転職・就職活動の面接で、質問に上手く答えられなかった。そんな経験を持つ人は、少なくないのではないでしょうか。
同時に、上手く答えられなかったから合格できなかった。そう感じる方も多いことでしょう。
実際のところ、面接での受け答えはどの程度、合否に影響するのでしょうか。
また、答えられそうにないとき、どう対処するべきなのでしょうか。
今回は『面接の謎』シリーズの4回目として、質問への上手い答えが浮かばないとどうなるのか、そしてそのときの対処法を解説いたします。
この質問に何の意味があるの? 面接ではそういったトリッキーな質問も出題されます。今回は一見、業務に関係なさそうな質問を面…
面接中、ふと「ドラえもんの道具で何が欲しい?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか?今回は実際に出題された「トリッキーな…
質問に答えられないと面接に落ちる?
しっかりと準備をして臨んだはずなのに、質問に上手く答えられなかった。
そんなとき、求職者はつい「だめだったかもしれない」と思ってしまうかもしれません。
しかし実際には、そんなことはありません。
ほとんどの質問に答えられなかったのならまだしも、1つや2つ、上手に返せなかったくらいで合否を左右することはほとんどないと言っていいでしょう。
まずは、なぜ質問に上手に答えられなかったことが合否に直結しないのか、その理由を解説します。
「完璧」を求める面接官はいない
そもそも、ほとんどの面接官は「完璧な対応」を求めていません。
面接を担当する社員は企業ごとにある程度、固定化されています。当然、面接官はこれまでに多くの面接を経験しています。
その中には緊張のあまり、質問に対して頭が真っ白になった方も大勢いるでしょう。
求職者は本気で入社したいと思うほど、面接で緊張してしまうもの。経験豊富な面接官がそのことを知らないはずがありません。
これが第一にして、最大の理由です。
総合的な能力を重要視している
面接官が重視するのは、面接での受け答えだけではありません。
ビジネスマナーや人間性、これまでの総括的なキャリアなど、総合的な能力を判断して合否を決定しています。
極端な話、面接の受け答えだけが完璧でも、他の部分のビジネスマナーが欠けていたり、社風に合わない性格であれば、「この人は自社で活躍できる」と判断されることはありません。
逆に言えば、多少回答に手間取っても、他の部分で魅力を伝えられれば、チャンスは充分にあります。
わざと予想していなさそうな質問をしている
面接官は面接中に求職者の本音を確認したいと考えるもの。もちろん、入社後の姿を想像するためです。
しかし、求職者が過度に緊張していては、本音を聞き出すことはできません。
そのため、場の雰囲気を和ませようと、トリッキーな質問を投げかけてくることがあります。
また、予想外の質問をすることで求職者の対応力やロジカルシンキング能力を試したいというケースもあります。
意図的に答えにくい質問を投げかけているのですから、答えに悩むのも当然なのです。
このケースに関しては、前々回の記事で詳しく解説していますので、そちらもご覧ください。
>「面接でのトリッキーな質問の意図を解説!」はこちら
この質問に何の意味があるの? 面接ではそういったトリッキーな質問も出題されます。今回は一見、業務に関係なさそうな質問を面…
「答えられない」を減らすにはどうする?
1つや2つ、質問に答えられないくらいで合否に影響しないことは、おわかりいただけたでしょうか。
そうは言っても、すべての質問に上手く答えて合格を勝ち取りたい。
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、ここからはどんな質問にも上手に返すために必要なことを解説します。
答えられない理由を知ろう!
