この記事を書いている2026年2月当時、全国で猛威を振るっているインフルエンザB型。
私、“品本 芽生(しなもと めい)”が流行りに乗ってしまったのは1月末のことでした。
インフルエンザに感染した際、会社を休む時のマナーと休暇制度の基本は前回のコラムで解説しています。
インフルエンザで仕事は休める?法律上の義務や会社の休暇制度を解説。無理な出勤強要への対処法や、診断書の必要性、家族が感染…
しかし、記事を書き終えた後、まいどなニュース様の『インフル感染「出社しないで」と言われたのに…休んだ5日は“有給扱い”? 会社員が抱いたモヤモヤ【FPが解説】』を発見。
インフルエンザが流行する時期になると、「出社できない間の勤怠はどう扱われるのか」をめぐる疑問が、SNSなどでも話題になり…
読み進めていくと「有給休暇を使わず欠勤として賃金が支払われなかった場合には、健康保険の傷病手当金の対象となる可能性があります」との記載がありました。
社会人としてそういった知識を持ち合わせていなかった私は目から鱗が落ちました。
会社を休んでもお金がもらえる?「傷病手当金」という名の救済措置

前回のあらすじ
全知全能の神・Siriから3つの“知識のかけら”を授かったLv.18のスライム・芽生は、北海道のウサギとともに次のかけらを手に入れるべく、北の地へと足を踏み入れていた。
「寒い……」
寒い土地を冒険するのはこれが初めてではないが、これまで経験したことがない寒さに芽生は震えていた。
「キュキュン? キュ♪(訳:そんなに寒いかな? ちょうどいい気温だけど♪)」
そんな芽生とは裏腹に、雪山生まれ、雪山育ちのウサギは嬉しそうにしていた。
「このままだと“知識のかけら”を手に入れる前に凍っちゃう!」
どこかに暖はないのかと周囲を見回すと、視界の端に暖かな光が映った。
その微かな光に希望を見出し駆け寄ると、そこには洞窟があった。
中には焚き火と2人前のスープが用意されていた。
「助かった……! いただきます!」
「キュ、キュ!(訳:ちょっ、芽生ちゃん!)」
警戒もせずにスープを飲み始めた芽生にウサギは戸惑ったが、襲い来る空腹には抗えず、やがて一緒にスープを食した。
傷病手当金ってなに?
最初に生じたのがタイトル通りの疑問。
そこでいつものように頼れる相棒、勇者Googleに力を借りました。
その結果がこちら。
傷病手当金とは
健康保険の被保険者(正社員やパート・アルバイトなど)が、業務外の病気や怪我で仕事を休んで給与が得られない場合に、生活を保障するために健康保険組合などから支給される手当
結果を見てまず感じたのが「なんてありがたい手当なんだ!」ということ。
通院や検査、薬の費用がかさんでしまう中、病気のため所得が得られないのは非常につらいです。
それを救ってくれる傷病手当金はまさに“神”のような存在と言えるでしょう。
どれくらい支給されるの?
ここで気になるのがその金額ですよね。
え、私だけ? そんなことはないはず。
支給開始日前12カ月間の各月標準報酬月額の平均額÷30日×3分の2
こんな感じですが、この図だけでは分からないという方も多いでしょう。そこで金額例を。
月収が20万円の場合、1日あたりの金額が約4,440円、1カ月に換算すると約133,200円が支給されることになります。
そう考えるとさらに傷病手当金のありがたみが増しますよね。本当に神過ぎる。
支給期間はどれくらい?
ここまで傷病手当金についていくつか説明してきましたが、1つ注意点が。
傷病手当金には支給される期間に上限があります。
その期間は、支給開始日から通算して“1年6カ月”です。
これだけの長さなら大抵の病気やケガは治っていることが多いでしょう。
1年以上も生活の支えとなってくれる傷病手当金、本当に素晴らしい制度ですね。
4つの支給条件
そんなありがたい傷病手当金ですが当然、支給されるためにはいくつかの条件が存在します。
勇者Googleに調べさせた結果がこちら。
傷病手当金の支給条件
1)業務外の事由による病気やケガの療養であること
2)仕事に就くことができないこと(労務不能)
3)連続する3日間の休業(待期期間)を含み4日以上休んでいること
4)休業した期間について給与の支払いがないこと
どうでしょう、みなさんはこの条件をクリアしていますか?
