もうすぐクリスマスですね。もうしばらく前から、なんだったらハロウィン終了直後から、街はイルミネーションやらライトアップやらお祝いムードが始まっています。
これを読んでくださっている“あなた”。クリスマスは何をして過ごすのでしょうか。
ちなみに“ぼく”は普段と何も変わらず、仕事して、帰って、寝て、起きて、また仕事です。おじさんにとってのクリスマスなんて、仕事帰りに寄るスーパーで売れ残ったフライドチキンを半額で買えるかどうか、くらいの日でしかありませんから。
でもね、せっかくですからクリスマスを通して、今回はこんなテーマを考えてみようと思ったんですよ。
それは、「日本人の国民性」ってどんなだろう? です!
・日本人は目立つのをいやがる
・他人の意見に合わせる
・普段はあまり感情を表に出さない
・だからクリスマスくらいは騒ぎたい…のかも
日本とヨーロッパで「クリスマス」はこんなに違う!
過去、このコラムでかんたんに書いたことがありますが、これを書いているぼくは高校時代、アイルランドという国に2年ほど留学していました。
アイルランドは国民のほとんどが(カソリック・プロテスタントを問わず)クリスチャンですから、クリスマスなんて1年でいちばん大事な日です。
とか言いつつ気になって調べたら、2022年のデータだとアイルランド国民のうちなにかしらのキリスト教徒は76.1%とのこと。うろ覚えで恐縮ですが、ぼくが留学していたころは9割くらいだったはずなので、大幅に減っていますね。
ま、それでもきっとあのころとクリスマスの風景は変わらない。そう信じて、コラムを書いていきます。
そもそもクリスマスって何の日?
知らない人はいないと思いつつも、“定義大好きおじさん”としてはこの項目は外せません。
今さら興味のない方は、飛ばしていただいて結構です。
ということで、いつもどおりWikipedia大先生の記事から、クリスマスを調べてみましょう。
クリスマス(英語: Christmas)はイエス・キリストの降誕を記念する祭で、キリスト降誕祭(キリストこうたんさい、単に降誕祭とも)、降誕日(こうたんび)、聖誕祭(せいたんさい)、ノエル(仏: Noël)などとも呼ばれる。「クリスマス」という英語は「キリスト(Christ)のミサ(mass)」という意味に由来する。
引用:Wikipedia『クリスマス』より
降誕祭、生誕祭など、ちょっと専門用語が混ざるので、今回は特別に英語版の記事も見てみましょう。ほら、だって今日はChristmasですからね。プレゼントみたいなものですよ。
Christmas is an annual festival commemorating the birth of Jesus Christ, observed primarily on December 25 as a religious and cultural celebration among billions of people around the world.
(中略)
Over the past few centuries, Christmas has had a steadily growing economic effect in many regions of the world.
この前半部分を翻訳すると、「クリスマスはイエス・キリストの誕生日を祝う年に一度のお祭りで、12月25日を中心に、世界中で何十億もの人々が宗教的・文化的に祝います」といった感じですかね。
でね、ちょっとおもしろかったのが後半部分。ここでは「過去数百年で、クリスマスは世界中の経済に大きな影響を与えるイベントになりました」と書いています。
クリスチャンでもないのに便乗して騒いでお金を使うこと、意外と怒ってないっぽいですね(笑)。さすが世界最大の宗教。心が広いもんです。
日本でのクリスマス=大騒ぎする日
これも、ある意味ではあんまり書く必要ないですよね。皆さんの感覚、そのままです。
なのできわめて簡単に進めます。
日本でもっとも盛り上がるのは、25日ではなく、その前日。クリスマスイブと呼ばれる24日の夜でしょう。
この日はもう、国をあげての大騒ぎといってもいいでしょう。
みんな、恋人や友人とケーキを食べたりイベントを楽しんだあと、カップルは夜の大戦争へと突入。ちょっと前はそれを「性なる夜」なんて揶揄してましたが、今でも使うんでしょうか?
