『社畜』。インターネット上はもちろん、日常生活でもよく聞く言葉です。
では、「社畜」とはどんな意味なのか。どのような人を指すのか。
そしてどんな人が「社畜」になりやすく、そこから抜け出すにはどうしたらいいのか。
それらを分かりやすくかんたんに解説します!
もしかすると、気づかないうちに“あなた”も周囲から、「社畜」と呼ばれているかもしれませんよ!!
どんな人を指す?「社畜」という言葉を徹底解説!
「社畜」は、当然ながら公式の用語ではありません。そのため厚生労働省などによる定義もありません。
しかし、Wikipediaにもページがあるほど、広く一般化してしまった言葉でもあります。
そのWikipediaによると、社畜の概念は下記のとおりです。
社畜(しゃちく)とは、主に日本で、社員として勤めている会社に飼い慣らされ、自分の意思と良心を放棄し、サービス残業や転勤もいとわない奴隷(家畜)と化した賃金労働者の状態を揶揄、あるいは自嘲する言葉である。
(引用:Wikipedia『社畜』)
まずはこの言葉を深堀りしてみましょう。
「社畜」の意味は?
一般的には、長時間労働や低賃金労働を強いられている人に対して使う「社畜」。
デジタル大辞泉(小学館)によると、こんな意味だそうです。
《会社に飼い慣らされている家畜の意》会社の言いなりになって、つらい仕事でも文句も言わず働いている会社員を、皮肉を込めてからかう語。
(引用:Goo辞書『社畜』)
辞書に『皮肉を込めてからかう語』と書かれるほどなので、使用を避けたほうが無難な言葉だと言えるでしょう。
「社畜」と似ている言葉は?
よく、海外の人から「働きすぎ」と言われる日本人。そんな日本人ですから、昔から「社畜」と同じような言葉が多数存在しました。
たとえば高度経済成長期に流行語となった「企業戦士」。
海外の人たちがそんな日本人を評した「エコノミックアニマル」。
そして、アルコール中毒をもじった「ワーカホリック」。
これらはすべて“家庭より仕事を優先する人を指す言葉”だと言えるでしょう。
ただし、これらの言葉は「労働者が自分の意思で積極的に仕事をしている」というニュアンスが強く、馬鹿にした言葉とは言えません。
そういう意味でもっとも近い言葉は「Wage slave(賃金の奴隷)」かもしれません。
近年生まれた「バ畜」とは?
2020年代に入ってから、「社畜」のアルバイト版とも言うべき「バ畜」が生まれました。
こちらは
・急に予定外のシフトを入れられる
・学業の都合を考慮してくれない
・ワンオペや長時間労働の強制
といった、“ブラックバイト”先で働く学生・フリーターを指す言葉です。
ただ、「社畜」とは大きく異なる点があります。それは対象が学生を中心とする若者が多いためか、労働者に同情的なこと。
とはいえ、望まない労働時間/環境で働かされていることは事実。この言葉がこれ以上広まらないことを願わずにはいられません。
いわゆる“昭和脳”に注意!「社畜」を生み出す会社の特徴!
社会人であれば誰もが避けたい「社畜」化。これを防ぐためには、どんな企業で働くと危険なのかを知る必要があります。
ここでは「社畜」を生み出す企業の特徴を紹介します。
ちなみに、この条件はいわゆる“ブラック企業”とほぼ同じ。
下記記事ではブラック企業を特集していますので、そちらもぜひご参照ください。
長時間残業が常態化している
一般的に「社畜」と呼ばれてしまう人々は、長時間の残業が常態化しています。
では、どのくらいの残業時間を“長時間”と呼ぶのか。
厚生労働省が発表している「毎月勤労統計調査(令和5年分)」によると、月ごとの平均残業時間は13.8時間。平均出勤日数は19.5日なので、1日あたりの残業時間は約42.5分となります。
ここから見ると、一般的に1日の平均残業時間が1時間を超えれば多め、2時間を超えると社畜と言えるかもしれません。
ただし、これはあくまで“常態化”している場合のみ。繁忙期のみ長時間の残業が発生するのは、仕方ないことでもあるからです。
残業代が支払われない
残業の(事実上)強制だけでも「社畜」と呼ばれるでしょう。そのうえ、その賃金が支払われないのであればなおさらです。
そもそも2019年に施行された“働き方改革”で、時間外労働は「月45時間まで」かつ「年間360時間まで」と上限が定められました。
しかし、中にはタイムカードを切らせることで見た目上の数字を限度内に収める会社もあります。
当然、タイムカードを切ったあとは、残業代も支払われないでしょう。
本来もらうべき残業代を払わず働かせるのは、いわゆる「やりがい搾取」にあたります。