この内容だけでは分からない方もいると思うので、具体的な例を交えながら説明していきます。
1)業務外の事由による病気やケガの療養であること
業務中や通勤中に起こった事故や病気は『労災保険』の対象になります。
そのため、健康保険の傷病手当金は支給対象外に。
また、美容整形など、病気とみなされないものも対象外となりますので要注意です。
2)仕事に就くことができないこと(労務不能)
自己判断ではなく、医師の診断により「業務に従事できない状態」と判断された場合に対象となります。
風邪や軽い捻挫といったような日常的な病気やケガではなく、出勤停止となったり入院を必要としたりする状況。
インフルエンザはこれに当てはまるので、傷病手当金の申請ができる可能性がありますね。
3)連続する3日間の休業(待期期間)を含み4日以上休んでいること
仕事を休んだ日から連続して3日間の待機期間以降、仕事に就けなかった日に対して傷病手当金は支給されます。
待機には土日や祝日などの公休日も含まれ、給与の支払いがあったかは問われません。
重要なのは“連続して”3日間の待機期間が存在したこと。途中で出社した場合は傷病手当金の対象外になります。
就業時間内に業務外の事由で発生した病気やケガの場合、仕事に就くことができなくなった日を初日として、傷病手当金が支給されます。
4)休業した期間について給与の支払いがないこと
傷病手当金は業務外の事由による病気やケガで休業している期間の生活保障制度。
そのため、給与が支払われている期間の支給はありません。
ですが、給与の支払い額が傷病手当金の額よりも少ない場合、差額が支給されます。
任意継続被保険者の期間中に発生した病気やケガについては、傷病手当金が支給されません。
申請方法
この記事に辿り着いた方の中には、傷病手当金の申請をしたいという方もいるでしょう。
そんな“あなた”のために申請方法について、勇者Googleに調べてもらいました。
それがこちら。
申請の流れ
1)医師に診断してもらう
2)会社へ報告する
3)申請書を入手・記入する
4)医師の意見書をもらう
5)事業主の証明をもらう
6)健康保険組合(または協会けんぽ)へ提出する
元祖・めんどくさがりな私は正直、面倒だなと感じてしまいました。
こんな小難しい項目だけ見ても分かりづらいと思うので、もう少し細かく説明していきます。
1)医師に診断してもらう
はじめに病院を受診し、休職が必要だという診断や意見をもらってください。
インフルエンザの場合、検査をして陽性と診断してもらえればOKです。
また、休職というワードでパッと浮かぶのが精神疾患。
うつ病や適応障害で労務不能になったということなら、傷病手当金の申請は可能です。
ただし、業務外の事由で発病した場合に限るのでご注意ください。
2)会社へ報告する
医師の診断により、欠勤や長期間の休職が必要になったことを伝えます。
そのタイミングで、有給休暇と欠勤や休業の扱いについて確認しましょう。
このとき、有給休暇を使用すると傷病手当金の申請ができなくなります。
給与が発生しない形態で休むことになる場合、「傷病手当金の申請がしたい」と伝えておきましょう。
3)申請書を入手・記入する
加入している保険組合や協会けんぽ(全国健康保険協会)から申請書を取り寄せて入手します。
また、PDFなどのファイルからダウンロード、印刷も可能です。
待機期間内に傷病手当金の申請書を手に入れておくと、期間後の申請がスムーズに進められます。
書類が手元に届き次第、自分で記入できる場所はすべて書きましょう。
4)医師の意見書をもらう
傷病手当金の申請書には担当医師に記入してもらうものもあります。
診療時間内に病院を受診、診察してもらい、書類を書いてもらいましょう。
土日祝休みの方は受診が厳しいでしょうが、土曜日の午前や半休を利用して記入してもらいに行ってください。
定期的に診察がある場合はその際、ついでに書類を書いてもらうといいでしょう。
5)事業主の証明をもらう
医師に書類を書いてもらったら終わり! ……と言いたいのですが、まだやることはあります。
それは事業主の証明をもらうこと。
書類には事業主に記入してもらう箇所もあります。
そのため、申請をする場合は必ず会社に伝える必要があったのです。
6)健康保険組合(または協会けんぽ)へ提出する
最後に書類を提出します。
申請時期は毎月、給与の締め日を過ぎてからするのが一般的です。
とはいっても、この工程は会社の担当部署に所属する職員が行います。
協会けんぽの場合は、自分で加入している支部宛に会社経由で郵送する必要があるので注意しましょう。
そして、書類が届き次第、保険者が申請書類に基づいて審査を行い、問題がなければ傷病手当金が支給されます。
実践あるのみ!

ここまで傷病手当金について解説し、制度について知れば知るほど、そのありがたみを強く感じました。
しかし、説明だけではイマイチ申請の流れが分からないという方もいるでしょう。
そこで今回、私自身も傷病手当金の申請をしてみました。
その流れや結果は手続きが完了し次第、コラムで書いていくので、この記事と併せてご覧ください。
最後に、この前の私と同じようにインフルエンザで苦しんでいる“あなた”。
仕事に行けないし、身体はつらいしで大変だと思います。
今は美味しいものを食べて、ゆっくり寝てください。
そして、元気になったら一緒に傷病手当金を申請しましょう。
インフルエンザに負けるな!
後日談
腹を満たし、身体を温めた2人は洞窟の中を見て回り始めた。
「思ったより広いね……」
洞窟の中はとても入り組んでいて、天然の迷路と呼ぶにふさわしい構造だった。
「キュ、キュン……(訳:これじゃあ、帰り道も分からないよ……)」
「帰りたいの?」
そんな声が2人の鼓膜を揺らした。
「誰!?」
「ここは私たちの家」
「やましい心を持つ者には通れないし、出られない」
臨戦態勢に入った2人の前に2つの人影が姿を現した。
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