ちなみに、うらやましいなんて思わないですよ。そんな時期はとっくに通り過ぎました(笑)。
みんなが知らなさそうな「日本のクリスマス」の歴史
日本にクリスマスという概念が持ち込まれたのは1552年。皆さんもご存じ、織田信長たちが活躍するよりも少し前、室町時代のできごとです。
しかし、このあと日本はキリスト教を排除するので、明治時代になるまではごくごく一部の隠れキリシタンと呼ばれる人たちがこっそり祝う日だったみたいです。
ただ、例外エリアがあります。それは長崎の出島(でじま)。この地にあったオランダ商館では、キリスト教禁止令に背かないよう「オランダ正月」と名を変えて祝っていたのだとか。
その後、明治維新を経て開国した新たな日本では、クリスマスが受け入れられる土壌が急激につくられます。
そして1900(明治33)年にはクリスマス商戦がスタート。
この流れがさらに加速したのは、1927(昭和2)年のこと。前年の12月25日、大正天皇が崩御されたことに伴い、この年からクリスマス当日が「大正天皇祭」という祝日になったことが影響したようです。
残念(?)ながら、第二次世界大戦後、この日は祝日ではなくなったものの、すでに根付いていたクリスマスは日本独自の形で発展し続け、現在に至っています。
ヨーロッパでのクリスマス=家族で過ごす日
さて、日本では楽しい日として定着しているクリスマスですが、ヨーロッパでは少し違います。ぼくがアイルランドにいたころのままなら、ですが。
というのも、国民のほとんどがなんらかのクリスチャンであるアイリッシュにとって、クリスマスは祝う日ではあるものの、大騒ぎする日ではありません。
極めておごそかに、家族そろってターキーを食べて、語らう。そんな日なんですね。
実際、ぼくは高校2年生のころ、ホームステイしていたアイルランドの家庭でクリスマスを過ごしたことがあるんですよ。
家庭ごとで違うでしょうが、ぼくが体感したことを書いていきます。
実録!アイルランドのクリスマス当日
先ほど紹介した中に、クリスマスとは「キリスト」と「ミサ」をあわせた言葉、との説明がありましたよね。まさにそのとおり。まず家族そろってミサに行きます。
そしてミサが終わり帰宅ラッシュも終わると……街から人の気配が消えました。
そうと知らないぼくは、せっかくだからと家族に断って、バスで20分ほどしかかからない首都・ダブリンへと向かおうとします。
でも、バス停で何分待っても、バスが来ない。
アイルランドってすごくのんびりしてるので時刻表の前後20分くらいは平気でずれるんですけど、その常識(ぼくらは「アイリッシュタイム」って呼んでました)すら通り越す異常事態でした。
すると、バス停の向かいにあったガソリンスタンド(ここも休業してました)のおじちゃんが、「今日はバスは来ないよ」と教えてくれました。
公共交通機関が休む……そんな発想はまったくなかったので、びっくりしましたねえ。
もう、この時点でダブリンという大都会もどんな感じになっているか、想像はつきました。でも、やっぱりきちんと確認したいじゃないですか。
その後、何分待ったかも覚えてないけど、ようやく通りかかったタクシーに乗ってダブリンへ向かいます。
大都会・ダブリンのクリスマス当日
ダブリンはアイルランドの首都にして最大の都市。当時でも人口は100万人を超えていたと思います。
そんな大都市の中でも、観光客にとって楽しいのはグラフトン通りというエリア。高級ブランドショップが立ち並んでいるし、街中では多くのパフォーマーが芸を見せてくれるし、とても賑やかで明るい雰囲気なんです。
まあ、ぼくらが行くのはマクドナルドとかCDショップあたりなんですけどね。
でも、ぼくが普段生活していたニューブリッジという小さな町にはマクドナルドなんてなかったので、ダブリンに行くたびにほぼ必ず訪れていました。
でも肝心の当日、12月25日はグラフトン通りのお店はどこもかしこもクローズ。マクドナルドさえ、休んでいたような記憶があります。
ただね、それはそれで良かったですよ。日本で言ったら渋谷とか新宿くらい常に人でにぎわう街なのに、誰も歩いてないんだもの(笑)。そんな姿を見れただけで貴重です。
それにね、クリスマスが本当の意味で「特別」なイベントだということも知れましたから。
