なかなか聞けない「面接の謎」を解明していくこの企画。前回は「不採用の理由って聞いていいの?」を解説しました。
そして2回目となる今回、解明していくのは「面接で聞かれるトリッキーな質問」です。
何度も面接を受けた経験をお持ちの方なら、一度は「なんでこんなこと聞くの?」という質問に出会ったことがあるのではないでしょうか。
しかし、当然ながら面接官は意図のない質問はしません。一見、不思議に思える質問も、応募者の性格や適性を見極めるために聞かれています。
志望動機や長所・短所など、一般的な質問であれば事前に対策可能。しかし、想定外の質問に対する模範解答は存在しません。
そこで本記事では、トリッキーな質問にも上手に回答できるよう、質問の意図と必要な心構えを解説していきます。
・定番化している質問は事前に対策ができる
・一方、予想外の質問に対する答えには応募者の本音が混ざる
・面接官は本音を引き出すためにトリッキーな質問を投げかける
あなたは知ってる?トリッキーな質問に隠された意図!
想像もしていないトリッキーな質問。上手に回答し合格を勝ち取るためには、裏に隠された意図を理解しておく必要があります。
先ほども書いたとおり、イレギュラーな質問に対する模範解答はありません。ただ、意図さえ把握していれば大きな失敗はしないはず。
何を聞かれても慌てることのないよう、面接官の狙いを把握しておいてください。
面接官がトリッキーな質問をする意図
基本的に、面接官は志望者への面接をとおして、「応募者が自社で活躍できるかどうか」を確認しています。
たとえば“志望動機”であれば、企業研究をどの程度してきたかを確認して熱意を確かめたり、同業他社ではなくなぜ自社を選んだのかを理由を調べたり。
ではトリッキーな質問にはどのような意図があるのか。
大きく分けると4つの意図があります。
意図①本音を聞く
定番化している質問には、応募者も対策しています。もちろん、準備することが悪いわけではありません。ただ面接官は事前に用意した回答ではなく、本音を確認したいのです。
対策のしようがない質問をぶつければ、応募者はその場で瞬間的に回答を考える。そこには必ず、本音が含まれる。
できるだけ本音を引き出したい。それが面接官がトリッキーな質問をする最大の理由です。
意図②対応力を試す
社会人になると、予期せぬトラブルに遭遇することは避けられません。つまり、対応力は社会人に欠かせない能力です。
そしてどんなトラブルにも柔軟に対応できることは、社会人として大きなアドバンテージになります。
予想外の質問に対してどう返してくるか。その対応を見極めることで、入社後に活躍できる人材かどうかを確認したいという意図もあるでしょう。
意図③論理的な思考ができるか
もうひとつ、ロジカルシンキング能力を試すという意図もあります。
事前に対策しておけば時間をかけてロジックを構築し、それをよどみなく答えることもできるでしょう。しかし、不意をつかれた質問に対していかに理論立てて答えを返せるか。トリッキーな質問から論理的思考力を測ることができます。
ロジカルシンキング力も社会人には必要不可欠な要素。そこも確認できるトリッキーな質問は、意外と重要な質問と言えるかもしれません。
意図④場の雰囲気を和ませたい
最後に紹介するのはこちら。特に早い段階でトリッキーな質問が飛び出した場合は、場の空気を和ませる“アイスブレイク”の意味が強いことがあります。
新卒の方はもちろん、中途採用であっても面接の場は緊張するもの。それが本命企業であればなおさらです。
しかし面接官は極力リラックスした、応募者本来の姿を見たいと考えています。そこで場の空気をやわらげるために、おもしろい質問を投げかけるときもあるのです。
この場合、答え自体にはそれほど意味はありません。内容よりも、笑顔でコミュニケーションをとれるように、気持ちを落ち着かせましょう。
トリッキーな質問に対する心構え
面接官は応募者の本音を引き出し、対応力を計り、論理的思考の持ち主かどうかを確認し、そのポテンシャルをフルに発揮できるように、不意をつく質問を投げかけます。
では応募者は、どんな心構えで面接に向かえば、トリッキーな質問を上手に切り抜けられるのか。
まずはかんたんに紹介します。
・仕事に結び付けて答える
・100点満点の回答はない
・慌てて即答しようとしない
・PREP法を意識して答える
・質問のすべてを網羅する答えでなくてもいい
・大きな声でゆっくりと答える
ここからはこれらのポイントを1つずつ解説いたします。
ポイント①仕事に結び付ける
もっとも大事なポイントは、どんな質問に対しても仕事に結び付けて答えること。
とはいえ、回答の最初から仕事に結び付けると、質問に対する答えとしてずれてしまうかもしれません。
最初は質問に正面から答えたあと、途中で仕事に活かせる要素を付け足すのがおすすめです。
