ビジネスシーンのみならず、日常生活でも使用率が高まっている「カタカナ語」解説。3回目となる今回は「タ行」と「ナ行」の25語を紹介します!
社内の会議や打ち合わせはもちろん、他社との商談などで出現した際に勘違いしないよう、ぜひチェックしてください!
ちなみに、「ア行」~「サ行」のビジネス用語は、下記リンクから確認できます!
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今回は「タ行・ナ行」のビジネス用語を解説!
前回同様、今回も25語を紹介!
やはり日本独自の感覚・概念で名付けられたものもあるので、英語が得意という方も要チェックです!
タイト
語源は英語の「tight」。さまざまな意味を持つが、基本的には“ぴったり”や“張っている”など、余裕やゆとりのない状態をあらわす。
ビジネスで使われる場合は、スケジュールがひっ迫していたり、予算に余裕がなかったりと、少々厳しい状態を指すことが多い。
【例文】
スケジュールがタイトなので注意してください。
ダイバーシティ
ショッピングモールなどにも使われる言葉で、“多様性”をあらわす英語「diversity」が語源。
ビジネスシーンでも同じく、年齢や性別、人種などで差別せず多様な人材を活用する考え方として使われる。
【例文】
我が社は今後、さらにダイバーシティ化を進めていきます。
ターゲット・オーディエンス
英語で“目標”を意味する「target」と、“観客”や“視聴者”を意味する「audience」を合わせた言葉。
年齢や性別、学歴、収入など広告の目標とする視聴者を指す言葉として、主に広告宣伝の分野で使われる。
【例文】
ターゲット・オーディエンスに響く宣伝方法を考えましょう。
ターゲティング
上と同じく英語の「target」が語源だが、「ing」が付いていることからも分かるように、“目標にする”という意味の他動詞を動名詞化したもの。
意味は“目標・ターゲットを絞り込む”こと。
【例文】
商品戦略を練るために、まずはターゲティングを行おう。
タスク
“任務”や“課題”を意味する英語の「task」が語源。
“自分に課せられた仕事・職務”を指す言葉として、ビジネスシーンでも頻繁に使われる。
【例文】
タスクをこなすために、まず優先順位をはっきりさせよう。
ダンピング
“(不要なものを)投げ捨てる”、“取り除く”などの意味を持つ英語、「dump」の動名詞形。
ビジネスでは主に2つの意味で使われ、1つは商品を採算を度外視した低価格で投げうること、もう1つは市場拡大などのために国内と海外で異なる価格で販売すること。
ちなみに前者は、正当な理由がない場合「不当廉売(ふとうれんばい)」として独占禁止法違反とみなされる場合があるので注意。
派生して、不当な条件で労働者を働かせることを「労働ダンピング」と呼ぶこともある。
【例文】
海外進出のために、ダンピングが必要かもしれない。
ティザー
英語で“じらす”などを意味する「teaser」が語源。
一部だけを紹介し詳細を伝えないことで消費者に関心をもたせる宣伝手法として、映画などの広告で頻繁に使われる。
【例文】
まずはティザー動画のみを公開しましょう。
ディシジョン
英語の「decision」が語源で、意味はそのまま決定や決断。
その中でも経営方針や経営戦略など、重要事項に対する意思決定に特化して使われることが多い。
【例文】
ベンチャー企業は大手よりディシジョンメイキングを素早く行えることが強みだ。
デッドライン
英語で“超えてはいけない線”を意味する「deadline」が語源。
ビジネスでも締め切りなど、これ以上遅れてはいけないタイミングを指す。
【例文】
来週の金曜18時がデッドラインだ。
デファクト・スタンダード
“標準”を意味する英語の「standard」と、ラテン語で“事実上の”を意味する「de facto」を合わせた言葉で、意味もそのまま“事実上の標準”。
新規の市場では、初期はさまざまな企業がそれぞれ独自の規格を持つ製品を出して争います。その結果、圧倒的な人気を獲得した1つの製品があれば、その後は公的な定めはないものの事実上、業界の標準となります。そのことをデファクト・スタンダードと呼びます。
反対に、公的な機関により認証された企画は「デジュール・スタンダード(正当な標準)」と呼びます。
【例文】
この分野のデファクト・スタンダードとなりえる商品を開発しよう。
デフォルト
英語の「default」が語源で、ビジネスでは主に2つの意味で使われます。
1つは“初期設定”という意味で、こちらは主にコンピュータやデバイスなど、デジタル分野で使います。
もう1つは“債務不履行”という意味で、支払いや返済が期日までに行えない状態を指す経済用語。デフォルトを起こすと、周囲から倒産目前と受け取られかねないので、そうならないように資金繰りを行う必要があります。
【例文】
A社がデフォルトを起こすという噂が出回っています。
テレコ
語源は日本語ですが、一般的にカタカナで表記されるため、ここで紹介します。
歌舞伎で“互い違い”を表す「手入れこ」が元になったとされ、“あべこべ”、“(順番が)反対”という意味で頻繁に使われます。
【例文】
A社とB社に送る請求書がテレコになってたから気を付けて。
ドキュメント
英語で“(文章、図表、写真など)記録したもの”を意味する「document」が語源。
ビジネスで使われる場合は、主にWordなどの文書ファイルを指す。
【例文】
