前回は、面接で出題されるトリッキーな質問に隠された意図と、上手に対応するための心構えを解説しました。
この質問に何の意味があるの? 面接ではそういったトリッキーな質問も出題されます。今回は一見、業務に関係なさそうな質問を面…
そこでも告知したとおり、今回は実際に面接で出題された、一見業務や能力とは関係なさそうな質問を7つ、紹介いたします。
今回は質問の裏側に隠された意図にくわえて、具体的な回答例もご紹介いたします!
・質問のほとんどは「回答」よりも「理由」が重要
・業務に結び付ければ回答しやすく評価も受けやすい
・常に謙虚な姿勢を忘れなければさらに好印象!
実際にあったトリッキーな質問7選
今回紹介する質問は、実際に面接で出題されたものの中でも、特に聞かれることの多いもの。
つまり、「トリッキーな質問」の中では比較的、対策しやすいものばかりです。
回答例も掲載しますが、出題の意図を把握してうえで、自分流にアレンジしてお答えください。
・もし100万円もらったら、何に使いますか?
・無人島に1つだけ持っていけるなら、何を選びますか?
・ドラえもんのひみつ道具のうち、1つだけもらえるなら何を選びますか?
・面接会場までの所要時間と経路を教えてください
・自分にキャッチコピーをつけてください
・あなたの考える理想の上司とはどんな人ですか?
・今日の面接を採点するなら、何点ですか?
もし100万円もらったら、何に使いますか?
今回紹介する質問の中でも、もっとも頻繁に聞かれる質問ではないでしょうか。
この質問には、応募者の価値観を確認したいという意図が隠されています。
そのお金で何をするのか。その理由は何か。そもそもあなたにとって100万円とはどれくらいの価値なのか。
理由を明確に説明できるものであれば、絶対に避けたほうがいい回答は特にありません。ただ、あなただけが得をするものよりも、家族や友人、恋人などと共有できる使い道のほうが、好まれる傾向にあるでしょう。
回答例
お恥ずかしい話ですが、私はこれまで一度に100万円というお金を手にしたことがありません。そして今後もそれほどの大金を自由に使える機会は少ないと思います。
そういう貴重な機会ですから、これまで育ててくれた両親と一緒に過ごしたいです。もちろん両親に楽しんでもらいたい、感謝を伝えたいというもあります。同時に、父親が就職したときの話やその後の苦労をじっくり聞ければ、今後の自分の糧になるとも思います。
就職前のこういう時期だからこそ、両親が新婚旅行をしたヨーロッパを一緒に回って思い切り楽しんで、同時に気持ちを引き締めて帰国し、御社で活躍したいと思います。
無人島に1つだけ持っていけるなら、何を選びますか?
こちらも比較的メジャーな質問。ここでは予想されるトラブルをどう回避するか、その発想力が問われています。
社会人になれば、頻繁にトラブルと遭遇します。ということは、事前にある程度の覚悟や対処法を考えておく必要があるでしょう。
つまり「仕事上のトラブルにどうやって対応するか」を想定した回答をできれば、よりよい印象を与えることができるかもしれません。
正当派とも言える回答としてはナイフや水、火を起こす道具など。ただジョブリットメディア編集部がおすすめするのは下記のとおりです。
回答例
正直、無人島での生活は想像できません。それでも、多くの困難にぶつかることは間違いないでしょう。
そんなとき便利なグッズはいくつか思いつきますが、何より大切なのは一緒に協力して困難を乗り越えてくれるパートナーではないかと考えました。
1人では考え付かないようなことも、2人で話しているうちに思いつくかもしれません。何より、孤独な生活に耐えられくなるという心配もありません。
これは仕事でも同じだと思います。思いもつかないようなトラブルに遭遇しても、チームワークを大切にしていれば、何か対策ができると信じています。
なので私は親友のA君と一緒に、無人島での生活を乗り越えたいと思います。
ドラえもんのひみつ道具のうち、1つだけもらえるなら何を選びますか?
