突然ですが、これを書いている“ぼく”の職業はライターという、ちょっとめずらしい(かもしれない)ものなんですね。
で、世間一般的に「ライター」という職業をイメージすると、きっと会社員というよりもフリーランスの仕事だと認識されている気がするんですよ。
でも、ぼくは過去、一度たりとも“フリーランス”という雇用形態を味わったことはありません。
とはいえ当然、周辺にはフリーランスという雇用(契約)形態で働いている人もたくさんいました。ライターに限らず、デザイナーやイラストレーター、動画編集者とかね。
そして、特にお若い皆さんの中には、フリーランスという形態に憧れを持つ方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、フリーランスという働き方のメリットやデメリットを、長年、その周辺にいた人間として書いていきたいと思います。
フリーランスはメリットもデメリットも無限大!
先ほども書きましたけど、ぼく自身はずっと会社員です。もっと言うと、ずっといわゆる正社員という雇用形態です。
これ自体は、クリエイティブ職を続けている人たちの中でも、実はそうめずらしいことではありません。
でも、一般的には「フリーランスが多い」というイメージがあるような気がします。
実際、ぼくも転職をするたびに、友人たちから「フリーでやらないの?」と聞かれますしね。
そしてそのたびに、ぼくは必ず「俺にフリーランスは無理!」と即答しています。
では、なぜ無理なのか。逆に、どういう人ならフリーランスで活躍できるのか。
自分が見てきた優秀な各種クリエイターたちを思い出しながら、そのあたりを解説していきます。
「フリーランス」に必要なもの
フリーランスという働き方は、一見ものすごく自由に見えるかもしれません。
でも、ぼくはそう思ったことはほとんどないですね。
逆に、いろいろと必要な要素が多くて、正直「めんどくさい」としか思えないのです。
あくまでぼく視点ではありますが、フリーランスで活躍しようと思ったら、こういったものが必要だと感じています。
・実力
・(BtoBの)コミュニケーション
・時間管理
・金銭管理
これらをかんたんに解説しますね。
必要なもの①実力
まあ、言わずもがなですよね。
ライターに限らずフリーランスという働き方で求められるのは、実力だけです。クリエイティブ職でいえば、作品のクオリティとなるでしょうか。
それ自体はサラリーマンクリエイターも同じなんですけど、かんたんにクビにできない会社員と違って、フリーの世界はシビアですからね。
払ったお金に見合わないと判断されれば、すぐ切られちゃいます。
ぼくのコラムを読んだことのある方ならお分かりだと思いますが、ぼくが絶対にフリーにならない理由の99%はここです(笑)。
必要なもの②コミュニケーション
当たり前の話ですが、会社員の場合、ほとんどのことは会社の担当者がやってくれます。クライアントへの売り込みや契約、取材や締め切り日程調整などなど。
そしてフリーランスでやろうと思ったら、それらすべてを1人でやらなきゃいけません。
でね、会社組織で働いている方々ならお分かりでしょうけど、担当者が全員、まともな人間性を持っているわけではないじゃないですか(笑)。
BtoBのやり取りですらそうなんですから、相手がフリーランスとなるともうめちゃくちゃです。
上から目線で無理難題ばっかり押し付けてくる奴がざらにいますからね。
そういう人を相手に、お金のために我慢しなきゃいけない……うん。ぼくにはこれも無理ですね。
必要なもの③時間管理
ちょっと上ともかぶりますが、時間管理の方法もフリーランスと会社員では大きく異なります。
ぼくらの世界だと会社には必ず進行管理という、締め切りをアラートしてくれたり、制作チームとクライアントの間に入ってやり取りしたりしてくれる方がいてくれます。
でも当然、フリーになればそんな頼れる存在はいません。自分でやらなきゃいけません。
ぼく自身、少なくとも一般的な業務量であれば、ここに関しては大きな問題にはなりません。これも前に書きましたが、締め切りを破ったこと、一度もないです。それだけがぼくの取柄です。
でもさ、誰かがやってくれるなら、その方が楽ですよね(笑)。
必要なもの④金銭管理
フリーランスということは、つまり個人事業主ということ。
個人事業主にとって面倒なこと……皆さん、想像つきますよね。そうです。確定申告です。
会社員だと、全部会社がやってくれるから、苦労なんてありません。備品だってほとんど自分で買うことないし、交通費や打ち合わせ代を立て替えても領収書を経理に渡すだけで翌月の給料で返してくれます。
でもフリーランスはそうはいきません。パソコンやタブレットが壊れたら買い替えなきゃいけないし、交通費や打ち合わせ代だって領収書を保管してまとめて、税務署に提出しなければいけません。
これ、悪口じゃないですよ。でもね、言わせてください。
こんなの全部、自分でやりたがるなんて、フリーランスの方々にはドMしかいないのでしょうか?
