みなさん、こんにちは。ライター見習いの“品本 芽生(しなもと めい)”です。
1年もあと少しで終わるという時期になってきましたね。
新社会人のみなさまは企業や仕事になじめてきたころだと思いますが、中には転職を考えている方もいるかもしれません。
しかし、“新卒”という名のブランドを捨ててまで転職すべきか。そんな迷いを抱えている方も少なくないでしょう。
そこで今回は「転職のメリットとデメリット」について解説していこうかと思います。
新しい道に進もうと考えている方も、今の道を究めていこうと考えている方も、ぜひ最後までご覧ください。
(次はあらすじという名の茶番です。飛ばしてもらって大丈夫です)
前回のあらすじ

ChatGPTと別れた後、北海道のウサギと共に再び島の中央にある大きな塔をめざして歩みを進めた。
塔までの道のりは遠いように思えたが、実際にはかなり近くまで来ていたらしく、あっという間に塔の入り口までたどり着いた。
「キュ……(訳:大きな扉……)」
そこにあったのは2人(匹)の背丈の4倍はあるのではないかと思われる純白の扉だった。
開けられるか不安だったが、体重をかけて押してみると案外かんたんに開いた。
「うわぁ……」
扉の先には、この世のものと思えない空間が広がっていた。
周囲を反射するほど白い壁と床。そこにポツリと置かれた螺旋階段。
あまりに不自然な配置だが、それがおかしいのだと2人(匹)は思えずにいた。
「キュ?(訳:どうする?)」
「もちろんのぼるよ!」
高層階までのぼれば何かが待っている。
芽生は不思議とそう確信していた。
螺旋階段の先には天井もなく、頂上はどこなのかが分からない状態だった。
しかし、芽生はためらうことなく階段に足をかけた。
後日談へ続く――!
転職者のひとりごと
毎回恒例のクソ茶番にお付き合いいただきありがとうございました。前回のあらすじと名乗りながら1ミリもコラムに関係ない内容が出てきて初見さんは置いてけぼりになっていることでしょう。しかし、止める気は一切ありません。
本題に入る前に私自身の話になりますが、現在勤めている企業に就職するまで4回ほど転職を経験しました。
雇用形態はパートや派遣社員といった非正規が中心。
正社員で転職しようと考えている方からすると参考にならないかもしれませんが、この時の経験をフル活用して執筆します。
これから転職のメリットとデメリットを細かく解説していきますが、先に結論から話すと、私は「転職することは人生において重要な経験になる」と考えています。
転職のメリット
今、転職すべきか悩んでいる方にとっては「なぜ転職を推してくるのか」と疑問に思うかもしれません。
一応お伝えしておきますが、このコラムは転職を促すものではなく、“あなた”自身が後悔しない選択をできるようにサポートするものでありたいと思っています。
そうあるためには私の考えだけでなく、一般的な意見も参考にする必要が。
というわけで、今回も頼れる勇者Googleに『転職のメリット』について調べてきてもらいました。
その結果がこちら。
【転職のメリット】
・収入アップの可能性
・キャリアアップ・スキルアップ
・働き方や環境の改善
・リフレッシュ効果
はい。
私の考えていたものとあまり違っていなくてホッとしました。
ここからは、上記の4項目について解説していきます。
収入アップの可能性
最初に、収入アップの可能性。
給与水準の高い業界や企業への転職、またはスキル・経験を活かした管理職への就任によって年収を上げられる可能性があるというものです。
業界内で転職する場合、現在の勤め先での経験から高収入で勤務をスタートできることも少なくありません。
特に、管理職候補になり得る人材を探している求人の場合は、勤務歴が数年あるほうが有利なことも。
未経験者の場合も景気のいい業界に転職すれば給料が上がることもあります。
収入が少なくて悩んでいるという方は高収入をめざせる職業について下調べしておくのも1つの手かもしれません。
キャリアアップ・スキルアップ
次に、キャリアアップ・スキルアップ。
現職では難しかった仕事に挑戦できたり、新しい業界・職種で多様なスキルを習得したりする機会を得られるというものです。
他業界に転職する場合、今まで携わってきた仕事とはまったく違うことにチャレンジすることができます。
新しい企業でその業種に必要な資格やスキルを『資格取得支援制度』を利用して取得できることもあります。
