みなさん、こんにちは! ライター見習いの“品本 芽生(しなもと めい)”です!
ちょうど1年前までフリーターをしていた私は常々、疑問に思っていることがあります。
それは「フリーターの何が悪いの? 社会保険に入れるし、別にいいんじゃない?」ということ。
同じような疑問を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。
そんなわけで今回は「正社員のメリットとデメリット」について解説していきます!
私と同じような疑問を抱えている方や「そろそろキチンとしなきゃ」と迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
もちろん、そうじゃない方も見ていただけたら嬉しいです!
(次はあらすじという名の茶番です。飛ばしてもらって大丈夫です)
前回のあらすじ
「えへへ」
「キュ、キュン?(訳:芽生ちゃん、嬉しそうだね?)」
「やっと1つめの“知識のかけら”が手に入ったんだもん。これがあればレベルアップできる。そうすれば魔王さまの寵愛を受けられるはず!」
上司である魔王は酒と強くてかわいいモンスターをこよなく愛し、世にはびこる名ばかりの“WEBライターもどき”には厳しくあたった。
芽生も適当に言い繕うことができない生真面目さが災いし、余計な一言で魔王を怒らせていた。
「キュ、キュン? キュキュキュ?(訳:ねぇ、芽生ちゃん。私、ずっと思っていたんだけど、“知識のかけら”を集めて最強のライターになるって本当にいいことなのかな? その先に芽生ちゃんが望むような結末は待っているのかな?)」
「それは……」
北海道のウサギの言うことはもっともだった。
魔王から直接「真っ当なライターになれ」と言われたことはないし、そもそも自分が頂点に立ちたい魔王が、大勢いる配下の1人(匹)でしかないスライムに最強のライターになってほしいと考えるはずがない。
不安になった芽生は立ち止まり、空を見上げた。そこには重い雲が覆いかぶさっていた。
元フリーターのひとこと
毎回恒例のクソ茶番にブラウザバックせず、お付き合いいただきありがとうございます。
私は高校を卒業後に就職したブラック企業でパワハラを受け、心身ともに衰弱して退職。そこからは現在の企業に入るまでフリーターや派遣社員として働いていました。
フルタイムで働くことのほうが多く、その場合は給与も正社員と大差ないうえにボーナスまで支給されたり、その他社会保険にも加入できたり……正直、正社員にトラウマを持っていた私は「このままでもいいかな」と思っていました。
一方で、周囲から「絶対に正社員になったほうがいい」と言わると、悩んでしまったんですけどね。
正社員ってなにがいいんだろう?
ここまで強く推される正社員。
当時の私はそのメリットを感じられませんでした。というか、よく分かっていなかったんですよね。
なんなら、今でもなんとな~~~く分かるかなってくらいです。いやぁ、お恥ずかしい限り。
なので今回は、勇者Googleをこき使って「正社員のメリット」について調べてみました。
【正社員のメリット】
・安定した収入と雇用
・充実した社会保険と福利厚生
・キャリアアップの機会
・社会的信用度が高い
・転職に有利引用:Googleより
はい。
こちらが正社員のメリットとのことですが、私の知っている内容とは大方合っていたので安心しました。
ここからは上記5つを、私の考えも少し挟みながら解説していきます。
安定した収入と雇用
最初に、安定した収入と雇用。
ボーナスや手当の支給、無期雇用のため収入が安定し、安心して将来設計ができるというものです。
フリーターとは少しズレますが、派遣社員として働いた経験もある身としてはこれはかなり大きいです。
派遣社員は契約を更新してもらえなかったり、会社の経営状況の変化により期間中に契約を打ち切られたり、急に収入源がなくなる不安感が付きまといます。
さらに、ボーナスや通勤手当が支給されないこともあり、場所によっては仕事にかかる経費が高くつくことも。
一方、正社員はよほどのことがない限り解雇されることもなく、昇給や賞与、各種手当など収入面でも恵まれています。
なにより将来への不安感が少なく、同じ職場で長く勤めることができるのは最大のメリットではないでしょうか。
充実した社会保険と福利厚生
次に、充実した社会保険と福利厚生。
健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険などの社会保険に加入でき、会社が保険料の一部を負担してくれるというものです。
フリーターでも長期間かつ長時間、働くのであれば、社会保険には加入できます。
しかし、通勤手当などのシステムが用意されていない場合もあり、正社員と比べるとどうしても福利厚生の面は劣っていると言わざるを得ません。
実際、求人サイトなどを見ていてもアルバイト・パートよりも、正社員のほうが明らかに条件がよく、魅力的な内容になっていると感じました。
また、短時間のアルバイトを複数掛け持ちしているというフリーターさんの場合、社会保険には加入できないため、国民健康保険への加入が必須となってしまいます。