対処していくためには、まず自分が「なぜ質問に答えられないのか」を知る必要があります。
そして、その理由は大きく分けて4つあると言えるでしょう。
・準備不足
・質問の意図を正しく汲み取れない
・緊張やプレッシャー
・予想外の質問だった
そして、どの理由で答えられなかったのかによって、評価は大きく変わります。
このあと、1つずつ解説していきます。
準備不足
何度も「1つや2つ、答えられなかったくらいで結果は変わらない」と書いてきましたが、この理由で答えられなかった場合は、注意が必要です。
というのも、企業ホームページを見ていない、求人内容の確認不足など、準備不足が原因で質問に答えられないと志望意欲まで疑われてしまうからです。
この部分のマイナス評価は、ライバルとの比較という意味で致命傷になりかねません。
また面接を受ける以上、企業のことを調べておくのは最低限のマナーでもあります。
心当たりのある方は、ぜひ注意してください。
質問の意図を汲み取れない
意味合いは準備不足と異なりますが、こちらもある意味では危険な理由。
トリッキーな質問であれば「仕事に結び付けた返答」を心がければ、ある程度対策可能。しかし、通常の質問にもかかわらず、質問の意図と大きく外れた回答をしてしまうと、「他人の話を理解できないのかな?」と思われかねません。
このあと解説する「緊張やプレッシャー」が原因でこのような状況に陥ることがよくあるため、次の解説も確認して克服してください。
質問の意図を汲み取れていない回答の例
例として、「人生でいちばんの失敗は?」という質問をされたとしましょう。
面接官がこの質問する裏には、「失敗をどう乗り越えたか」を聞きたいという意図が隠されています。
にもかかわらず、単に失敗談を自虐的におもしろく話しただけでは、回答としてほぼ意味はありません。
この例に限らず、回答する際は「担当者はどんな答えを求めているか」を想像するようにしましょう。
緊張やプレッシャー
これは求職者にとって永遠の悩みとも言えます。面接の場は誰であっても緊張するものですし、相手が本命の企業あるほど、その度合いが強くなるからです。
緊張するなというのは無理だとしても、深呼吸をする、ゆっくり話す、素直に「緊張しています」と伝えるなど、できる限り対策しましょう。
予想外の質問
先ほどもちらっと登場した、トリッキーな質問。こちらはある意味、上手に答えられなくて当然とも言えます。
前回のコラムで解説したとおり、この質問ではとっさの対応力やロジカルシンキング力が試されています。
対策としては、急いで答える必要はないので、落ち着いてゆっくり考えてから回答しましょう。
おまけ:こんな質問しても大丈夫?
上手に答えられそうにないときのために、最後にこんな項目をご用意しました。
面接ではできるだけ自分をアピールしたいと考えるあまり、質問を聞き返したり、質問に対して質問で返したりすることを嫌う傾向にあります。
しかし、そのせいで上手に答えられず、結果に自分自身が納得できないのであれば逆効果。
最後に、こんなこと聞いてもいいの? と思われがちな項目を3つ、ご紹介いたします。
「時間をください」
質問に対して、ぱっと回答が浮かばないときにどうするべきか。
答えはかんたん。正直に「少し時間をいただいてもよろしいでしょうか」と聞けばいいだけです。
そもそも面接とは、早押しクイズではありません。瞬間的に回答できたからといって高評価に繋がるわけではないのです。
それに慌てて回答したとしても、内容が整理されていなければ面接官も困ってしまうでしょう。
かといって、無言で回答を考えている間、無言になってしまうのも考え物。
こういうときは素直に時間がほしいと伝えて、頭の中を整理してください。
「○○という解釈でよろしいでしょうか?」
質問の意図を掴みあぐねたときでも、聞き返すのは失礼だと思い、無理に回答を探していませんか?
しかし、上のパターンと同様、無理をしてかみ合わない答えを返す必要はありません。
そういうときも素直に、「質問の内容が理解できなかったのですが、○○という解釈でよろしいでしょうか?」と聞き直してください。
合っていれば「はい。そのとおりです」と教えてくれるはず。また、もし解釈が違っていたとしても、span class=”marker-halfYellow” style=”font-weight: bold;”>担当者も言い回しを変えて再度、質問してくれるでしょう。
「範囲を限定して答える」
こちらも前々回、解説した部分ではありますが、大事なことですので再度解説します。
たとえば営業職の面接で「この会社の売上を1年で10倍にするにはどうしたらいいですか?」「もしあなたが我が社の社長なら、まずどのような施策をおこないますか?」と聞かれたとします。
前者には営業以外にも多くの部署が絡む話ですし、後者にいたっては営業職と直接関係ありません。
こういったときでも、もっとも避けたいのは知ったかぶりをすること。
それよりも「勉強不足で申し訳ありませんが、私に分かる営業職の範囲でお応えさせていただきます」、「若輩者ですので、社長という責任ある立場のことは想像しかできませんが」など、前置きで回答範囲を限定してしまうのも1つの方法です。
まとめ:素早さよりも丁寧な回答がベスト!
いかがでしょうか。
今回は質問に答えられなかったらマイナス評価になるのか、どうすれば対策できるのか、を解説してきました。
結論としては答えられなかった理由次第ではあるものの、上手に答えられなかったからといって、それだけで合否が変わることはほぼありません。
面接での受け答えが大事であることは言うまでもありません。しかしビジネスマナーや入社への意欲など、同様に大切なポイントは他にもあるものです。
その中で、担当者がもっとも重要視するであろうポイントは人柄。
「この人はうちに入ってもうまくやってくれるはず」
面接官にそう思ってもらうためにも、分からないことは分からないと伝えて、必要なときには時間をかけて、丁寧な回答を心がけてください。
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