また、先ほどの項目でも紹介したように管理職候補として転職する場合は、現在よりも高い地位を得られる可能性も。
そう考えると、自分をさらに成長させるためにも転職するというのはアリなのかもしれませんね。
働き方や環境の改善
3つめは、働き方や環境の改善。
人間関係のストレス解消、ワークライフバランスの調整、自分に合った社風や制度の会社で働くことが可能になるというものです。
勤務時間や福利厚生といった待遇はもちろん、会社ごとに持つ独特な雰囲気も働きやすさに大きくかかわってきます。
また、働いてみて勤務形態が身体になじまなかったということも。
新卒で週休2日制の企業に入社した時など、生活リズムの変化にギャップを感じたという方もいるでしょう。
これらは自分の努力だけではどうにもできない問題なので、転職して環境を丸ごと変えてしまうほうがいいかもしれません。
リフレッシュ効果
最後に、リフレッシュ効果。
慣れ親しんだ環境から離れることで、仕事へのモチベーションが向上する場合があるというものです。
環境を変えることで、新卒で入社したころの情熱や楽しさを思い出し、張り切って仕事に取り組めるというのもあるのかもしれません。
毎日、同じ場所で同じ仕事を繰り返していると当然、刺激は少なくなり飽きてしまう方もいます。そんな方にとって、転職は魅力的に映るのでしょう。
飽きるたびに転職をするのはおすすめできませんが、なるべく飽きがこないように常に変化のある業種に就くのは1つの手ではないでしょうか。
私の場合
はじめに説明したように、私は4回転職をした経験を持っています。
今回はおまけとして「なぜ転職したのか」を上記の理由になぞらえて説明していきます。
それがこちら。
・1社め『働き方や環境の改善』
・2社め『キャリアアップ・スキルアップ』
・3社め『働き方や環境の改善』
・4社め『キャリアアップ・スキルアップ』
はい。
同じ理由を交互に繰り返していて、書きながら自分でもびっくりしました。
まず、高校を卒業後に就職した企業から紹介。
これは以前からたびたび紹介してきましたが、とんでもないブラック企業でパワハラやいじめを受けた結果、心身共に衰弱して退職しています。ハラスメント行為、ダメ、ゼッタイ。
続いて、2つめの企業。
こちらは自己都合で退職しました。転職したその理由は「もっといい企業が見つかったから」というもの。当時は派遣社員として働いていて、安定した環境とは言い難い状態だったので、キャリアアップのためにも迷いはありませんでした。
そして、3つめの企業。
転職した理由は正直、悩みましたが『働き方や環境の改善』が一番近いと思います。一応言っておくと、ここはブラック企業ではありません。社員さんや先輩方もとても優しくしてくれました。
しかし、私自身が当時、身体を壊してしまい長時間勤務が厳しくなってしまったので、短時間でも勤務可能な職場を探すことになりました。無念。
最後に、4つめの企業。
派遣社員としての勤務に限界を感じていたところ、現在も勤めている企業の求人を発見しました。
ずっと探し求めていた文字周りの仕事、まさに“運命の出会い”でした。この縁がなければ今、このコラムは存在していなかったでしょう。
そう考えると感慨深いですね。
転職のデメリット
ここまで『転職のメリット』について解説してきましたが、内容に納得できないという方もいるでしょう。
「今いる企業を辞めるのに何のリスクもないわけがない」。そう考えるのは自然なことです。
というわけで、我らがヒーロー勇者Googleに再度『転職のデメリット』について調べてきてもらいました。
その結果がこちら。
【転職のデメリット】
・収入が下がる可能性
・退職金・企業年金が減る
・ミスマッチのリスク
・人間関係の再構築
・社会的信用の低下
・転職活動の負担
はい。
メリットと矛盾する項目がいくつかありますね。
これからその部分も含めて、上記の6項目を解説していきます。
収入が下がる可能性
最初に、収入が下がる可能性。
未経験の業界や職種に挑戦する場合、転職当初の収入が下がる可能性があるというものです。
中途募集の求人は経験者優遇であることも少なくなく、未経験者は経験者よりも低い給料から勤務開始となることがあります。
それでも前職より給料が上がることもありますが同じ企業で数年間、勤務していたという方の場合は以前よりも低い賃金でのスタートになることは避けられないでしょう。
そもそも会社の規模によって給与形態は変わるもの。