正社員であれば会社が一部、負担してくれるお金を、すべて自己負担でまかなうことになるので大変ですよね。
キャリアアップの機会
3つめは、キャリアアップの機会。
正社員になると大きなプロジェクトに関われたり、教育制度を利用して資格取得ができたりする機会があります。
これが派遣社員やフリーターだと、正社員と同じような仕事をしていても待遇や上司からの接され方が少し違います。
よく言えば“お客様”、悪く言えば“よそ者”というような感じで、どれだけ長い時間を過ごそうと深いところには立ち入れないのです。
また、資格取得支援制度を用いてスキルアップやキャリアアップが望めることも、正社員の魅力の1つだと思います。
フリーターだと全額、自己負担となってしまう資格でも、正社員なら会社負担で取得できることも少なくありません。
私たちは資格をタダで取得できて、企業側も社員が成長してもっと会社に貢献してくれるという、まさに“win-win”な関係性ですね。
何か成長したいと思っている方は、資格取得支援制度のある企業に正社員として就職することを考えてはいかがでしょうか。
社会的信用度が高い
4つめは、社会的信用度が高い。
収入が安定しているため、クレジットカードやローンの審査に通りやすくなるというものです。
実際、私が高校を卒業したての私が分割払いでスマホの機種変更をしようとしたところ、「就職先が決まっているから大丈夫だね」と言われたことがあります。
勤務経験のない未成年でも分割払い、すなわちローンが認められる。それだけ“正社員”というブランドは世間的に信用されているということでしょう。
そのブランドがないフリーターは、どうしても審査の際は不利になってしまいます。
何かを契約する際に大事なのは、本人の人となりや性格ではなく、信用度。
そういった世間からの認識を考慮すると、正社員のほうがライフステージの変化にも対応しやすいのではないかと思います。
転職に有利
最後に、転職に有利。
正社員はキャリアアップの機会が多いことから、転職にも有利と言われています。
ましてや、正社員として1つの会社で長く働いていた方であれば、その傾向は顕著なものとなるでしょう。
一方でフリーターや派遣社員の場合、就業期間にかかわらずスキルを疑問視されてしまいがち。
また、雇用期間が「無期」ではないことから転職を繰り返す人も増えるため、その意味でも不利になってしまいがちではないでしょうか。
ちなみに。
前述のとおり新卒で入社した会社を2カ月でスピード退社し、その後アルバイトや派遣会社を転々とした私の履歴書は、完全に“キズだらけ”そのもの。
当然、書類選考で落とされまくった過去を持っています。
「こんなに転職してるなら、うちもかんたんに辞めるのかな」と思われたのでしょうね。ぐうの音も出ません。
“魔王”さんが拾ってくれなかったら、私は今、どこで何をしていたのでしょうか。
正社員にだって悪いところはある!?
「ちょっと待てよ! 正社員にだってデメリットはあるんじゃないか?」
そう思った方、まさにその通りです!
フリーターのままがいいと思う人がいるという背景には、正社員のデメリットがあるのではないか。
そう考えた私は、“シゴデキ”勇者さんにもう一回働いてもらうことにしました。
【正社員のデメリット】
・異動や転勤の可能性
・長時間労働や責任の増加
・働き方の自由度が低い
・副業が制限される場合がある
・人間関係の固定化引用:Googleより
はい。
元フリーターの私から見ても「あ~、分かる」と全力で頷いてしまう内容でした。
もはや、解説の必要もないのでは? なんて思いましたが、上記5つのデメリットを無くす方法も考察しながら解説していきます。
異動や転勤の可能性
最初に、異動や転勤の可能性。
人員調整や会社の都合で、本人の希望しない異動や転勤を命じられるというものです。
大手や中小に関係なく、全国に支社のある企業の場合、市外や県外など遠くの支社に転勤になったという事例は少なくありません。
企業選びの条件の中に「自宅から通いやすいから」という理由があった方には、転勤はデメリットでしかありません。そうでなくても引っ越しってめんどくさいですからね。
会社の意向に背くことは難しいので、就活の際には転勤の有無についてもしっかり下調べしておくといいかもしれません。
まぁ、派遣社員にも異動というか、派遣先の変更はつきものですけどね(遠い目)。
長時間労働や責任の増加
次に、長時間労働や責任の増加。
任される仕事の責任が重くなり、担当業務の量が増え、残業や休日出勤を事実上、強制されることがあるというものです。
毎日1時間程度、残業があるという企業は少なくありません。
正社員の求人の多くには月間平均残業時間が書かれていますが、何十時間も残業をするなんて考えたくもありませんよね。
新入社員のうちは定時に帰ることができる企業も多いですが、年数を重ねるごとに仕事の量が増えて残業時間も多くなりがちです。
こればかりは避けようがないので諦めるしかないですね。残業がんばろう。
働き方の自由度が低い
3つめは、働き方の自由度が低い。
長期的に同じ企業で勤務することが前提のため、勤務時間や休暇の取得が就業規則に沿ったものとなり、自由度は低くなるというものです。