フリーランスのメリット
そんな風に感じるフリーランスという働き方を選ぶ人が多い、そして憧れる人も多いということは、当然メリットがあるはずです。
まず、真っ先に思いつくのは収入面。
会社組織とは異なり、提示された金額そのままが収入となるので、仕事が入る人であれば会社員時代よりも圧倒的に稼げるでしょう。
もうひとつ、仕事を受けるも受けないも自分次第というところもメリットでしょう。むしろフリーランスに憧れる理由を聞いてランキングを作ったら、1位になるかもしれません。
現実的に、始めた直後は依頼された仕事を選ぶ余裕などないでしょう。それでも、どうしてもやりたくない仕事は受けない、そもそも売り込みにいかないなど、当初から自分の希望をある程度反映させられます。
最後に紹介したいのは、自分の望みどおりのキャリアプランをめざせること。
どんなキャリアを歩み、どんなスキルを伸ばしていくのか。フリーランスという働き方であれば、会社などの組織や上長の意図などを気にせず、自分の思うままに歩んでいけるでしょう。
フリーランスのデメリット
上に書いたメリットはすべて、ある程度の実力があることが前提になります。
もっと言えば、実力があり、かつその実力をクライアントが正当に評価してくれてはじめて、メリットとなるわけです。
そうでなければ、仕事がもらえず収入は低迷。依頼がないのだから、仕事を選ぶなんてことにもなりませんし、スキルアップもキャリアップもできるわけがありません。
そして、ぼくが思ういちばんのデメリットは、助けを求める人もいなければ、進むべき道を正してくれる人もいないこと。
会社であれば、仕事がうまくできないときに先輩や同僚が助けてくれます。また、メンターとでも言いましょうか、迷ったときに道を示してくれる人もいるでしょう。
フリーランスだって、コミュニティに入ればそういう人に出会えそうじゃないですか。
でもね、自分の置かれている状況や欠点を正しく把握している人なんて、そうそう出会えないでしょうね。
だって、毎日一緒に働いて、指示を出してダメ出ししてくる会社の上司ですら正しく理解してくれないのに、ネット上のやりとりだけで把握できるわけありません。
袋小路に迷い込んでも、頼れるのは自分だけ。
そんな環境だとも言えるわけです。
ぼくがフリーランスを選ばない理由
まず、実力がありません(笑)。
ぼくごときの文章力で、フリーランスとして今後の人生に困らないだけの金額を稼げるわけがないのです。
でも、それだけじゃありません。
まずぼくは、基本的にめんどくさがりなので、「ライター」に必要な作業以外は極力やりたくないのです。
だって、お金ではなく“好き”を貫くためにライターになったのに、わざわざライター以外の比率を増やすなんて矛盾してるでしょう?
あともうひとつ、ものすごくきれいごとを書きますが、ぼくは1人で作品をつくることに、それほど価値を感じていません。
進行管理から事前に情報を共有してもらって、動画カメラマンと一緒に取材をして、編集作業もお互いのアイデアをぶつけ合いながら行い、完成した動画に沿った文章を書く。
かかわる人数が多いほど、そしてその人との関係性が近いほど、仕事が楽しくなると思っています。
そういうタイプにとってフリーランスとは、もし仮に万が一、ものすごく稼げたとしても、やっぱり率先して選ぼうとは思えません。
まとめ:チャレンジしたい人には最適!
なんとなく、フリーランスに否定的な書き方になってしまったかもしれません。
でも、そんなことないですよ。正直、ぼくが恐れずに転職をできているのも、最終的に「最悪のケースでフリーになっても、ぎりぎり生活できるくらいは稼げるだろう」という考えがあることも否定はしませんし。
ただ単に、ぼくみたいな“THE無能”、“ライター界のZ戦士”にとって、フリーランスは不向きというだけです。
実力のある方、実力を伸ばしたい方にとっては、これほどやりがいのある働き方はないでしょう。
それに、フリーランスを経験すると技術だけではなく、精神的にも強くなれる気がします。
一度きりの人生ですから、興味のある方はチャレンジしてみてください!
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