それでも、さすが大都市と言うべきでしょうか。帰るためのタクシーはすぐに見つけられました。ある意味、そこにもびっくりしましたね。
クリスチャンでもクリスマスを騒がないわけじゃない
別にね、ぼくは日本風のクリスマスも嫌いじゃないですよ。
というか、キリスト教徒だって、国によってはバカ騒ぎしますから。
その代表例がアメリカでしょう。といっても「F・R・I・E・N・D・S」というテレビドラマを見て得た知識ですけど。
フレンズを見ている限り、アメリカでのクリスマスは極めて日本的。親しい友人や恋人と騒ぐ日というイメージです。違うのは、アメリカではホームパーティー形式が多いので、参加者の家族(父・母・祖父・祖母など)も参加しているくらいですかね。
ただ、個人的にどっちが好みかと聞かれれば、やっぱりアイルランド式(多分、イギリスも同じ)かな。
というのも、公共交通機関やサービス業に従事している人の中にもクリスチャンはいるわけでね。ということは、その人たちも祝いたいに決まってるじゃないですか。
イギリス・アイルランド式の祝い方なら、それができる。その時点で、やっぱりこっちのほうが「あるべき姿」かなと思います。
ちなみに、調べていて知りましたが、少なくとも去年(2023年)のクリスマスは、ロンドンの市営地下鉄・バスは全線運休だったようです。きっとアイルランドも同じだったでしょう。そして今年、2024年も変わらないでしょうし、できれば2124年もそうであってほしいな。
なんで日本ではクリスマス=愛の日なんだろう?
さ、ここまできてようやく本題です。同時に、ほぼラストでもありますけど。
なぜ日本ではクリスマスやハロウィン、バレンタインなど、全部が「恋人の日」みたいになってるんでしょう?
そこには日本人の国民性が関係していると思うんですよ。
ちょっと、こんな調査を見つけたのでご覧ください。
>奈良先端科学技術大学院大学『来日前情報 日本人・日本文化とは』
「日本人・日本文化とは」を紹介しているページ|世界に多様な文化が存在しているのと同様に、日本文化においても一概にこうだと…
特に大切そうなところだけ、抜粋して引用もしておきます。
・集団で行動する
・統一性(皆と同じ)を好む
・目立つのを嫌がる
・人に意見を合わせる
・あまり感情を表に出さない
もちろん個人差はありありですけど、なんとなく合ってる気がしますね。
日本人がはめをはずすには、理由が必要?
この「日本人・日本文化の特徴」が正しいとするならば。
きっと、日本人が思い切り騒ごうと思ったら、なにかしらの理由が必要なんでしょうね。
そしてその理由にしやすいイベントがクリスマスとかバレンタインだったりするのかもしれません。
要するに、周りが盛り上がっていれば、自分たちも心ゆくまで楽しめる。でも日本人全体が盛り上がる瞬間って、そうそうない。
そんな感じで周りの目を気にしながら生活している中、貯まったフラストレーションを発散できる数少ないチャンスなのでしょう。
しかも、クリスマスはイブと当日、2日にわたって行われますからね。恋人たちが夜まで楽しめるという意味で、他のイベント以上に価値があるのかもしれません。
でもまあ、いいじゃないですか。キリストさんも自分の誕生日をきっかけに楽しく騒いでくれるのであれば、イヤだとは言わないと思います。
それをとがめるような人なら、世界中で愛される神様にはなってないでしょうしね。
まとめ:一度でいいから現地の姿も見てほしい!
今回は仕事とはまったく関係ないコラムになってしまいました。ま、たまにはいいでしょう。普段、とても礼儀正しく、周りへの気遣いも忘れず、周囲に迎合する日本人。そんな人たちがはめを外せる数少ないイベントの1つがクリスマスなんだと思います。
それを心から楽しんでいる人たちに対して「本場のクリスマスは~」なんて言うほど、ぼくは野暮ではありません。
でもね、同時にこうも思うんです。
アイルランドやイギリス、イタリアなど、ヨーロッパのクリスマスも一度でいいからご自身の目で見ていただきたいです。
まったくの別物として、それはそれでとても美しいものでしたから。
「海外旅行なんてするお金、ないよ~」という方。
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