今回は長くなりそうなので、いきなり本題です。
これを書いている“魔王”ことぼくは、出社するとすぐにYahooのトップニュースを閲覧します。それは当然、仕事のため。このコラムの題材を探すためです。
そして今日も、こんな記事を見つけました。
>DIAMOND online『「就活って嘘まみれですよね。『御社が第一志望です!』って言い疲れました」高学歴でも苦しむ新卒就活の落とし穴』
「『御社が第一志望です!』って毎回嘘をつくのは疲れました」就活中、口から息をするように嘘をつかないといけない場面がありま…
いやあ、いい記事です。書きたいことがたくさんでてきます。
ということで、今回のコラムは「就活って嘘まみれ?」、「面接で“すごいエピソード”って必要?」、「就職活動、転職活動の成功のコツは?」の3本です。ンガング。
就職活動に“嘘”は必要です!
まず、記事の序盤からこちらを引用します。
選考は嘘をつかないと通らないのか?
就活生と話していて、こんな相談を受けることがあります。
「『御社が第一志望です!』って毎回嘘をつくのは疲れました」
「他の就活生に勝るようなエピソードがありません。自己PRでは嘘をつくべきでしょうか?」就活では、嘘をつかないといけない場面が出てきますよね。でも、嘘ばかりつくのは気が疲れる人も多いのではないでしょうか。
過去に何度か書きましたが、ぼくは以前、勤めていた弱小出版社で、面接を担当していたこともあります。規模が小さい&自部署or自分の担当企画のみということもあり面接をしたのは50人くらいだと思いますが、「選ぶ側」も味わっていることに変わりはない…はずです。
逆に、過去に3度の転職も経験しています。当然「選ばれる側」の苦労も味わっています。直近では一昨年の年末、もうとっくに“おじさん”と呼ばれる立場だったので、それなりの苦労を……してないんですが、だからこそのコツみたいなのも書けるかなと思っています。
“嘘”をついた方がいい?
引用文をかんたんに要約するなら、面接で嘘をついたほうがいい? ってことですよね。
その答えは非常にかんたんです。YESです。それ以外にありません。
では、なぜ嘘をついたほうがいいのか。その答えもシンプルで、「社会生活では嘘をつくのが当たり前だから」です。
だって、皆さんもそうだったでしょう?
ある程度の自我が確立した高校・大学生活はもちろん、小中学校時代だって、みんなそれなりに嘘をついてきたはず。なんだったら、記憶には残っていなくとも、幼稚園・保育園時代だってきっと同じだったでしょう。
あなたもあなたの周りの人も、両親や先生も、コンビニやスーパー、飲食店の店員も、警察官や消防隊員も、政治家でさえも、そしてもちろんぼくも、人類の99.99999%は嘘をついて生きているんです。
悩んでいる方にこういう言い方がふさわしいとは思いませんが、あえて厳しく書きます。
記事のような悩みを持っている人は、本当は「嘘をつくのに疲れた」んじゃない。
「面接に落ちる自分への情けなさを“綺麗事”でごまかそうとしているだけ」です。
“嘘”が当たり前の世界になった理由
ぼくの言い方に嫌悪感を持つ方もいらっしゃるでしょう。
でも、絶対にそうなんですよ。少なくとも決して短くない時間を生きてきたおじさんのぼくは、過去に何度も嘘をついてきたし、つかれてきました。それが当たり前です。
ぼくの目には、それを“悪いこと”と受け止めてしまう、潔癖症とも言える考え方のほうが問題だと映ります。
だってね、人類全員が本音“だけ”で生きている世界を想像してみてくださいよ。世界中は戦争や強盗、性犯罪であふれますよ。
弱者はただ虐げられる。強者だけが自由を謳歌する。潔癖症の皆さん、そんな世界がお望みですか?
少なくとも、人類の大多数はそれを望まなかった。
だから「ルール」を作って人間の行動を制限し、「お金」を作って1つしかない“命”以外でやり取りができるシステムを構築したのではないでしょうか。
大事なのは就活という場面だろ!
「話の規模を大きくしてごまかしてんじゃねーぞ、このハゲ!」
そんな声が聞こえた気がしますので、場面を「就活」に限定しましょう。誰がハゲだこの野郎!
就活の場に限定しても、やっぱり嘘は必要です。
というか、人が嫌いがちな「嘘」という言葉を使うからいけないんですよ。ここで必要になる嘘って、要するに「気遣い」でしかないんだから。
求職者側だとあまり考えることがないでしょうけど、企業は求人活動に相当なマンパワーとマネーパワーをかけています。高校生や大学生、第二新卒あたりの方の想像は遥かに超えていると思っていいです。
それに面接官も貴重な時間を使って“あなた”を面接しているのです。
そんな状況で気遣いをしない人、できない人が、会社で周囲と協力しながら働けると思いますか?
