求職者の疑問に答える『面接の謎』シリーズ。
第8弾となる今回は、面接でほぼ必ず聞かれる質問と、その答え方に関する“謎”を解明します。
その質問とはこちら。『当社が第一志望ですか?』です。
当サイトでもたびたびこの質問に対して、理由を添えて『第一志望です』と答えましょうと書いてきました。
しかし、中には「嘘をつくのはちょっと…」という方もいるかもしれません。
同時に「嘘をついたけど、ばれるんじゃないか…」と心配している方もいるでしょう。
そこで今回は、この質問の意図とおすすめの回答方法、そして嘘がばれるかどうかを解説していきます!
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そもそも、なぜこんなことを聞くの?
「第一志望は当社ですか?」。この質問をされたことのない求職者はいないでしょう。むしろ、面接のたびにほぼ毎回、この質問をされている方のほうが圧倒的だと思います。
そして、面接を受けている立場上、本音であろうとなかろうと「はい。第一志望とさせていただいております」と答えるしかない。そう感じている方も多いのではないでしょうか。
では皆さん、こんなことを考えたことはありませんか。
なんで毎回、答えがほぼ固定化されるような質問するんだろう?
まずはこの質問に隠された意図から解説していきます。
質問の裏に隠された3つの理由!
ジョブリットメディア編集部では、この質問には3つの意図が隠されていると考えます。
①入社意欲の確認
②内定辞退を防ぐため
③企業研究の進行度合いの確認
これらについて1つずつ解説していきます。
入社意欲の確認
「採用したい人材」はそのタイミングにおける企業の状況で変化するもの。しかし、いつどんな状況でも共通している要素が1つだけあります。
それが「本気で自社に入社したいと思っている人」。
その入社意欲を見極めたいと考えているからこそ、面接を行った求職者全員に第一志望かどうかを確認しているのです。
内定辞退を防ぐため
あまり気にする機会がないかもしれませんが、採用活動には多大な費用と時間がかかります。求人サイトへの掲載にはお金がかかりますし、選考や面接にはマンパワーを使っています。
だからこそなんとしても企業は内定辞退を避けたいのです。
この心理は新卒採用・中途採用を問いません。前者は少子高齢化が進んでいる中、若年層を獲得できる貴重なチャンスですし、後者はそもそも少人数の募集が多く、辞退されればゼロからやり直しになってしまうからです。
費用、時間、マンパワーの浪費を防ぐためにも、第一志望かどうかを面接官は常に確認する必要があります。
企業研究の進行度合いの確認
第一志望かどうかを聞かれたとき、皆さんは「はい/いいえ」だけで答えることはしませんよね。当然、同時に「なぜ第一志望なのか」の説明をしているはずです。
そして理由の説明には、企業研究をきちんと行ってきたかが透けて見えます。
しっかりと研究をしているということは、1つめの理由にも繋がると同時に、入社後のミスマッチを防ぐというメリットにもなります。
企業は内定辞退だけではなく、入社後すぐに離職されてしまうことも避けたいもの。
そういった事態を防ぎたい。そんな理由から、第一志望を確認するのでしょう。
どう答えるのが正解? 嘘をついてもいい?
企業側の心理が分かったところで、本題に移ります。
ここで解説するのは主に2つ。「どう回答すべきか」と「嘘をついてもばれないか」です。
そのためにもまずは、「御社が第一志望です」と答えるメリットとデメリットを考えてみましょう。
「第一志望です」と答えるメリットは?
たとえ嘘だったとしても、面接を受けている企業を第一志望だと伝えることには、以下のようなメリットが考えられます。
熱意をアピールできる
面接官に好印象をもってもらえる
精神的な負担を軽減できる
1つめはもっともシンプルにして最大のメリット。そして2つめは、1つめのメリットがもたらす副産物と言えます。
この2つにより内定の獲得に大きく近づくからこそ、本サイトを含めさまざまなところで「第一志望ですと答えましょう」と解説するのです。
3つめは、内定を得られれば、本当の第一志望の選考を安心した状態で受けられるでしょう。間違いなく、それも大きなメリットです。
「第一志望です」と答えるデメリットは?
ここで解説するのは、あくまでも“嘘をついて”第一志望ですと答えたときのデメリットです。本当に第一志望である企業に対して素直に伝えることに、デメリットは1つもありません。
ではあらためて、嘘をついたときのデメリットを紹介します。
ミスマッチに悩む
同僚と信頼関係を築けない
自分自身が気持ち悪い
上2つはどちらも入社後の話。第一志望でない企業ということは、どこかに自身にとって好ましくない部分があるのでしょう。最初から企業文化や社内風土、仕事内容などに不満を抱えながら働くことは、お互いにとってマイナスでしかありません。
ただ、それ以上に自分自身が良心の呵責にさいなまれることのほうが問題。そんな精神状態で周囲と信頼関係を築きながら、スキルアップしていく姿が想像できますか?
