前回は「面接の謎」シリーズ第4弾として、『質問に答えられなかったら面接に落ちる?』を解説しました。
そして今回はその反対バージョン。
つまり、『話が盛り上がったのに面接に落ちたのはなぜ?』を解説していきます。
こちらも就職活動/転職活動をしている方からよく聞くお悩み。
しかし前回同様、この現象にもしっかりとした理由があります!
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盛り上がったのに落ちるのはなぜ?
面接で会話が盛り上がって手応えを感じたのに、後日「お祈りメール」が届いてしまった。
実はこの現象、“面接あるある”と呼んでもいいくらい、よくある話なんです。
では、なぜこのようなことが起こるのか。
まずは、面接官が脈なしと判断したあとも面接自体はいい雰囲気で進める理由を紹介します。
・ぎりぎりまで採用・不採用を迷った
・そういう面接スタイルを採用している
・人柄“は”評価できた
・面接官との相性がよかった
・会社のお客様になる可能性がある
ぎりぎりまで採用・不採用を迷った
もっとも王道な理由であり、かつ求職者にとってはもっとも悔しいのがこのパターン。
企業側からすると、採用する枠はあらかじめ決まっています。そのためあなたの評価が水準以上だとしても、さらに高い評価の人で枠が埋まってしまえば、不合格となってしまうでしょう。
対処法
残念ながらこの場合、あなたにできる対処法はありません。なぜなら力不足で落ちたというよりも、単純に運が悪かったと言えるからです。
逆に言えば、次回以降の面接でも特に直さなければいけないポイントもありません。自信を持って、ご自身をアピールしてください。
そういう面接スタイルを採用している
面接の謎シリーズ第2弾「トリッキーな質問の意図」でも解説しましたが、企業側は常に求職者の“本音”を知りたいと考えています。
そしてそのためには、面接会場の雰囲気を良くして、求職者が話しやすい空気を作る必要があるでしょう。
そういったフランクなスタイルの面接を意識している企業の場合、脈あり・なしにかかわらず面接自体は盛り上がる傾向にあります。
基本的には、盛り上がった=好印象という図式で間違いありませんが、必ず成立するわけでもないことをあらかじめ理解しておきましょう。
対処法
こちらも面接の受け答えにかんして、対処できることはあまりありません。強いて言うなら、常に冷静な対応を心がけること。というのも、話の盛り上がりに任せて、不用意な発言をしてしまう可能性があるからです。
面接官がどれだけフランクな対応をしてくれても、面接は面接。自身にとってマイナスになることは言わないという冷静さは忘れないでください。
もうひとつ、「盛り上がった=合格」という思い込みをなくせば、心理的なダメージを減らせるかもしれません。
人柄“は”評価できた
話が盛り上がるかどうかには、人柄という要素が大きく影響します。
しかし、企業が求めているのは単なる「いい人」ではなく、自社で活躍できる能力を持っている人材です。
もちろん、人柄がいいこと自体はまったくマイナスではありません。実際に人柄を重視した採用を行っている企業も数多くありますし、能力の近い2人で悩んだら間違いなく人柄のいい方が採用されるでしょう。
ただし、人柄は重要ではあるものの最重要ではない。このことだけは把握しておいてください。
対処法
人間性のアピールが効果的なのは新卒や第二新卒といった若手まで。ある程度の経験や実力を期待される中堅(20代後半あたり)以降は、何よりスキル面をアピールすべきです。
とはいえ、人柄の部分はアピールできているわけですから、特にむずかしく考える必要がないのも事実。
前面に押し出す部分をスキルや経験に変えるだけで大きく好転するでしょう。
面接官との相性がよかった
身もふたもない書き方になりますが、そもそも話が合うかどうかは相性によります。そして相性がよかった場合は、能力やスキルに惹かれる部分が少なくても面接自体は盛り上がるでしょう。
人間性を評価してもらったときと同じく、盛り上がったからといってあなたの能力を高く評価しているとは限らないということをあらかじめ承知しておいてください。
対処法
ここで忘れてはいけないのは、面接官と相性がいいのは求職者にとって大きなアドバンテージだということ。
それを活かすためにも、「盛り上がった」だけで面接を終わらせることのないよう積極的に自分のスキルや経験をアピールしてください。
会社のお客様になる可能性がある
もっともよくある理由がこちら。
BtoCの企業に限らず、誰がいつ自社の顧客になるかは分からないものです。
そして非常に悲しい話ではありますが、担当者が早い段階で不採用を決めた場合「嫌われないよう、いい気持ちで帰ってもらおう」と雑談メインになるケースも往々にしてあるようです。
対処法
あくまで早い段階で不採用を決めたから、将来の顧客候補としていい雰囲気で面接を終えようとした場合、服装や髪型、入室の仕方、席への座り方、挨拶などで明らかなマナー不足を露呈した可能性があります。
第一印象が重要なのは人間関係の基本。
早い段階で嫌われることのないよう、自身のビジネスマナーを見直してみてください。
早とちりは厳禁!面接で手応えを感じるパターン5選!
