。
全業種の平均が164時間程度なので、労働時間はきわめて平均的といえるでしょう。
ただし、前回紹介した飲食業界と同様に、アルバイトスタッフが集まらないと残業が増えてしまう傾向が。
そういった意味でも、人材管理が重要になりそうです。
将来性
体験型のサービスを提供しているのか、それとも商品を販売しているのか。また、その商品は配送可能なのか。
それらによって、将来性は変わるでしょう。というのも、近年はネット通販のシェア率が急増しているからです。
まず、体験型のサービスであれば、ネット通販の影響は受けません。そのため、将来性を不安視する必要はなさそうです。
また配送できない商品、もしくは劣化してしまう商品の販売も同様です。
問題は、ネットで購入しても劣化のない商品を扱う店舗。この場合、ネット通販の脅威が直撃するかもしれません。
ただし、対面販売ならではの強みも確実に存在しますので、専門知識やコミュニケーション能力で補っていきましょう。
資格がなくても転職可能!販売業・サービス業で役立つスキル・資格を紹介!
何度か書いているとおり、これらの職種に就くにあたり必要不可欠な資格はありません。職種それぞれに専門的な資格もありますが、基本的には入社後に取得をしていけば十分でしょう。
どちらかといえば、重要になってくるのはヒューマンスキルのほう。
では、どんな人が活躍しやすいのか。販売業・サービス業をめざすにあたり役立つ資格やスキルを紹介していきます。
○○免許だけはあったら便利!販売業・サービス業で役立つ資格!
普通自動車第一種免許
入社前に取得していただきたい資格。それは運転免許です。必須というわけではありませんが、どの職種でも持っておくと便利です。
というのも、深夜や早朝の出勤が必要になる場合があるから。また新規店舗立ち上げに伴い、地方都市への異動も考えられます。
必ずしも業務で使うわけではないため、必要になってから取得しても間に合います。ただ、取得には時間がかかる資格なので、事前の取得しておくといいでしょう。
なにより“人となり”が大事!販売業・サービス業で役立つスキル!
コミュニケーションスキル
ホスピタリティマインド
ビジネスマナー
マネジメント能力
商品の販売にしても、サービスの提供にしても、お客様との会話は欠かせない職種ばかり。そのためコミュニケーション能力の高い人であれば、それだけでアドバンテージが得られます。同時にビジネスマナーも備えておけば、お客様により好印象を与えられるでしょう。
また、お客様に適切な商品・サービスを提供するにあたり、おもてなしの心も欠かせません。
最後はマネジメント能力。これは早い段階でアルバイト・パートスタッフの管理を任されるケースがあるからです。
先述のとおり、販売業・サービス業への転職では、資格よりもヒューマンスキルが重要視されます。
それらのスキルを持っていること、さらにそれを上手にアピールすることが転職への近道となるでしょう。
他業種への転職も!代表的なキャリアプランを紹介!
販売業・サービス業に就く人のキャリアプランは、大きくわけて2つあります。
まず、店長やエリアマネージャー、さらには商品開発など、社内でのポジションアップをめざすルート。
ほかにも大きな会社であれば、自社商品の管理や仕入れ業務、新規店舗の開店などの部署への異動をめざす方もいます。
もうひとつが、営業職やマーケティング職といった、別業種へのキャリアチェンジを図るルート。
販売業もサービス業も、コミュニケーションを通してお客様のニーズを的確に把握する業務。そのスキルを別業種で活かすことも十分可能です。
キャリアアップなのか、キャリアチェンジなのか。ご自身のめざす姿をイメージしながら働くと、スキルが身につくスピードも速くなることでしょう。
まとめ:メリットを活かしたキャリアプランを描こう!
販売業・サービス業の最大のメリットは、なんといっても未経験者が挑戦しやすいこと。
若年層にとっての社会人デビューに、就労ブランクを心配している方にとっての復帰場所に、これらの職種は適していると言えます。
同時に、業務を通じてコミュニケーションスキルを磨くことができるので、さまざまなキャリアプランを実現することができます。
自社で店舗運営をめざすもよし、より大きな同業他社へ転職し商品開発や新規店舗立ち上げにかかわるもよし。
さらにはコミュニケーション能力を活かせる営業職や、現場での経験を活かせる企画・マーケティング職などをめざすのもあり。
販売する商品やサービスの種類は多岐にわたります。
「好きこそものの上手なれ」の言葉どおり、趣味嗜好に合った仕事に就くことをお勧めいたします。
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