嘘をついてもダメージのない例外もある!
上記を読んでいて気づいた方はいらっしゃるでしょうか。
これらは、応募企業のどこかに不満があるのに、嘘をついて入社した場合のデメリットです。
逆に言えば、特に不満はないが、よりよい会社があるから第一志望ではないというパターンも、デメリットはほぼないことになります。
また、入社前の想像では不安があったとしても、実際に働いてみたら想像が間違っていたというパターンも充分ありえます。
つまり紹介したデメリットは、必ずそうなるものではない、ということは覚えておいてください。
すべてを踏まえて、おすすめの回答方法は?
メリット・デメリットを踏まえたうえで、あらためておすすめの回答方法を書くならば、やはり「第一志望です」と答えるべきです。
どこの会社に入るかも大事ですが、入った会社で何を学ぶかも同じくらい大事なこと。
そもそも自分に100%合った会社などそうそうありませんし、不満だらけの会社に応募することもないでしょう。
やはり「第一志望です」と答えつつ、そこに自身の特性やキャリア、スキル、将来の夢などに見合った説明を加えることがベストだと言えそうです。
そもそも「嘘をついてる」とばれる?
当然、面接する人よりますが、基本的には嘘はばれると考えておきましょう。なにせ面接官は、内定をもらうために有利になりそうな受け答えをする求職者を何百人、何千人と見てきているのですから。
同時に、ばれても問題はなにもないということも覚えておいてください。
なぜなら最初に解説したとおり、面接官が確認したいのは「本当に自分の会社を第一志望と考えているのか」ではなく、「どれだけ熱意を持っているか」と「どれだけ企業研究をしてきたか」だからです。
たとえ第一志望ではなくても、きちんと熱意を持っていて、その熱意をもとに企業研究を進めてきた求職者であれば、不利になることはありません。
面接官にばれることを心配して嘘をつきたくないと考えている方は、安心して2つの要素を伝えることに専念してください。
それでも嘘はつきたくない場合はどうする?
「有利だと分かっていても、やっぱり嘘はつきたくない!」
本記事をご覧の方の中には、こういった方もいるかもしれません。
そんなときは下記に注意してください。
第一志望ではないと断言しない
熱意を持っていることを伝える
疑問点を質問する
ここにかんしては1つずつ解説を挟んでいきましょう。
第一志望ではないと断言しない
いくら嘘をつきたくないからと言って、「いいえ、御社は第一志望ではありません」伝えることは正直である以前に極めて失礼。
また単にはっきり「第一志望群です」と伝えても、結局は“違います”と言っているだけなので同じことです。
そうではなく、「御社にも非常に強い興味を持っておりますが、実は同業界のB社と迷っております」など、相手への配慮を忘れない回答を用意しておきましょう。
熱意を持っていることを伝える
こちらも考えてみれば当たり前のこと。担当者も貴重な時間を使ってあなたの面接を行ってくれているわけですから、あなたもそれに見合った態度を取るのは社会人としての常識です。
あえて「第一志望です」と嘘はつかないまでも、どんなところを魅力に感じて応募したのか、企業選びの軸としている部分にどれだけマッチしているのかなど、アピールを忘れないようにしましょう。
疑問・不安点を質問する
最後に、もっともおすすめの方法がこちら。第一志望ではないということは、どこかに疑問や不安があるのでしょう。それを面接官に伝えて、回答してもらうのです。
うまくいけば実際にそこで働いている人ならではの視点で、自身の想像とは異なる実像を教えてもらえるかもしれません。
注意としては、お金にかかわることや特定社員のプライバシーにかかわることは失礼なので避けましょう。
まとめ:大事なのは考え方!
これまでの記事でも解説してきたとおり、「弊社が第一志望ですか?」に対するベストな答えは「はい、第一志望です」と即答することです。
そして“嘘をつく”ことに罪悪感や後ろめたさを感じてしまう方は、少し視点を変えてみてはいかがでしょうか。
「正直者が馬鹿を見る」
「嘘も方便」
このような言葉があるように、社会で生活していくうえで「正直=美徳」とは限らないのが実情です。
嘘をつくのではなく、「相手が求めている答えは何か」を考え、そしてそれに沿った答えを返すだけ。そういう観点で考えてみれば、罪悪感も減るかもしれません。
面接はある意味でテストの場。
あなたがどう感じるかではなく、相手の求める答えを導き出すことに主眼を置いて、面接という戦いを勝ち抜いてください。
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