今回は少し趣向を変えて、令和の子どもに人気の高い仕事を紹介します。
アンケートの回答者はなんと、小学1年生とその保護者。
現代の子どもは将来、どんな仕事に就きたいのか。両親や保護者は、子どもにどんな仕事に就いてほしいと考えているのか。
それを知っておけば、皆さんが将来、就職・転職をする際に若い世代がライバルになりやすい職種を把握できるようになるでしょう。
また単純に、皆さんが若い頃に夢見ていたことを思い出して、気分をリフレッシュできるかもしれません。
就職・転職活動に直接的に影響するデータではありませんが、ぜひ参考にしてみてください!
上位の職業は安定して人気が高い!
今回紹介するデータは、ランドセル素材などに幅広く使用される人工皮革<クラリーノ>を製造・販売する化学メーカー、株式会社クラレ(本社:東京都千代田区)が2024年に実施したアンケート。
より細かいデータは、クラレのホームページでご確認ください。
>株式会社クラレ「男女総合1位「ケーキ屋・パン屋」、トップ3は変わらず」
化学メーカー クラレ。機能樹脂、化学品、人工皮革、合成繊維、光学関連製品、メディカル製品などの製造・販売。…
この中から、まずは小学1年生が就きたい職業の総合順位をご覧ください。
総合ランキング:TOP3は昨年と変わらず!
小学1年生の男の子と女の子、2000人ずつに聞いたアンケートの結果、総合順位のTOP3は「ケーキ屋・パン屋」、「警察官」、「スポーツ選手」となりました。
じつはこのTOP3は数年、ほとんど変わっていないそうです。
では、男の子と女の子、性別ごとの順位も確認していきましょう。
男の子ランキング:スポーツ選手が1位に返り咲き!
男の子の1位はスポーツ選手。2023年の調査では2位でしたが、首位を奪還したようです。
そのほか、2位は昨年トップだった警察官。3位は長年にわたって上位をキープしている消防・レスキュー隊でした。
また近年人気を大きく上げているのが10位のゲームクリエイター。近年は安定して20以内をキープしていましたが、はじめてTOP10入りを果たしました。
女の子ランキング:ケーキ屋・パン屋が24年連続1位!
女の子のトップはケーキ屋・パン屋。実はこの職業、24年連続で首位の座をキープしているそうです。男の子の結果では8位で高順位とは言えないにも関わらず総合1位になったことからも、その圧倒的な人気がうかがえるのではないでしょうか。
2位には芸能人・歌手・モデル、3位に保育士と上位常連の職業が続いています。
小学生の結果まとめ
アンケート対象者が小学1年生ですから、このアンケートはリアルな就職事情ではなく「将来の夢」という意味合いが強いと思われます。
ただ、そんな中でも見逃せない要素もあります。
それは、いろいろな意味で“堅い”職業を好む傾向が強まっていること。
毎月固定のお給料をもらえて将来性も非常に高い仕事は、表にあるだけでも警察官や消防士、運転士、医師、保育士、看護師、教員など。
さらにTOP10以外にも会社員(男の子15位)、エンジニア(男の子17位)、販売・接客業(女の子13位)もランクインするなど、“将来の夢”としては堅実なものが目立っています。
日本がここ数十年、慢性的な不景気に苦しんでいるためか、安定性を求める子どもが増えているのでしょう。
保護者の総合ランキング:より堅実な思考が顕著に!
(※株式会社クレアの調査結果を基にジョブリットメディア編集部が加工)
ここからは小学生の保護者が、子どもに就いてほしいと考えている職業のランキング。
男女を合わせた総合ランキングは、TOP3だけではなく、堅実な職業がより目立つ結果となりました。
先ほども述べたとおり、慢性的な不景気を身をもって味わった大人世代は、なによりも安定した人生を歩んでほしいと願っているのかもしれません。
男の子の保護者ランキング:スポーツ選手は根強い人気!
何度も書いているとおり堅実な職業を望む保護者が多い中、唯一の例外が3位のスポーツ選手。野球やサッカーはもちろん、近年バスケ人気が急上昇していることが、この順位を支えているのかもしれません。
ちなみに1位の公務員は、子どもの希望ではランク外(20位以下)だったので、子どもと保護者の希望に大きなギャップがあるように感じる結果でした。
女の子の保護者ランキング:女性人気の高い看護師が首位!
子どもからはケーキ屋・パン屋が圧倒的な人気でしたが、保護者人気が高いのは看護師と公務員。反対に、ケーキ屋・パン屋は6位の薬剤師から大きく票を減らした7位に留まりました。
また2位の芸能人・歌手・モデルは12位、3位の保育士は10位といずれも大きくランクダウン。こちらもやはり、子どもと保護者の希望に大きな隔たりが見える結果だと言えるでしょう。
子どもと保護者の希望を比較してみた
ここで改めて子どもの希望と保護者の希望、それぞれのTOP5を見比べてみましょう。
>子どもと保護者の希望比較①男の子
>子どもと保護者の希望比較②女の子
あらためて抜き出してみると、TOP5の中に両者の希望が合致する職業が1つもないことが分かります。
ハイリスクハイリターンのスポーツ選手や芸能人はまだしも、男の子2位の警察官や3位の消防士、女の子3位の保育士などは将来性に優れた、比較的堅実な職業のはず。
にもかかわらず希望に開きがあるということは、大人と子どものすれ違いは令和の現代でも健在なのでしょうか。
まとめ:今後も若年層が“堅い”仕事に流れ続ける?
今回は子どもから「人気が高い仕事」を紹介してきました。
同時に、保護者が子どもに期待する、もしかすると志望するように誘導していくかもしれない仕事も、なんとなく見えてきたのではないでしょうか。
全体としては、安定性の高い仕事の人気が高い、と言える結果だと思います。
そして、実はこの傾向は年々、強くなっているのです。
社会を一変させるような大きな事件や新たなバブル景気が起きれば別ですが、普通に考えれば、高校・大学卒業後、堅実な仕事を志す子どもが多いという現在の流れが、今後しばらくは継続するように感じます。
ミドル層がこういった堅い仕事に転職するとなると、新卒や若年層がライバルとなるため、厳しい戦いが予想されるでしょう。
また第二新卒と呼ばれる若い世代であっても、さらに若くフレッシュな人材との戦いを制する必要があります。
未来の新卒と争って就職・転職を勝ち取るには、資格や実績といった彼らにないアドバンテージを保有しておきましょう。
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