安定した待遇がある代わりに同じ曜日や時間に働く。当たり前のことかもしれませんが、自由に働けるフリーターと比べると少し窮屈ですよね。
このデメリットを無くす方法としてはフレックスタイム制の企業や、完全週休2日制かつ自由シフト制の企業で勤務すること。
1日8時間程度という勤務時間は変わりませんが、「固定の曜日や時間で働くのはちょっとな……」という方は、ぜひ一度調べてみてください。
副業が制限される場合がある
4つめは、副業が制限される場合がある。
会社によっては副業が禁止されている場合があり、収入源を増やす手段が限られるというものです。
中には「会社に隠れてWワークをしている」という人もいるかもしれませんが、企業側にバレたときのリスクを考えるとおすすめはできません。というか、バレます。確実に。
しかし、物価の上昇が進んでいる現代。Wワークをしないと生きていけないという方もいるでしょう。
その場合は、就活時に「副業OK」と書かれた求人に応募すれば、企業側に隠れることなく堂々と副業ができますよ。
ぜひ、参考にしてみてください。
人間関係の固定化
最後に、人間関係の固定化。
正社員だと転勤がない限り、同じ職場で人間関係が続くため、悩みを抱えてもすぐに解決できない可能性があるというものです。
実際、私が最初に勤めた企業では、私と同期は揃って先輩方から“いじめ”を受けていたのですが、、上司に相談しても知らぬ存ぜぬ。このトラウマから、「人間関係の固定化」が一番恐ろしかったんですよね。
私の事例は特殊かもしれませんが、人間関係の問題はどの職場でもついて回ります。そこから逃れる方法は残念ながらありません。
でも、身体的にも精神的にも「限界だ」と思ったら、転職という手段があります。
今の環境が苦しいと思ったときは、転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
“運命の企業”は実在する!!!
ここまで正社員のメリットとデメリットを解説してきましたが、私は「みんな、正社員になろう!」と言いたいわけではありません。
正社員ならではのメリットを踏まえても「フリーターのほうがいい」という方はフリーターとしてがんばればいいと思っています。
アルバイトでもパートでも派遣社員でも、自分が輝ける環境で経験を積み重ねてください。
雇用形態や勤務の期間は関係なく、そこで培った経験は絶対にムダになりません。
「いいな」と思った企業が見つかったときに正社員になればいいのです。実際、私もそうして現在の企業に出会いました。
企業との出会いは一期一会。今はいい企業がないとしても、“あなた”を必要としている企業に出会う日がきます。
その日まで、スキルを磨いて求人を探しましょう。
このコラムを読んで「正社員になってみようかな」と思ってくれた方は、『ジョブリット』で求人を探してみてください。
私のように“運命の企業”に出会えるかもしれませんよ。
後日談
重い雲から雪が舞い落ちてきたころ。
あれから2日が経ったものの、芽生の身体は木陰から動かなかった。いや、動けなかった。
心配を悟られまいと、明るく優しい声で北海道のウサギは尋ねた。
「キュン、キュン?(訳:芽生ちゃん、大丈夫?)」
ウサギは芽生の小さな身体に寄り添い、いてつく夜でも凍えないように温めてくれていた。
その優しさが冷え切った芽生の心をゆっくりと溶かしてくれた。
ようやく芽生が口を開いた。
「ずっと考えてたんだ。最強のライターになったところで、本当に魔王さまに大切にしてもらえるのか」
か細い声でポツリポツリと話し続ける。
「分からなかった。私は魔王さまを尊敬してるけど、もし私が最強になったら魔王さまにとって邪魔な存在になるかもしれない」
「キュン……(訳:芽生ちゃん……)」
「それに、転生してもスライムのままだったとはいえ、前世とはレベルもスキルも違う。もう、私だって気付いてもらえないかもしれない」
はたから見れば、みんな同じ姿形をしているように見えるスライムだが、それぞれの個体を識別できるように魔王から“固有スキル”を与えられているのだが、その固有スキル・『生真面目』は転生とともに消え失せていた。
芽生を芽生だと見極める手段は、なぜか残っていたゆるキャラとの“友情パワー”だけなのだ。
「だけど、もういいんだ。私はそれでいいんだ」
「キュ?(訳:え?)」
「“ライター界の頂点に立ち、すべての物書きを屈伏させる”という魔王さまの最終目標のお手伝いができるなら、私を私として見てもらえなくてもいい。それに最強になったときのことなんて、なってみないと分かるわけないもんね」
吹っ切れたように芽生は言葉を繋ぐ。
「なんてムダなこと考えてたんだろうね」
そう笑いながら問いかける芽生につられて、ウサギも笑った。
いつの間にか雪は止んでいた。
「さぁ、次のかけらを探しに行こう!」
「キュン!(訳:うん!)」
笑顔でうなずきあい、2人(匹)は歩き出した。そして雪道には真新しい足跡だけが残された。
降り続ける雪が足跡を隠しても、2人(匹)の熱い想いが消えることはなかった。
\学歴・経験不問の求人は/ \『ジョブリット』で検索/ |