盛り上がった=合格ではないことは、ここまでをご覧いただければお分かりでしょう。
しかし、ほかにもこういった早とちりをしがちな要素はあるもの。
ここからは応募者が面接中に手応えを感じてしまうケースを5つ紹介しましょう。
・面接時間が予定をオーバーする
・面接官に自社の魅力をアピールされた
・入社可能日を確認された
・他社の選考状況を聞かれた
・入社後の話題が出る
面接時間が予定をオーバーする
一般的に、面接の時間は30分から長くても1時間程度。しかし、面接時間は長ければいいというものではありません。
面接時間が予定より長い場合は、下記のようなパターンが考えられます。
①質問に要領よく答えられていない
②面接官が合否を悩んでいる
要領よく答えられていない
こちらは求職者側に問題があるパターン。質問に対してピントのずれた答えしか返ってこなかったり、話が長いわりに要点が伝わりにくい回答をしていると、どうしても面接時間は長くなってしまいます。
同時に、このパターンはかなり危険度が高いと言わざるを得ません。業界や職種を問わず、コミュニケーション能力が欠如していると受け止められれば、合格できる可能性は著しく低くなるからです。
以前、「トリッキーな質問の意図」という記事でも解説しましたが、どんな質問に対しても「仕事に結び付けて答える」という心構えを忘れずに面接に臨んでください。
合否を悩んでいる
こちらは面接官側の都合で時間が伸びるパターン。
採用に「枠」がある以上、企業は優れている人を全員、採れるわけではありません。そして合格ライン上にいると判断した場合、時間を延長してでも合否の決め手になりそうな情報を求めることになります。
1つめのパターンとは異なり、こちらは悪いことばかりではありません。ラスボスとも言える「逆質問」まで含めて、最大限に自分をアピールしましょう。
面接官に自社の魅力をアピールされた
面接官が自社を積極的にアピールしていると、「入社を断られないようにしている」と感じる人は多いでしょう。
この場合、基本的には好印象を与えていると考えて問題ありません。
ただし、ここでも問題になるのが「枠」。
面接後、あなた以上に企業にマッチする人が現れてしまった場合、あなたが採用枠から漏れてしまうかもしれないのです。
それでも、少なくとも好印象を与えたことは事実。
もし結果として不採用になったとしても、基本的な方向性は変えずに内容のブラッシュアップをめざしてください。
入社可能日を確認された
面接の終盤、「いつから働けますか?」と入社日の確認をされると、求職者はかなりの手応えを感じることでしょう。
一般的に、採用予定のない人に対して具体的な質問はしない企業が多いのは事実です。
しかし、だからといって「合格した」と確信するのは危険かもしれません。
というのも、企業によっては確認事項の1つとして面接を受けた人、全員に事務的に聞いていることがあるからです。
また、企業からすれば勤務開始日も重要な選考材料の1つ。
すでに離職中の方であれば問題はないでしょうが、在職中の方は転職活動と同時に引継ぎの準備を始めておくなど、スムーズな退職ができるようにしておいてください。
ちなみに平均的な入社までの期間は、在職中の方でも1~2カ月、長くても3カ月程度だそうです。
他社の選考状況を聞かれた
こちらも「不合格と決めた相手にはしない」と思われている質問。実際、優秀な人材を同業他社に奪われることはもっとも避けたい事象なので、そう感じるのも無理はありません。
ただ、入社可能日と同様に、「枠」の問題や全員に確認しているだけという可能性もあります。
また、ライバル企業がどの程度、選考を進めているのかを確認したいという意図が隠れていることも。
やはり他の要素と同様に、これだけで「合格した!」を確信してしまうのは早計でしょう。
ちなみに選考状況についてうそをつく必要はありませんが、落ちた企業のことに触れる必要もありません。
面接時点で選考が続いている企業だけに絞りつつ「他社も受けていますが、第一志望は御社です」と答えましょう。
入社後の話題が出る
①「A部、B部、C部、どの部署に配属を希望しますか?」
②「2年め以降は転勤の可能性がありますが、問題ありませんか?」
③「実際に入社したら、どういう経路で通勤するの?」
など、具体的な入社後の話題が出ることも手応えを感じやすいポイント。
しかし、ここには大きな罠が隠れている場合もあります。
①や②は選考に必要な情報です。条件に合致しなければ、高評価ながらも不採用に終わることもあるでしょう。
それ以上にきついのは③。これは面接の結果は不合格と決めているものの、時間が余ったから聞いているだけかもしれません。
それでも、入社後の話題が一切出ないよりは、好印象を与えている可能性が高まるのも事実。ぬかよろこびにならない程度に期待しつつ、結果の連絡を待ちましょう。
まとめ:結果に一喜一憂しないこと!
面接に限った話ではありませんが、誰かと何かを競う以上、勝者と敗者は必ず生まれます。
そして、必ず生まれる以上、不採用になっても落ち込む必要はありません。
出た結果に対して自分で原因を探し、改善すればいいだけなのです。
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自分が面接に落ちてしまった原因を分析し、該当する記事を参考にしながら、面接での受け答えをブラッシュアップしてください。
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