もちろん、面接官も“あなた”に気を遣っています。
理由はどうであれ、多くの求人の中から自社を選んで、時間とお金を使い面接まで来てくれた求職者に対して、気を遣わないわけがないのです。
お互いがお互いを気遣う。だからこそ、100%の本音だけをぶつけ合うことは避ける。
社会人とか会社員とかよりもはるか手前、人間としての“常識”が問われているだけなのです。
「常に嘘をつけ!」ではない!
間違ってほしくないのは、面接対策として常に嘘で塗り固めておけ! と言っているわけではないんですよ。
就活という場、面接という場で必要なのは、何度も申し上げているとおり「気遣い」。
普段の生活にも気遣いが必要な場面とそうでない場面があるように、面接でも“必要なときに必要な気遣い”をしましょうねというだけなんです。
その分かりやすい例が「当社が第一志望ですか?」という場面。
面接官はその会社が好きで在籍していて、その結果として仕事ぶりや愛社精神を認められ、企業活動の根幹である面接を任されているはずなんです。
そんな方に向かって「いや、お前の会社が第一志望なわけねーだろ!」なんて伝える必要、ありますか?
本音を出していい場面もある
でも、1つだけ、気遣いする必要がなくなる瞬間があります。もちろん、就活の場面で、です。
それは、面接官が礼儀知らずで気遣いのできないクソ野郎だった場合。
ときどき、聞くじゃないですか。セクハラ的な質問されたとか、常に上から目線で聞いてきたとか。
そんな奴に対して礼儀を守る必要などありません。それに、そんな奴を大切な採用現場に置いている会社が、まともなはずもありません。外から見てどれだけ良さそうでも、入る価値はゼロと言っていい。
そんなときは、本音を思いっきりぶつけてやってください。
おまけ:クソ野郎相手への例文
クソ「ウチを選んだ理由は? 君の学歴で入れると思ったの?」
あなた「お前のような人でも働けている会社なので、低学歴の僕も楽して稼げると確信し、意欲がますます盛り上がっているところです! ちなみにどの大学を出られたのですか? え? ○○大ですか。学歴と人間性は反比例すると聞いたことがありますが、本当だったんですね。勉強になりました」
クソ「君、スタイルいいね。最終面接にミニスカートで来てくれたら合格させてあげるよ」
あなた「スマホで録音したいので、もう一度おっしゃってください。そうしたらその条件を前向きに考えてみようと思います。あ、ぜひとも個人的に連絡を取りたいので、フルネームと住所、電話番号を教えていただけますか?」
これ、自分で書いていて思ったんですが、いい例文じゃないですか?(笑)
“お前”という二人称も「本来は敬語だ!」と言い張れるし、録音の前に了承を取ろうとするなど、最低限の礼儀だけは守っているし。
それに、セクハラしてくる相手へ“(裁判のために)ぜひとも個人的に連絡を取りたい”なんて皮肉な返し方には、魔王くんの性格の悪さが存分に発揮されていますよね。どやぁ。
“すごいエピソード”は基本、不要!
もう1つのお悩みは過去の経歴や実績の紹介を求められて困るということでしょう。
ちょっと個人的な感想も混ざりますが、端的に言えば「すごいエピソード」なんて不要だと思います。
もちろん理由があってのことなので、このあと解説しますね。
エピソードがいらない理由:新卒・第二新卒編
新卒や第二新卒、そうでなくても20代で社会経験の浅い方だと、学生時代にどんな部活でどんな実績を残したとか、アルバイト時代にどんな立場でどんな経験をしたとか、そのあたりを「話さなきゃいけない!」って思うかもしれません。
でもね、安心してください。そんなのを重視する面接官はレアですから。
というのも、部活動って基本的に「好きなこと」じゃないですか。それを頑張れたからといって、「好き」だけじゃない仕事を同じように頑張れるとは限りません。それに、学生時代の部活動だと、努力だけじゃなく才能の影響も大きいし。
あと、アルバイトも同じくあまり意味がありません。アルバイトに求められるのは単純労働力ですが、いわゆる正社員でそれを求められるのは、せいぜい入社から1~3年めですからね。
ただ、どちらかと言えばアルバイト経験のほうがましかな。先ほども書きましたが、好きなことをがんばった部活動の成績よりも、“お金のため”にがんばったバイトのほうが多少は参考にされると思います。あくまで「多少」ですけど。
エピソードがいらない理由:中堅・ベテラン編
若手とは違い、中堅・ベテランともなると、ある程度の実績が求められます。そういう意味で、エピソードが必要だと思われがちかもしれません。
でもね、そんなの、職務経歴書と役職経験で分かっちゃうんですよね(笑)。
たとえばですよ。
役職経験のない方が自分の実績を(嘘のない範囲で)上手にアピールできたところで、あなたは採ろうと思いますか?
