現在の30万円は3年前の26万円以下!?“ステルス値上げ”に怒る理由を考えた!

相も変わらず、ライブバージョン(下調べやプロット作成なしでコラムを書き切るベテランの妙技。またの名を“書きあたりばったり”)でコラムを書いていこうと思ってます。

ただ今回は、テーマを決めた時点で、明るくない話で終わりそうな未来が見えているんですよ。なので、適度にボケを入れていきますね。飽きずに最後までお付き合いください。

さて。

会社員として毎月お給料をもらっている皆さん、給料は上がってますか?

多分ですけど、金額の多少はさておき、多くの“あなた”が「YES」と答えるのではないでしょうか。

では質問を変えますね。

皆さん、生活は楽になりましたか?

日本人はなぜ貧乏になってしまったのか?

日本人に共通の悩みは「お金がない」こと
2つめの質問に対しては、多くの方が“NO”と答える気がします。そのくらい、今の日本で生活していくのって大変ですよね。

コラムを書いている“ぼく”も皆さんと同じ感覚です。

では、なぜお給料が上がっても生活が楽にならないのか。そんな悲しい現実を象徴するようなニュースを見ながらコラムを書き進めていきます。

ステルス(?)値上げのニュースとそれに対する反応

まず、ぼくがなぜ今回のテーマを選んだのかというと、それはYahooトップでこんなニュースを見つけたからでした。

FNNプライムオンライン「カルビーのポテトチップスが5グラム減の実質値上げ…ジャガイモ高騰受けて7月から」

FNNプライムオンライン

じゃがいもの高騰でポテトチップスを実質的に値上げします。カルビーは、7月21日から順次、ポテトチップス10品目の内容量を…

(ぼくが見たのはYahooのトップページだったんですけど、時間経過で記事が消えてしまうので、リンク先は元サイトにします)

はい。ちょっと前まで世間でもっとも注目されていたフジテレビ系のニュースサイトですね。

それによると、おなじみカルビーのポテチがお値段そのまま、内容量を減らすことになったそうなんです。

値上げをする理由はたくさんある

値上げっていやですよね。でも、これって仕方ないんですよ。むしろ、必要なものでもあるんですよ。

値上げにはいろんな要因が含まれています。記事には「主原料のじゃがいもや油など原材料の高騰によるもの」とありますが、それだけではないでしょう。

たとえば電気代。今、すごく高いじゃないですか。しろくま電力さんのホームページによると2022年に大きく値上がりしたあと、高止まりしちゃってます。

ポテチに限らないけど、工場の電気使用量はえげつないですからね。これだって充分、値上げ因子だと思います。

あと、人件費も上がってますよね。上がり幅はわずかではあるものの、ここ数年、給与は上がり続けていますから

もちろんほかにもたくさん要因があるでしょう。そういったものをカバーしようと思ったら、値上げ自体は絶対に必要なんです。

値上げを嫌う人が異常な速度で増えた気がする

さて、Yahooのニュースといえば、例のあれがあるじゃないですか。そうです。悪名高き“ヤフコメ”です。

もうね、見ているだけで「ほんと好き勝手、書いてんなあ」と嫌な気持ちになる(じゃあ見るな)くらい、一方的な“クソコメ”がたくさん掲載されています。

このニュースにも案の定、そういうのが湧いてまして。「ステルス値上げやめろ!」「企業努力が足らん!」「生活が苦しい!」など言いたい放題です。

でもね、今回いちばん腹立ったのは、そっちじゃありません。

皆さん、ご存じですかね? ヤフコメって「エキスパート」のコメントが優先的に表示される仕組みになってるんですよ。

そしてそこに、こんなコメントがありました。

値上げではなく、量を減らすというステルス値上げが増えていますが、(後略)

ねえ、これって“ステルス”値上げなんですか?

ステルスの意味も知らないエキスパートって必要?

皆さん、ステルス(stealth)という言葉の意味、ご存じですか?