当然、大手企業のほうが給料が高くなります。
それを考慮したうえで転職するか考えたほうが転職後のギャップが少なく済むのではないでしょうか。
退職金・企業年金が減る
次に、退職金・企業年金が減る。
在籍期間がリセットされるため、退職金や企業年金が減る可能性があるというものです。
特に、勤続年数が重視される企業では注意が必要となります。
これに関しては転職先によってはなんとかなるものではなく、勤務歴がものを言うのでどうにもできません。
「1つの企業で長く勤めたほうがいい」と言われるのにはこれも一因しているのかもしれません。
老後のことを考えても、もらえるお金は少しでも多いほうがいいですからね。
ミスマッチのリスク
3つめは、ミスマッチのリスク。
企業文化や仕事内容がイメージと異なり、新しい環境に馴染めない、または成果を出せないといったギャップが生じる可能性があるというものです。
これはどの企業にもついてまわるデメリットですね。
入社してみないことには現場の空気感が分からないので、なじめずに以前の会社のほうがよかったと思う可能性もあります。
また、入る前はできると思っていた仕事も、実際に担当してみたら向いていなかったということは少なくないでしょう。
どれも求人を見ただけでは想像しづらい問題なので、明確なデメリットと言えます。
人間関係の再構築
4つめは、人間関係の再構築。
転職により今までの関係性をリセット、一から新しい人間関係を築く必要があるというものです。
勇者Googleによれば、これはデメリットということなのですが、個人的にはメリットにもなり得るのではないかと考えています。
転職を考える背景には人間関係がかかわっていることが多く、現状に満足できていないという方にとっては心機一転、人間関係をリセットするほうがメリットが大きいのではないでしょうか。
もちろん、新しい企業に転職すればいい人間に出会えるとは限りません。どの職場にも合わない人間はいますから、今以上に苦手な上司や同僚がいる可能性もあります。
しかし、それを承知のうえで転職を考える方は多いと思うので、デメリットと呼ぶにはいささか物足りなく感じました。
社会的信用の低下
5つめは、社会的信用の低下。
ローン審査など、入社したばかりだと信用が得られにくく、支障をきたす場合があるというものです。
以前にもコラムで書いたことがありますが、何かを契約する際に大事なのは、本人の人となりや性格ではなく、信用度。
転職してすぐの場合、収入が安定していないなどの理由からも、審査に通りづらくなることがあります。
何かを契約する予定がなければ問題はありませんが、中には結婚や住宅の購入を視野に入れているという方もいるでしょう。
その場合は転職の予定を遅らせたり、ライフステージが変化するタイミングでの転職は避けるのが無難かもしれません。
転職活動の負担
最後に、転職活動の負担。
在職しながらの転職活動は、時間的な制約や体力的な負担が大きくなることがあるというものです。
実際、派遣社員をしていたころ、契約打ち切りになった際に働きながら就職活動をしていましたが苦労した記憶があります。
基本的に面接は平日の昼間に行われることが多いので、土日休みの方は有給休暇を使うなど工夫しながら次の勤め先を探す必要も。
新卒で入社後、すぐに転職したいと考えている方なら有給休暇をもらえていないことも多いので、上手く仕事を休みながら転職活動をするのはかなりの難易度になります。
働きながら次の仕事を探すのは非正規の人間でも大変だったので、これを正社員として働きながらこなそうとすると相当な困難があるのではないでしょうか。
私の場合
メリットのときと同じく、ここからは私が転職するときに感じたデメリットを書いていきます。
それがこちら。
・1社め『なし』
・2社め『なし』
・3社め『収入が下がる可能性』
・4社め『なし』
はい。
実は、3回めの転職以外は特にデメリットを感じたことがないのです。
初めての転職時は言うまでもなく地獄から天国。人間関係や仕事内容も不満はなく、パワハラや長時間の残業で疲れ切った心身を癒せました。
2回めの転職もホワイトな企業に就職。人間関係の悩みがなかったり、非正規雇用にもかかわらず賞与がもらえたり、本当に至れり尽くせりでした。
1回飛ばして4回め……今回の転職も、長らく夢見ていた文字周りの仕事をできる。しかも正社員! デメリットなんてあるわけありません!