ご存じのどおり、ドラえもんのポケットにはあったら・できたらいいなと思える道具が詰まっています。
この質問には豊富な選択肢の中から1つを選ばせることで、あなたの弱点や克服したい課題、成長意欲などを確認する意図が含まれています。
今回、回答例にはもっとも万人が流用できそうな「どこでもドア」を選択しましたが、この質問こそ正解はありません。
弱点を克服するための「アンキパン」、海外にビジネスチャンスを広げる「ほんやくコンニャク」、ニーズを確実に先取りできる「タイムマシン」や「もしもボックス」…どれも便利なだけではなく、ビジネスにも役立つ道具です。
注意しておきたいのは、「あくまのパスポート」や「空気砲」、「ショックガン」のように、悪用できたり武器になるのもを選ばないこと。また面接官が知っていそうな有名な道具を選ぶことも重要なポイントになるでしょう。
回答例
まず、これがあれば出退勤の時間を最小限に抑えられます。体調を崩すことも減るでしょうし、資格取得の勉強など自己研鑽に時間を使えることも魅力だと思います。
また、「どこでもドア」があれば、ビジネス面でも大きなアドバンテージが得られます。日本はおろか、世界中の取引先へ瞬時に行き来できるので、ビジネスチャンスを逃すことがありません。
なにより、私だけではなく皆さんも使えるので、社内全体の生産性を劇的に向上させることができるはずです。
私だけではなく皆さんにも大きなメリットがあるため、私は「どこでもドア」を選びたいと思います。
面接会場までの所要時間と経路を教えてください
この質問はアイスブレイク(緊張をほぐすための手法)として使われることが多い印象。面接序盤に世間話の一環として経路や所要時間を聞かれることに違和感は少なく、「トリッキーな質問」とは受け取られることは少ないかもしれません。
しかし、面接官にとっては重要度の高い質問なので、ここに含めました。
この質問への回答で求められるのは、事実を分かりやすく簡潔に伝えられるかどうか。そのため丁寧に答えようとするあまり、冗長になってしまっては逆効果です。
入社後は忙しく仕事をしている上司・同僚に対して、必要なことを端的に伝える能力が求められます。
それをアピールするためにも、必要な情報だけをできるだけ短く伝えてください。
回答例
まず自宅から最寄りの○○駅まで10分ほど歩き、到着後は△△線に乗りました。その後、20分ほどで到着する◇◇駅で□□線に乗り換え、さらに10分で御社の最寄り駅である××駅に到着。そこから5分ほど歩いて到着いたしました。
××駅で降りたのは初めてでしたが、この時間でもかなり乗降客が多く、改札も混雑していましたので、時間に余裕をもって出勤する必要があると改めて感じました。
自分にキャッチコピーをつけてください
こちらは新卒や第二新卒など、特に若手の就職/転職活動でよく聞かれる質問です。
“キャッチ”コピーですから、短い言葉で相手の心をつかむような言葉が理想的。そのためには自分自身の強みや性格、アピールポイントを把握しておく必要があります。
同時に、どれだけ分かりやすいキャッチコピーであっても、志望企業のカラーに合っていなければ効果は弱まってしまうでしょう。
このように、意外と注文の多いキャッチコピー。自己分析は面接に欠かせない要素ですので、そのついでにキャッチコピーも心の片隅で考えておくといいかもしれません。
ちなみに文言自体は、ドラマや曲のタイトル・歌詞、アニメなどをもじってもいいですし、いわゆる「ことわざ」をそのまま利用したり、一部改変したりするのもOK。
むずかしく考えず、自分に合いそうなコピーを付けてください。
回答例
ここでは性格やアピールポイント別にキャッチコピーをご紹介します。
私のキャッチコピーは「オタスケマン」です。私の祖母は本当に親切で、困った人を放っておけない性格でした。おばあちゃん子だった私は今でも祖母を尊敬していますし、目標にしています。まだまだ祖母の域には到達できませんが、「オタスケマン」というキャッチコピーを自分につけて、少しでも近づけるように成長していきたいと思います。
私のキャッチコピーは「がんばらない努力家」です。私は学生時代から友人や先生に「がんばり屋だね」と言ってもらっていたのですが、正直に申し上げて、その自覚がありません。しかし、大学でお世話になった教授に、「本当の努力家はがんばらない。だからこそ継続できるんだ」と言っていただき、とてもうれしく思いました。今も教授の言葉を大切にしていますので、「がんばらない努力家」をキャッチコピーにしたいと思います。
私のキャッチコピーは「みんなの懐中電灯」です。私は学生時代、サッカー部でキャプテンを務めていましたが、私がいちばん上手い選手だったわけではありません。そんな私がみんなのために何ができるかを考え、一緒にがんばれるような目標を提示し、そこまでの道のりを照らすことではないかと気づきました。そんな経験を踏まえ、私は周囲が目標を見失わないよう、「みんなの懐中電灯」として、目標やそこまでの道のりを照らす存在になりたいと思っています。
私のキャッチコピーは「浸透率100%」です。私は初対面の方とも、すぐに親しくなることができます。それがなぜなのか自分では分からなかったのですが、古くから付き合いのある友人に、「お前に言われることって不思議と心にすっと入ってくるんだよね」と言ってもらいました。その言葉がとてもうれしかったので、私はこれからも「浸透率100%」という言葉を胸に、皆さんと心を通わせられる存在でい続けたいと思います。
私のキャッチコピーは「ファーストホース」です。私は常々、未知のことに対して恐れることなく、積極的にチャレンジできる人でありたいと考えています。集団で行動するペンギンの中で、勇気を出して最初に海へ飛び込む個体を「ファーストペンギン」と言います。私は午年(うまどし)ですので、それをもじって「ファーストホース」と自分に名付けて、今後も失敗を恐れずにチャレンジを続けていきたいと思います。
あなたの考える理想の上司とはどんな人ですか?