ポイント②回答に正解はない
そもそも、面接での受け答えに100点満点の正解はありません。それがトリッキーな質問であれば、なおさらです。
にもかかわらず、誰もが納得できるような答えを探そうとするのは無駄でしかありません。
そもそも、前章で紹介したとおり面接官が知りたいのは回答よりも、そこにたどり着くまでのロジック。答え自体はあなたが真っ先に思いついたことでいいのです。
それよりも「なぜ自分はその答えを思いついたのか」をまず自分で紐解き、面接官に理論的に説明することを意識してください。
ポイント③即答しようとしない
無言の時間が怖い。すぐに答えることで発想力や瞬発力をアピールしたい。理由はどちらであれ、面接官の質問に対して間を空けられない応募者は多いもの。
しかし、トリッキーな質問に対して、瞬間的に回答とロジックを考えられて、さらにそれを筋道立てて説明できる人など、そうはいません。
また、十分に考えることなく上辺だけの回答は、面接官にはすぐにばれてしまいます。
時間が必要だと感じたら「少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか」と素直に申し出て、時間をかけて面接官にしっかり伝わるようにロジックを構築しましょう。
ポイント④PREP法を意識する
大学や高校で就職用に勉強をした方にはおなじみの「PREP法」。これは意図を相手に分かりやすく伝えるための文章構成法です。
まずはかんたんにPREP法を解説します。
Point(結論)
↓
Reason(理由)
↓
Example(具体例)
↓
Point(再び結論)
上記の順番で話を構成することにより、分かりやすく簡潔に相手に伝えることができます。
こちらもトリッキーな質問に限った話ではありませんが、面接など短時間で的確に意図を伝えたい場合、PREP法は最適と言えます。
結論→理由→具体例→結論という構成で話すことで流れと根拠が分かりやすくなり、話に説得力が生まれます。また最初と最後に2回、「結論」を伝えることで、何が言いたかったのかを明確にできるというメリットもあります。
PREP法は特に意識しなくてもできている方もいれば、苦手という方もいるでしょう。日常会話でも有効な方法ですので、「伝えたいことが伝わらない」と悩んでいる方は普段から意識して実践してみてください。
ポイント⑤部分的な回答でもいい
投げかけられた質問のスケールが大きすぎると、そのすべてを網羅した回答はむずかしいかもしれません。
たとえば営業職に応募した面接で、「弊社の売上を10倍にする方法を教えてください」と聞かれたとしましょう。
当然、本来であれば営業スタッフとしての努力にくわえて商品やサービスの質の向上、マーケティングの改善など、多くの業務が関わるはずです。
しかし、営業の募集に応募しているわけですから、マーケティングなど他の領域のことまで背伸びして答える必要はありません。
ただし、そこに一切触れないと「この人には営業のことしか見えていない」と思われるかも。
そういったリスクを取り除くため、「不勉強で恐縮ですが、私にわかる営業職のことに限定させていただきます」と前置きをしたうえで、営業スタッフとして取り組みたいことを回答しましょう。
ポイント⑥大きな声でゆっくり答える
こちらもトリッキーな質問に限った話ではありません。ただ、不意をつかれて焦るあまり早口になったり、自信がないからこそ声が小さくなったりするのはよくあること。
最初にも書いたとおり、こういった質問に100点満点の回答はありません。
慌てたとき、焦ったときこそ、自分自身を落ち着かせるためにも「大きな声でゆっくりと話す」という基本に立ち返ってください。
まとめ:どんな質問も業務に結びつけよう!
不意をつかれたときの対応こそ、応募者の本音が答えに混ざるもの。
面接官がトリッキーな質問をぶつける意図は、応募者が本心から「この人は本当にウチに入りたいのだろうか?」を確認したいからに他なりません。
そんな質問にうまく対応しようと思ったら、「自分はこの会社でどう働くのか」を強く意識しておく必要があります。
そのためには、自己分析と企業研究、この2つが欠かせないのではないでしょうか。
ちなみに、次回の更新では、実際に面接で出題されたトリッキーな質問と、その回答例を紹介いたします。ぜひ、そちらも参考にしていただければ幸いです。
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企業研究の基本は企業ホームページと求人情報をくまなくチェックすること。隅々まで確認して志望企業を絞ると同時に、「なぜこの会社を選んだのか」、「この会社でどんな仕事をしたいのか」を考えてみてください!
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