いわゆる“サービス残業”を労働者に強要する会社が「社畜」を生み出すので、注意が必要です。
不当な賃金で働いている
労働時間と並んで「社畜」の主要な構成要件と言えるのが、賃金。正当な報酬を支払わずに働かせる会社も、「社畜」製造工場と言えるでしょう。
・すでに述べた残業代をはじめ、各種手当がない。もしくは著しく安い。
・基本給が安く、能力給など低額的に支払われる手当が高い。そして、そのせいで賞与が安い。
・会社主催の勉強会や懇親会に自腹で参加させられる。
こういった特徴を持つ会社は要注意と言えるでしょう。
注意:給与について
常識的な金額よりもはるかに安い給与で働いていることも、「社畜」と呼ぶかもしれません。
しかし、“常識的な金額”がいくらなのかを定めるのは困難です。
たとえば、「民間給与実態統計調査結果(令和4年分)」という国税庁の調査では、正社員として1年間働いた日本人の平均年収は523万円とのこと。
しかし、単純にこの数値を下回れば「社畜」かというと、そうではありません。役職や勤続年数はもちろん、業種・業界、雇用形態によって、賃金は大きく変わるからです。
同規模の同業他社で働く同世代の年収と、冷静な視点で比較する必要があるでしょう。
休日の出勤や懇親会への参加を強制される
世の中にはさまざまな職種があります。中には休日出勤が必要な仕事もあるでしょう。
また時代遅れと言われても、慣習的に取引先との懇親会を避けられない業界もあるでしょう。
これらがあるから即座に「社畜」だとは言えません。
しかし、それを“断れない”のであれば話は別です。
特に、休日出勤や懇親会への参加率によって人事考課が変わるようであれば、注意すべき企業だと言えるはずです。
めざせ“NOと言える日本人”!「社畜」になりやすい人の特徴!
ここでは逆に、「社畜」になってしまいやすい人の特徴を紹介します。
下記の特徴に当てはまるという方は、就職先の選定により気を付けてください。
真面目な方
「真面目」にもいろいろと種類があるでしょうが、特に注意していただきたいのは“自分よりも会社を優先してしまう”人。
「自分が休んだら同僚に迷惑がかかるかもしれない」
「上司の期待に応えないと申し訳ない」
つい、そう考えてしまう方は、結果として「社畜」のような働き方をしてしまっているかもしれません。
NOと言えない方
“NOと言えない日本人”という言葉が一般化するほど、断るのが苦手な日本人。それは悪いことばかりではなく、日本人の美徳でもあります。
しかし、上司や同僚からの頼まれごとに対して“NO”と言えないとなると、「社畜」になってしまう危険が高まります。
会社に都合よく使われることのないよう、いやなことは必ず“NO”と伝えましょう。
評価を気にする方
労働者であれば、会社や上司からの評価は気になるもの。しかし、残業や休日出勤を断れないほど評価を気にしてしまう人は、「社畜」になりやすいと言えます。
いい仕事をするためには、いい休暇が必要不可欠。本当に評価を気にするのであれば、“量”だけではなく“質”を高めることを意識しましょう。
趣味のない方
最後に紹介するのは一見、仕事とは関係なさそうで重要なポイントです。
趣味に時間をかけたい人であれば、仕事を早めに終わらせたいと思うもの。しかし、趣味を持たない人はだらだらと残業をしてしまったり、休日出勤をしたりしてしまいます。
趣味は仕事に対するモチベーションを高めるうえに、ストレス発散にも繋がります。質の高い仕事をするためにも、真剣に向き合える趣味を見つけることをおすすめします。
まとめ:仕事とプライベート、どちらも大切にしよう!
本記事は、仕事よりプライベートが大事だと言いたいわけではありません。
人生において“仕事を優先すべきタイミング”もあるでしょう。
また、昇進や昇給をめざすために、会社に貢献したい。それも社会人として正しい心がけだと思います。
しかし、それが度を越してしまうと、「社畜」と呼ばれてしまうかもしれません。
こういったものは、自身の感覚はあまりあてになりません。自分ではそう思っていなくても、周囲には「社畜」と映る。そこには必ず、なにかしらの原因があります。
もし、友人から「それじゃあ、社畜みたいだよ」と言われてしまった場合は、一度立ち止まって振り返ってみましょう。
また、「社畜」の自覚がありながら、どうしても改善できない方もいるかもしれません。そんなときは思い切って転職を検討するのも、1つの手段ではないでしょうか。
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