ぼくは特定の戦闘機をさす呼称として把握していた程度ですけど、念のため調べましたよ。予想どおり、こういう意味でした。

stealth の意味・使い方・読み方

1.ひそかなやり方、内密、こっそりした行為◆不可算

引用:英辞郎 on the WEB『stealth』より

ですよね! 営業時間から名前をつけたはずがいつの間にか24時間営業が当たり前になって店名が意味不明になってしまった某コンビニ上げ底弁当みたいなのを“ステルス値上げ”って呼ぶんだよね!

今回、カルビーは内容量の変更をしっかりとプレスリリースとして配信しています。だからぼくはこのニュースを知ったわけだしね。それにカルビーの公式ホームページにもきちんと掲載されています。

これ、ステルスじゃないですよね。堂々とした(実質)値上げです。

もう、こんなコメントを残した時点で「エキスパート」という称号をはく奪していいと思いますよ。

これに引っ張られたのかは定かじゃないけど、この値上げを「ステルス値上げ」と決めつけた一般人のコメントがあふれていることに、責任を感じるべきです。

なんでこんなに「値上げ」を嫌うのか?

さて、エセエキスパートさんの話題はもう終わりです。本当に書きたいのは、ここからなんです。

なんで日本人は値上げを許容できないのかなんで値上げはここまで嫌われてしまうのか。それを考えたいんです。

さっきも書きましたけど、値上げは本来、仕方ないものでもあると同時に、必要なものでもあるんです。少しずつ値上げをしないと、働いている人たちのお給料も上がらないんですから。

でも、コメントを見ていても分かるように、少なくともネット上で騒ぐ人たちの多くは、値上げに対して異常なほど反発します。

これって、どういうメンタルなんですかね?

自分の給料は上がらないと怒るでしょう? でもカルビーの従業員の給料は一生据え置きで構わないってことなんですかね?

いや、そんなことないですよね。

もっとシンプルに、給料が上がっても生活に余裕がない。そのせいで心の余裕もない。ということなんでしょう。

給与と税金を20年前と比較すると答えが分かる!

ぼく自身の実感として、新卒で働き始めた頃と比べると給料の額面のわりに手取りの金額が減ったなあと思うことがあります。

それを証明(?)するために、2つの記事をご覧ください。

マイナビニュース「私たちの手取りはどのくらい減っているのか – 20年前と比較してみた

マイナビニュース

買い物に出かけるとさまざまなものの値段が上がっていることを実感すると思います。一方で、給料はほとんど上がっていないと嘆く…

詳細は元記事を見ていただくとして、この記事によると東京都在住協会けんぽ加入年収400万円の方の手取り額は2003(平成15)年では約330万円だったのに対し、2023(令和5)年では約312万円。実に18万円以上、減ったことになるんですね。

さらに、こちらの記事もご覧ください。

PRESIDENT Online「生活が苦しくて当たり前…「実質手取りは24年前より年84万円減」給与減&天引き増の衝撃データ

PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

年収のダウンが叫ばれて久しいが、実際どれだけ減ったのか。国税庁「民間給与実態統計調査」のデータに基づき社会保険料や住民税…

タイトルでネタバレしてますが、1997(平成9)年の平均年収が467万円強だったのに対して、2020(令和2)年は433万円。そこに社会保険料や住民税の増額消費税の税率アップ物価高まで加味すると、一般的な会社員の手取りは84万円も落ちたんだそうです。

まあ、最新データである2023年の平均年収は460万円なので多少は復活しているでしょうが、それでも約30年前と比較すると貧乏な生活を余儀なくされるのも当然と言えます。

こういうデータを見ていると、ステルスであろうとなかろうと、値上げに対して敏感になってしまう気持ちも分かる気がします。

物価は2025年現在も上がり続けている!