こちらは過去に社会人を経験している、中途採用の面接で特に聞かれがちな質問。ここには「あなたにとって職場はどういう場所なのか」を確認したいという意図が含まれています。
どんな職場であればあなたは成長し、パフォーマンスを発揮することができるのか。
そういった部分を考慮して、回答しましょう。
ちなみに、この回答には気を付けたいポイントが2つあります。まずは、前職の上司の悪口を避けること。他人の悪口というのは聞いていて気持ちのいいものではありません。たとえ、あなたに非がないことで退職を余儀なくされたとしても、具体的な悪口は控えましょう。
もう1つは、よくありがちな「自由に仕事をさせてくれる上司」。仕事がしやすいのと、自由に仕事をするのは、似ているようで大きく違います。「わがまま」と捉えられるような回答には気を付けてください。
回答例
社会人としてチームで働く以上、報告・連絡・相談は欠かせない要素だと考えております。そして機嫌にムラがあったり、常にイライラしている上司ですと、私だけではなく部署全体の“報連相”が滞る恐れがあります。
常にチーム一丸となって売上に貢献できる部署をつくるにはコミュニケーションが何より重要だと考えますので、コミュニケーションを取りやすい上司に先頭に立っていただきたいと思います。
今日の面接を採点するなら、何点ですか?
面接の終盤に聞かれることが多いのがこの質問。ここで重要になるのは、採点よりもその理由です。
面接官は応募者が客観的に自己評価できる人物なのか、今後の改善策を理解できる人物なのかを見極めるために、この質問を投げかけています。なので、無理に高得点を付ける必要はありません。
もし、面接がうまくいかなったのであれば素直に低評価をつけ、どこが足りず、何を改善していくのか。面接ですべてを出し切ればのならば、どんなことを想定してこの面接に臨み、なぜうまく対応できたのか。
あくまで客観的な視点から、それらを解説してください。
ただし、極端な低評価(0~30点)や高評価(100点)を付けるのは考えもの。前者は面接官に力不足を印象付けるだけですし、後者は自信過剰と捉えられるかもしれません。
一般的には40~95点あたりから、その日の感触にもっとも近い点数を回答してください。
回答例
私としては、本日は95点です。○○さん(面接官)が親身になって話を聞いてくださったおかげで、伝えたかったことをすべて伝えきることができました。また伺ったお話も、御社のホームページや求人情報から想像していた内容と相違なく、自分が働いている姿を具体的にイメージできましたので、御社に入社したいとより強く感じました。
率直に申し上げて、本日は50点です。事前にホームページなどを拝見して、私なりに御社の社風や今後のビジョンを想定して面接に臨んだつもりでした。しかし○○の質問にうまく答えることができないなど、準備不足を痛感する結果となりました。せっかく貴重なお話を伺うことができましたので、もしもう一度ご機会を頂けるのであれば、御社でどのように貢献できるかを考えなおし、本日以上の気合をもって皆様にアピールしたいと思います。
まとめ:謙虚な自分をアピールしよう!
今回は実際に出題された「トリッキーな質問」から、その意図と回答例を解説しました。
実は今回、例として挙げた回答に共通する要素を入れてあったことにお気づきでしょうか?
それは常に「誰かのおかげで気づいた」、「自分だけではなく他人にもメリットがある」という2つのポイントです。
面接という場では「自分をアピールしなきゃ!」と思うあまり、自分のことばかりに目が行きがちです。
そんな中、褒められても謙虚に「それは○○さんのおかげなんです」と言える。自分だけが得をするのではなく「○○なら部署全体が良くなる」と言える。
そんな姿勢を見せられれば大きなアドバンテージが得られます。
特に、事前の準備がむずかしい質問への回答でさりげなくアピールできれば、ライバルたちと差をつけることができるかもしれませんよ!
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