ぼくはちょっと怖いです。だって、仕事ができて実績もあるのに役職に就いてないなんて、「ぼくは人間性に問題があります!」って言っているようなものじゃないですか。
逆に、面接というライブな現場では上手にアピールできなくとも、職務経歴書には実績が丁寧に書いてあって、それに見合った役職経験まで持っていたら……口下手という弱点を補うだけの実力があるとより高評価になるかもしれません。
だから、ある程度のキャリアがある場合、職務経歴書と役職経験、そしてこのあと解説するもう1つの要素で、実力は判断できる。
結局、面接の場で無理やり「すごいエピソード」を話す必要なんてないんです。
そんなことより、履歴書や職務経歴書を丁寧に真剣に書き込むことのほうが、よほど大切だと思います。
とても大事な“もう1つの要素”
「じゃあ、なんで面接官は毎回、過去の経歴や実績を聞いてくるんだよ?」
そう思う方もいるでしょう。
それはね、先ほど書いた「もう1つの要素」を確認したいからだと思います。少なくとも、ぼくはそうでした。それが“論理的思考力”です。
かんたんに説明すると、
①何をしたのか
②途中経過はどうだったか
③最終的にどんな結果になったか
④そこから何を学んだか
⑤この会社でどう活かすのか
を確認したい!
ということですね。
①~③の因果関係がしっかりしている人は、最低限の論理的思考力を持っていると判断できます。
そしてそこからスムーズに④・⑤に繋げられる人は最低限の企業研究をしている。ということは、最低限の入社意欲も持っていると判断できます。
そのうえで、④と⑤が今、この会社で求めている要素であれば……ぜひとも合格させたい! と考えるのです。
トーク力がないから詰んだ…
もしかしたら、そういう方もいるかもしれませんね。
実際問題、話し上手な方は面接で有利です。どうしても「頭の回転が早い」と判断されがちですから。
でも、それはある種のヒューマンスキル。得手不得手があるし、かんたんに改善できるものではありません。
もし、あなたがトークが苦手だと自覚しているなら、ロジックを丁寧に組み立てておくことで対応してください。というか、それしかありません。
大丈夫。少なくとも“論理的思考力のない口だけ求職者”に騙されて、“口下手だけど論理的思考力がある人”を落とすような面接官はほぼいませんから。
もし相手が論理的思考力とトーク力、ともに優れた人だったら……そのときは素直にあきらめましょう(笑)。
自分の努力で補えない運不運なんて、気にするだけ無駄です。
まとめ:就活を成功させるたった1つのコツ
就活を成功させるには、気遣いが大事。そしてそういう場では論理的思考力が測られている。
それさえ分かれば、コツもお分かりでしょう。
“下手な鉄砲、数打ちゃ当たる”戦法はやめて、自然と気遣いできるような自分が本当にいいと思う会社だけを志望する。
そういう会社であれば、企業研究を進めたり、なぜその会社を選んで、その会社で自分は何ができるのかを考えたりすることも苦にならないはず。
これを一言にするなら、当たり前のことを当たり前にやりましょうねってこと。それだけですね。
先述のとおり、ぼくも3回、転職活動をしていますが、新卒で入社した会社を1年で退職した後、「いい加減、社会復帰しないと…」と焦りながら就職活動をしていたときは、何十社に応募したか分かりません。そして何十社からお祈りメールをもらったかも分かりません。
でもね、今振り返ると、それが当たり前なんですよ。だって、社会復帰だけが目的だったんだもん。その会社に入りたい、貢献したいという視点がなかったんだもん。そんな奴が送ってくる履歴書、誰も通しませんよね。
それとは反対に、自分の中で明確に目的・目標を持って転職活動をした2回は、どちらも本命の会社に一発で合格しています。
かなり年を重ねたおじさんで、大した実績も役職経験も持っていなかったぼくですらそうなんです。ぼくよりお若いであろう皆さんなら、きっと大丈夫なはず。
自分が好きだと思う会社・仕事、自分が入りたい・成長できると思う会社だけを選んで、素直な気持ちを面接官に伝えてください。そのときはきっと、自然に気遣いができるでしょう。そして気遣いしている自分に対して「嘘をつくのに疲れた」なんて自己嫌悪することもないはずです。
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