さて、ぼくたちの生活に直接的にダメージを与えている物価高。皆さんも野菜や果物の値段が上がっていることに、お気づきだろうと思います。

そしてこの現象は、このコラムを書いている2025年3月現在でもしっかり継続しちゃっているんです。

消費者庁が発表している「生活関連物資の価格動向」というデータもご覧ください。

消費者庁「生活関連物資の価格動向」グラフ 生活関連物資26品目

この表は令和7年2月13日更新の最新データ。つまり令和7年1月分の物価指数です。

表だけだと分かりにくいですが、今回の場合は令和5年、つまり2023年の平均価格を「100」として、現在の価格がどの程度、高くor低くなっているかを表したものです。

26品目もあり、すべてを載せると見にくいと思うので、かんたんに説明すると…

☆下がったもの生麺・ゆで麺、卵、ビール、マスク
★上がったもの上記以外

ということです。

しかもね、もうひとつ悲しい現実があるんです。というのも令和4年1月、つまり2022年1月の数値を見るとチョコ、弁当、手指用消毒剤以外、100を大きく下回っているんですよ。

つまり、この調査のベースである2023年も物価高の1年だったのに、そこからさらに物価が上がっているということなってしまいます。

2022年と比較するとさらに衝撃的な結果に!

消費者庁のホームページでダウンロードできる指数をちょびっと加工して、ベースとなる数値を2022(令和4)年1月に改変した数値も掲載してみましょう。

これだけはぼくが加工したもの=ホームページには記載のない数値なので、長いけど全部を掲載しますね。

2025年1月の物価動向
(2022年1月との比較)
食パン115.10
生麺・ゆで麺117.97
カップ麺115.51
ソーセージ119.42
牛乳116.56
ヨーグルト117.59
138.87
豆腐・豆腐製品112.45
食用油123.03
チョコレート122.04
アイスクリーム114.00
弁当 92.41
おにぎり112.59
感想スープ113.18
冷凍調理(惣菜)117.84
茶飲料112.43
ミネラルウォーター120.28
果実飲料126.28
ビール106.04
ティッシュペーパー123.78
トイレットペーパー124.16
洗濯用洗剤140.01
紙おむつ121.86
マスク100.64
シャンプー112.15
手指用消毒剤 96.80

いかがですか? ごく一部を除いて軒並み上がっていますよね。

なお、値段も販売数もまったく異なるので正しい数値というわけではありませんが、全部の指数の平均値は116.27でした。ということは2025年1月の30万円は、2022年1月の25万8千円程度の価値しかないわけです。

税金のことも考えると、この3年間で給料が5万円くらい上がってはじめて3年前と同水準の生活ができるってことですから、いやあ、厳しい世の中ですよ。本当に。

まとめ:嘆いていても仕方ない!

お金がないなら嘆くよりも副業でもなんでもしてお金を稼ぎましょう!
いやあ、今回も無事に書き切ることができました。

できましたけど…やっぱりあんまり明るい話にはならなかったですね。同時に、あんまりボケも入れられなかった。そっちのほうが悔しかったりします。

とはいえ、単純に給料が上がっているからといって、生活が豊かになったとは言えない。その証明ができただけで、今回ぼくは満足です。まあ、繰り返しですけど、平均値116.27という数値は本当の平均値ではないですけどね。

ただね。

きびしい言い方かもしれないけど、「物価が高い」「生活が苦しい」って嘆いても意味ないですよ。それよりも、副業でもなんでもして生活水準をキープしようと考えたほうがよくないですか?

そりゃね、ぼくだって嘆いてお給料が毎月5万円増えるなら、号泣でも土下座でも、なんでもしますよ。でも、そうじゃないんだから。

副業だって、やってみたら新しい楽しみを味わえるかもしれません。悪いことばっかりじゃないかもしれません。

皆さん、嘆いたり不満をぶつけたりではなく、前向きにこの苦しい時期を一緒に乗り越えていきましょうね!

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ステルス値上げを許せない理由は?
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