会議の内容をドキュメントに残しておいて。
ドライブ
“車の運転”などを意味する英語「drive」が語源。
ビジネスの世界では主に2つの意味で使われ、1つはパソコンやオンライン上のデータを保存する装置を指す。
もう1つは本来の意味から派生した形で、プロジェクトなどを前進させるという意味。また単にがんばれとはっぱをかける際にも使われる。
【例文】
今週末の納期に向けてドライブをかけよう。
ドラスティック
“思い切った”、“徹底的な”などを意味する英語の「drastic」が語源。日本では“抜本的な改革”をドラスティックと呼ぶことが多い。
しかし、本来の言葉に『改革』という部分までは含まれない。あくまで“前例に捉われない(方法論)”という意味。
【例文】
行き詰まっているときは、ドラスティックな修正案が必要だ。
トーンポリシング
英語で“口調”や“調子”、“音色”などさまざまな意味を持つ「tone」と、“管理、監視する”という意味の「police」を合わせた言葉。
つまり、話している内容ではなく“話し方や口調、そこに付随する感情を批判する”ことを指し、論理のすり替えの1つとして扱われる。
議論の内容的に劣勢の状態をひっくり返すことができる反面、本題からは外れるため、使いすぎると相手に嫌われるので要注意。
【例文】
相手の態度が悪くとも、トーンポリシングにならないように気を付けよう。
トンマナ
正式名称は英語の「tone and manner」で、先ほどのtoneに“方法”や“態度”、“行儀・作法”などを意味するmannerを合わせた言葉。
ビジネスでは主に広告やサイト、記事などを作る際に文体や画像、配色をコンセプトに合わせる際に使う。
【例文】
ブランディングのために、トンマナだけは厳守しよう。
ナレッジ
英語で“知識”を意味する「knowledge」が語源。『ナレッジ』と表記・発音されることが多いが、本来の発音は『ノウリッジ』の方が近い。
ビジネスでは知識の中でも、付加価値のある情報に特化されることが多い。
【例文】
新人に業界のナレッジを共有しておいて。
ニーズ
英語でさまざまな意味を持つ「need」のうち、“必要(なもの)”を意味する名詞の複数形。
ビジネスはもちろん日常生活にも頻繁に使われる言葉で、その意味のまま“(顧客などの)求めるもの”を指す。
【例文】
顧客のニーズを的確につかむことが何より大切だ。
ニッチ
こちらもビジネスのみならず、日常生活でも頻繁に聞く言葉。
語源はフランス語で“壁のくぼみ”や“小さな部屋”という意味を持つ「niche」。
転じて特定の狭い分野や開拓されていない領域を指すようになった。
【例文】
大手企業が手を出しにくいニッチな分野を狙おう。
ニュートラル
“中立的”、“中間的”という意味を持つ英語「neutral」が語源。
そのことから、ビジネスでは先入観を捨てて検討することを指す。
【例文】
ニュートラルな立場からの意見を聞きたい。
ノウハウ
英語でも使われる熟語「know-how」が語源で、海外では“誰がやる?”という意味。
日本でも同じイメージで、知識や技術、その使い方などをあらわす言葉として使われる。
ちなみに海外では『know-what(分かる?)』、『know-why(なぜそうする?)』、『know-who(誰が何を知っている?)』などの熟語も頻繁に使用される。
【例文】
まずは営業のノウハウを学ぶことから始めましょう。
ノーティス
“通知”、“通報”など、さまざまな意味を持つ英語「notice」が語源。
ビジネスでもお知らせを指し、特に“急なお知らせ”を意味する「ショートノーティス」や、“事前通知”を意味する「ポストノーティス」などがよく使われる。
【例文】
本社から届いたショートノーティスはチェックした?
ノマド
英語の「nomad」、もしくはフランス語の「nomado」が語源で、“遊牧民”や“放浪者”などを指す。
そのことから、ビジネスシーンでは特定のオフィスを持たずに仕事をする人をあらわす。
分かりやすい例だと、喫茶店やホテルのラウンジなどでノートパソコンを用いて仕事をする人がこれにあたる。
【例文】
あの人はノマドワーカーだよ。
ノルマ
今回のラストには、広く一般化しているものの語源が意外だと思う単語を紹介。
ノルマの語源はロシア語で“(工場やそこで働く個人に割り当てられた)労働の基準量”という意味の「norma(本来の表記はキリル文字)」。
ビジネスでもそのまま一定期間内に達成すべき売上や業務量の目標として使われるが、近年はもっとシンプルにその人がやらなければならないことを指すことも。
【例文】
末日にやっとノルマを達成できた。
まとめ:ジェネレーションギャップに注意!
ビジネス用語紹介の第3弾として、「タ行」と「ナ行」を紹介しました。
今回、紹介したもののうち、特に「トーンポリシング」や「ノマド」は近年使われるようになった言葉なので、年配の上司・先輩は知らないかもしれません。
反対に「テレコ」は長く働いている人は当たり前に使う一方で、若手はあまり使わない印象です。
どちらの立場でも「自分が知っていることは、相手も知っているはずだ」と考えてしまうと、意思疎通ができないという結果に繋がりかねません。
第1回のまとめにも書きましたが、言葉は知っているけど敢えて使わない、という姿勢も必要です。特に、年代が異なる相手に対してはより注意するようにしましょう。
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