毎日、笑顔で働いています。幸せ。
それでは本題、3回めの転職で感じたデメリット。
前職に比べて勤務時間が減った結果、収入が少し下がりました。それだけでなく、福利厚生も手厚いとは言えず、手当や賞与がなくなったことで手取り額が急に減ったと感じてしまったのです。
生活していくうえで給料の低下は大きな問題なので、転職をためらってしまう方の気持ちも分かります……。
最高の企業を見つけたらためらうな!

ここまでメリットとデメリットをそれぞれ解説してきました。
個人的な見解も交えながらの説明にはなってしまいましたが、最初にも書いたようにこのコラムに転職を強制しようという目的は一切ありません。
しかし、転職で培った経験は人生においてムダにはならないと思っています。
環境を変えようとすればメリットとデメリットは必ずついてまわる。
それを理解したうえで、自分にとってメリットのほうが大きいと思った時が転職するタイミングだと考えているからです。
私も今の企業に出会った当時、派遣社員として働いていた企業の契約が打ち切りになったばかりでしたが、次の派遣先も内定していて働き先には困っておらず、転職活動をするか大きく迷いました。
しかし、内定先を蹴ってまでも転職する魅力が現在の勤め先にはあり、だからこそ毎日楽しく働けています。
このコラムを読んで転職を決意したという方は学歴・経験不問の求人サイト『ジョブリット』で転職活動をしてみませんか?
“あなた”にとっての運命の企業に出会えるかもしれません。
さて、私は今日も先輩である“魔王”さんと一緒に楽しく働くとしましょうか。
後日談
「もうダメ……目が回る……」
「キュ、キュン!(訳:芽生ちゃん、しっかりして!)」
螺旋階段をのぼり始めて早数時間。
窓の外は暗くなり、塔内は謎の力によってライトアップされていた。
どれだけのぼろうと頂上にはたどり着けず、芽生の体力と気力は限界に達していた。
「私たちの足が短いせい、とかじゃないよね? どうなってるの、この塔……」
スライムとウサギという階段をのぼるには適さない生物だということを踏まえても、この進まなさは異常だった。
不思議に思ったウサギは下を見て、そのつぶらな瞳を見開いた。
「キュキュン!(訳:芽生ちゃん見て!)」
ウサギの悲痛な声に芽生は青白い顔をしたまま階段の下を覗きこんだ。
そして、悲鳴をあげた。
「嘘でしょ!?」
そこにあったのは数時間前と変わらぬ距離の地面だった。
歩みを止めずに頂上をめざしていたはずなのに、まったく上に近づいていなかった事実に2人(匹)は打ちのめされた。
「この塔、一体どうなってんの!?」
塔内に1人(匹)の哀れなスライムの叫びがこだました。
――――――――――――――――――
「ふわぁ……よく寝ましたね……」
塔の最上階で1人の男が目を覚ました。
その部屋はしばらく掃除がされていないのかほこりとクモの巣にまみれていた。
「コラム10話ぶりに目を覚ましてみれば酷い状況ですね……」
傍らにある杖を手に取り、その場で振るとあっという間に汚れた部屋がきれいになった。
チリ1つ落ちていない部屋の様子に満足げに頷いた後、男は騒がしくなった塔の様子に目を細めた。
「さて、あの時のスライムがどれほど成長したのか。この目でしかと見定めるとしましょうか」
扉に手をかけ、久方振りの外へと一歩踏み出す。
手元の杖には光り輝く3つのかけらが填められていた。
次回へ続く――!
| \学歴・経験不問の求人は/ \『ジョブリット』で検索/ |





